旅人にとってガイドブックは便利なものですが、便利すぎるのも考えもの……。インドでガイドブックを捨てた僕の前に現れたのは、巨大な◯◯でした。
ガイドブックって便利!だけど便利すぎる……
こんにちは!気ままに旅するライター植竹智裕(うえたけともひろ)です。世界一周中の僕は現在インドにいます。
今回、初インドの僕は「ぼったくられる」「まるで別の惑星だ」「物を盗まれやすい」などインドに怖いイメージがあったのでガイドブックを用意して行きました。久々に使ってみると改めて便利さを痛感します。観光の見所だけでなく、美味しいレストランや安い宿、移動手段だって載っています。でも……気付くとこれらの情報に縛られている気がしてしまう事ってありませんか?
当然ながらガイドブックを見て行った場所にはガイドブックに書いてある通り、写真に載っている通りのものがあり、まるで攻略本を片手にTVゲームをやっているかのような気分になってしまいました。
情報源は現地人からのクチコミ
そんな物足りなさを打ち消し、冒険欲を満たすべく、僕が訪れたのはインド北東部シッキム州にあるナンチ(Namchi)という街です。この街はガイドブックには載っていませんでした。
きっかけはガントクという街で知り合った現地人のクチコミでした。彼曰く「街の外れに大きなシヴァがある」との事。何の事だか全然わかりませんが……シヴァとは「破壊を司るヒンドゥー教の3最高神の一柱」(Wikipediaより引用)なので、ヒンドゥー教の聖地か何かなのでしょうか?
着いたのはこんな街
ガントクからは乗合ジープで未舗装の山道を約4時間かけて進みます。上下左右に揺れる地獄のような道でしたが、車窓からの壮大な景色に秘境への期待が高まります。
冒険の拠点になる街はこんな感じです。どんな秘境なのかと思いきや意外と栄えていて、宿も沢山ありました。
噂のスポットを目指して歩いてみた
早速、宿の人に「街外れの大きなシヴァ」について聞いてみたところ、SIDDHESVARA DHAMという場所である事が判明しました。
親切に地図まで書いてくれました(右の余白が気になりますが)。冒険の地図ゲットです。
僕がしたいのは「冒険」です。乗り物に乗って行くのではつまらないので、一番発見が多く、ゆっくり観察できる徒歩で向かう事にしました。(写真はさっそく発見した現地の学生のアーチェリー練習風景)。
新しい発見への期待に胸を躍らせながら歩き出してみたものの、意外と距離がありそうです。
ヒマラヤ山脈に近いシッキム州の街はこのように山の尾根に沿って街が形成されている場合が多く、まるでインドとは思えない景色です。
山の上に巨大シヴァ像発見!
目の前に更に大きな山が見えてきました。まさかこれ登らないよね?……そう思った次の瞬間、頂上に発見してしまいました、
行ってみてシヴァ像がぽつんと立っているだけだったらどうしよう……という不安を抱きながらも山を登ります。
歩き始めて約1時間、振り返ると、出発した街が遥か彼方に……。
巡礼テーマパークだった!
歩き始めて約1時間40分、ようやく頂上に着きました。駐車場もあり、予想より大きく、テーマパークのようになっていました。
入場料は大人50ルピー(約85円)と書いてあり、チケット売り場へ行ったのですが、なぜか無料で入れてくれました……。
……だけではありません。なんと、色々な形のヒンドゥー教寺院が並んでいました!
ただの寺院ではありませんでした
建築様式がばらばらで見ているだけでも楽しい寺院ですが、CHAR DHAMと呼ばれるヒンドゥー教の四大巡礼地の寺院を模したものだそうです。インド南部タミル・ナードゥ州にあるラーメシュワラムの寺院。
の
インド北部ウッターカンド州のバドリナスの寺院など。ヒンドゥー教徒にとっては、ここ一箇所で四大聖地を巡礼した気分になれる場所のようですが、ヒンドゥー教徒ではない僕にとっても一気に色々な寺院が見られて得した気分です。
公園の資料によると、インドにはジョティリンガと呼ばれるリンガ(男性器を模した物でシヴァ神の象徴)を祀った聖地が12箇所あるそうですが、この公園にも全部で12の祠があり、
寺院同様、リンガの趣も様々です。シヴァ像を目指して来たはずが、だんだんと「ヒンドゥー教聖地の博覧会」のように思えてきました。
夜景まで楽しめちゃいました
到着したのが夕方だったので、1時間もせずに日が暮れました。
標高が高く、日が暮れると震える程寒いので、帰ろうかと思っていると徐々に寺院に光が灯り、
シヴァ像もライトアップされました!これも見事!遅い時間に行ったおかげで日中と夜の二つの景色が見られました。暗くなった後の帰りの手段を考えておらず、タクシーと勘違いして声をかけた家族連れに街まで送ってもらうという失態を犯した以外は大満足な冒険でした。
世界って実は秘境だらけ?
現地人のクチコミだけを頼りに旅をしてみた今回。何もわからないという不安はありましたが、ちょっとした冒険気分が味わえました。衛星写真や地図も日々進歩しているこのご時世に、誰も知らない秘境なんてものはもう存在しないのかも知れませんが、ガイドブックに載っていない「秘境」はまだ五万とあるはず。
冒険してみたい方、長旅でマンネリ気味の方、是非現地でオススメのスポットを聞いてみて下さい。もしかしたら「日本人では」あなたが秘境の第一発見者になれるかも?次の冒険の主役はあなたです。
文・写真:植竹智裕
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