北朝鮮ツアーで強制的に連れて行かれるピョンヤンの観光名所10

2014.06.04 18:00 
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シリーズ「北朝鮮3泊4日ツアー」の第3回は「平壌市内観光」編。まさに怒濤のごとく北朝鮮自慢のスポットを連れ回されました。そして何故か、津軽海峡冬景色を聞くことに……。

 

旅するライター三矢ですいよいよ平壌市内観光に出かけます。シリーズ第1回「入国編」、2回「ホテル編」は下記から。

1 
北朝鮮に列車で入国してみたら期待を裏切らない風景が待っていた
2 北朝鮮の超高級ホテルに泊まったら、日本円が使えた

 

ガイドが2人つく理由

北朝鮮2日目の朝、ホテルのロビーでガイドと合流し、車に乗り込みます。観光客一人に対してガイド二人、運転手一人、専用車がつきます。ガイドは日本語が堪能で至れり尽くせりです。
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ガイドがなぜ二人いるのか?一人でいいのではないのか?試しに聞いてみたところ、「一人では完ぺきではない。二人で対応することにより一人より、より完璧に近づくことができる。」と教科書のような回答が返ってきました。

一説ではガイドが一人だと、客に買収される可能性があるから、ガイドがお互いに監視しあっているという説もありますが、真相はどうなんでしょうか。

 

1 万寿台大記念碑

最初に訪れるのは万寿台大記念碑。ここには金日成首席と金正日総書記の銅像が建てられており、平壌観光最初にして最大の目玉といっても過言ではありません。
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車を降りて綺麗に舗装された道を歩いていきます。DSC_7502

 

霧の向こうにうっすら何か見えてきました。
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しかし霧がひどくてよく見えない……。 これが北朝鮮で1、2を争うほど楽しみだったのですが、僕の日頃の行いが悪いと言うことでしょうか……。
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ここで旅行者が必ずしなければいけないことが献花です。このお花代はツアー料金には含まれておらず、旅行者が自ら払わなければなりません。しかも1000円相当のお金が必要です。支払いは日本円、アメリカドル、ユーロ、中国元などで相当する額を払います。ガイドにお金を渡すと、どこからかお花を買ってきてくれます。それにしても1000円は高いよ……。

 

僕が訪れた前日が金正日の命日ということで、非常にたくさんの花が献花されていました。
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献花して、ガイドの言葉をそのまま借りると「お二人に挨拶」します。 
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向かって左が金日成主席、
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そして右が金正日総書記です。
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銅像の両脇にはレリーフが。なんでも左のレリーフは抗日戦争、右のレリーフは朝鮮戦争をモチーフにしたものだとか。
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鬼気迫る表情です。
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2 人民大学習堂

人民大学習堂は、金日成首席の70歳の誕生日を記念して建造された建物で、中は図書館になっています。
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入口をくぐると、
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巨大な金日成像がお出迎え。
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こちらが閲覧室。本のジャンルごとに閲覧室が分かれています。
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桃太郎も。
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こちらは電子閲覧室。
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インターネットが使えるのではなく、保存してある電子データにアクセスできるだけのようです。
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音楽室では各国の音楽が聞けます。
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日本の曲があるということで聞かせてもらいました。ロード津軽海峡冬景色希望の轍など選曲基準が完全に謎です。
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聞いていて違和感を感じたのでガイドに聞いてみたところ、朝鮮人が歌っているとのこと。 それにしては上手いけど、なんだよそれ……。

 

音楽室には日本語の本も置かれています。小学校にありそうな本ですね。 
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6階のテラスからは金日成広場が見えます。
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3 金日成広場

人民大学習堂から見下ろした金日成広場に降り立ちます。よくテレビで映る軍事パレードなどが行われている広場です。
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広場では平壌市民の足を見かけました。市内にはトロリーバスが走っています。
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広場の両脇には博物館や美術館があります。オプションで入ることもできたそうですが、有料とのことで今回は断念しました。
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4 本屋

ツアーの中に何故か本屋が含まれています。誰が買うのか、北朝鮮の本を各国語に翻訳したものが多数あります。
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本の品ぞろえはホテルの本屋と同じようなものです。北朝鮮の地図や観光ガイド、ポストカードなども買うことが出来ます。
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5 金日成首席の生家

次に向かったのが、万景台の金日成の生家です。主席がどのような思いでこの家で育ち、そして朝鮮独立のために旅立ったかについてガイドから解説があります。
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金日成主席の両親が使っていた農具などが展示されています。
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こちらが部屋。飾ってある写真が誰で主席とどのような関係があったのかなどの説明がありました。この辺りからなんでもかんでも首席、二言目には首席のガイドが鬱陶しくなってきます。
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6 地下鉄乗車

社会主義国家では地下鉄に自信を持っている国が少なくないように思います。 この北朝鮮でも地下鉄は自慢らしく、ツアーの行程に組み込まれています。
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こちらが駅舎。名前は復興駅。駅名が地名と関係ないのが北朝鮮流。他にも栄光駅、凱旋駅、建国駅などがあり、戦後の復興や、北朝鮮の栄光への思いが駅名に込められているとか。 
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非常に古めかしい改札をくぐって、
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エスカレーターを下ります。
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このエスカレーターが非常に深く、遅いため、下まで行くのに数分かかります。 何でも有事の際にシェルターの役割を果たすのだとか。
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下に降り立ちました。ちなみにこちらを振り返っているのが、ガイドの一人金さんです。
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そこからさらに歩くと、ようやくホームが見えてきます。
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こちらがホーム。車両は昭和の香りを感じる外観です。
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壁面には駅名にちなんだモザイク壁画が描かれています。
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地下鉄に乗車して数駅移動します。ずいぶんシックでシンプルな内装です。
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地下鉄の車両にも当然、主席と総書記の肖像が。
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7 凱旋門

地下鉄を降りた先には凱旋門がありました。高さが60mあり、世界で一番大きい凱旋門だそうです。この凱旋門も金日成の70歳記念で建てられました。
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凱旋門の近くには、2011年のブラジルW杯アジア3次予選でサッカー日本代表が北朝鮮に敗退したスタジアムが。その話をする時のガイドは非常に誇らしそうでした。
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8 教育施設

ツアーにはなぜか学校見学が含まれていました。この教室は総書記の偉業を学ぶためだけの部屋だとか。
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そしてなぜか僕一人のためだけに課外活動の発表会が開かれます。
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楽器の演奏や、合唱・踊りの披露なども。
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そして最後に記念撮影。左から4人目が僕です。
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すさまじい本気度を感じましたが、この子達はこの課外活動についてどう思っているのだろうか。本心から楽しいと思ってやっているのか、何か見えない力によって半強制的にさせられているのではないか、など……。

 

9 主体(チェチュ)思想塔

次に向かったのが朝鮮労働党の政治思想である主体(チェチュ)思想を体現した塔。
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これまた金日成の70歳の誕生日を記念して建てられた建造物です。チェチュ思想は金日成が提唱した思想であり、世界中に信奉者がいるようです。ガイドいわく、北朝鮮には宗教はなく人民の多くはチェチュ思想を信奉しているとのこと。ちなみに「チェチュ思想とはなんぞや」と聞いたところ無神論だとか。

塔の下の銅像は金日成が建国の際に言った「労働者、農民、知識人がそれぞれの持てる力を発揮し国を作っていく」という理想を表していて、朝鮮労働党のアイコンにもなっています。

 

塔の上部は展望台になっていて、平壌市街が一望できます。塔に登るのはツアー代金に含まれておらず別途1,000円程度の外貨で支払います。
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塔の上から見下ろした平壌市街。意外に高さのある建物が目立ちます。
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10 建党記念塔

この日最後に向かったのが、建党記念塔です。この党は朝鮮労働党の創立50周年を記念して建てられ、高さは50mあります。
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チェチュ思想塔の銅像にもあった農民(鎌)、労働者(ハンマー)、知識人(筆)がモチーフになっています。 
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ガイドに促されるままに三矢も手を挙げてみました。 
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塔の後ろには小さな資料館があり、2012年に打ち上げられた北朝鮮曰く「人工衛星」の写真も飾られていました。
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塔の向かいには朝一番に向かった万寿台大記念碑の銅像がくっきり見えます。朝はあんなに霧がかかっていたのに………やはり日頃の行いでしょうか……。
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そんなこんなで、朝から晩まで盛りだくさんの平壌市内観光が終わりました。

次回は朝鮮料理についてご紹介します。

 

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三矢英人
1986年神奈川県生まれ。住所不定無職。日本地ビール協会認定ビアテイスター、米国公認会計士(Inactive)。行きたいところに行き、見たいものを見て、食べたいものを食べ、飲みたい酒を飲む、がモットー。三度の飯より酒が好き。 HP: my pace, my life Twitter: hideto328

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