本場はでっかいお椀で飲む!紹興で「紹興酒」を飲んだくれ

2015.03.11 11:05 
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チビチビではなく、グビグビなのです。

 

「本場」へは意外と簡単に行ける

どうも、世界各地で飲んだくれている三矢です。連載「世界酒場放浪記」の第二弾は中国からお届けします。

日本人にも馴染みの深い中国のお酒のひとつに紹興酒があります。小さいグラスに注ぎ、好みでザラメを溶かしチビチビ飲む。そんなスタイルが一般的ですがなんと、本場の紹興酒は大きなお椀で飲むものでした

 

紹興酒とはそもそも、紹興という中国の街で作られる黄酒(ホアンジウ、イエローワイン)のこと。ちなみに老酒(ラオチュウ)とは長期熟成させた黄酒のことです。調べてみると、紹興は上海や浙江省の省都杭州から高速鉄道で簡単に行けるとのこと。そんな有名で美味しいお酒が近くで、本場で飲めるとあれば、酒飲みとして飲まずにはいられない、ということで行ってきました。

僕は杭州から高速鉄道で行きました。DSC_7379

 

「魯迅」や「周恩来」の故郷

飲んだくれの前に、紹興の街をご紹介します。紹興は『阿Q正伝』、『狂人日記』などで有名な小説家魯迅や周恩来の故郷としても有名です。

街の中心地はビルや建物がひしめき合っており中国の一地方都市といった趣きですが、観光客が集まるエリアに移動すると昔ながらの街並みが綺麗に保存されています。DSC_7426

 

街を歩いていると時間が止まってしまったかのような錯覚に陥ります。
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水路が多い紹興の旧市街では烏篷船と呼ばれる昔ながらの足で漕ぐ船が今も現役で活躍しています。
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紹興1の観光スポットは魯迅ゆかりの見どころが集まった魯迅故里。
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魯迅の生家が博物館になっている魯迅故居や、
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魯迅の生涯や作品についての展示がある魯迅記念館などがあります。
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紹興はまた、書聖王羲之(おうぎし)が世界一有名な書作品『蘭亭序』を書いた別荘・蘭亭でも有名です。これは上の「鵞」の字を王羲之が、下の「池」の字を王羲之の子供・王献之(おうけんし)が書いたという石碑。
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1894年創業​の老舗で飲んだくれ

紹興観光もほどほどに本日のメインイベントに参りましょう。

今回、紹興酒を堪能するお店としてお邪魔したのがこちらの咸享酒店(かんきょうしゅてん)。このお店は魯迅の小説『孔乙己』にも登場したお店で1894年創業と100年以上の歴史を誇る老舗です。西川治さんの『世界ぐるっとほろ酔い紀行』でも紹介されています(僕はこの本でこのお店のことを知りました)。
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オープンテラスの屋外は紹興の昔ながらの飲み屋を再現したものだとか。いい味出てますよね。
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屋内はこんな感じ。外と比べると少し風情はありませんがつまみを買う場所が近くて便利。あと冬でも暖か。
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紹興酒をカードで買う

歴史があるお店にしてはシステムは近代的。あらかじめカードにお金をチャージしてそのカードを使ってお酒やつまみを買うようになっています。
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ずらりと並んだつまみの数々。酒飲みとして心躍ります。
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紹興名物の臭豆腐も食べられます。揚げたてサックサクです。チリソースと味噌ダレのようなものが付いてきます。
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臭豆腐は臭いがキツイためこれまで敬遠してきましたが食べてみると食感はサクサク、味はマイルドで美味しかったです。お酒にも合います(この写真は屋台で買った臭豆腐です)。
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外では紹興酒の瓶や甕も売っておりお土産にも最適です。
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こちらが紹興酒と簡単なつまみのお値段。左から紹興酒(最高級品)、紹興酒(普通)、茹で落花生、干し豆腐の煮込み、茴香豆(ういきょうまめ:後述)。当時1元約17円だったので紹興酒一杯400~600円します。結構いいお値段です。まあ酒飲みは宿代や食費はケチっても酒代はケチらないので僕には関係ない話ですけどね。
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前掲書によると茴香豆をつまみに紹興酒を飲むのが通だとか。右のトレイに入っている豆がそれです。ぱっと見そら豆みたいな形と色をしています。150gで9元(約150円)。
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紹興酒は注文すると中国美人のお姉さんがその場で注いでくれます。て、なんか入れ物でかくないですか?
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いざ、飲んだくれ!

今回チョイスしたおつまみ。左上から時計回りに茴香豆(9元)、酒粕の出汁に蒸し鶏を付け込んだ名物料理「咸享糟鸡」(25元)、紹興酒(24元)、ほうれん草のあえ物(12元)。

紹興酒の入れ物の大きさが際立ちます。ええそうです。本場はお椀で飲むのです。黄色というよりは黒いですね。
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見てくださいこのお椀の大きさを。一杯250ml。小さなグラスにザラメを溶かしてチビチビ飲むあのスタイルは一体どこから来たのでしょうか。口を付けるまでは甘いアロマが漂います。
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ぐびぐび。
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ぐびぐびぐび。口に含むと甘さと共に濃厚で芳醇な香りが鼻腔を突き抜けていきます。アルコール度数は15%前後と決して低くはありませんがぐびぐび飲めます。なんとも危険なお酒です。ちなみに紹興酒は適度に温められており冬場は心も体も芯から温まります
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ついでに茴香豆も実食。独特の香りがありますがナッツをつまみにワインを飲むような感覚でゆるーくのんびり飲むにはもってこいです。
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第二ラウンドはお姉さんと

本日の夕食。ええ、昼だけじゃ飽きたらず夜もまた来てしまいました。なんてったって酒飲みですからね。奥から時計回りに臭豆腐(10元)、高菜に似た漬物梅菜と豚の角煮の名物料理「梅干菜扣肉」(40元)、紹興酒(24元)、ご飯(2元)、豚肉の料理(詳細忘れました)(12元)。DSC_8054

ひとりでチビチビグビグビ飲んでいると、一泊二日で杭州から遊びに来たという中国人のお姉さんと相席することになり一緒に飲むことになりました。他に席が空いているのに僕の前に来たので美人局か!?と一瞬訝りましたが、英語で会話していてるのにテンションが上がってくると急に中国語になり、自分が中国語を話してることに気づくと赤面してしまう可愛らしい方でした。が、どさくさに紛れて紹興酒を一杯奢らされました。まあ美人局じゃなかったので良かったことにします。

 

ほろ酔い気分で記念撮影

ほろ酔い気分で店の前に在った酔っ払いじいさんの銅像と記念撮影。このおじいさん右手に紹興酒のお椀、左手に茴香豆を持っています。やっぱり本場はこのスタイルなのです。
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紹興の街は上海や杭州から簡単にアクセスできるので皆さんも近くにお越しの際はぜひ本場の紹興酒を楽しんでみてください。なお、燗した日本酒のように後から急激に効いてくるお酒なので飲みすぎにはくれぐれもご注意を!

 

文・写真:三矢英人
HP:my pace, my life
Twitter:hideto328

 

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三矢英人
1986年神奈川県生まれ。住所不定無職。日本地ビール協会認定ビアテイスター、米国公認会計士(Inactive)。行きたいところに行き、見たいものを見て、食べたいものを食べ、飲みたい酒を飲む、がモットー。三度の飯より酒が好き。 HP: my pace, my life Twitter: hideto328

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