北朝鮮こと朝鮮民主主義人民共和国。近くて遠い国として日本で報道されるのは核開発や拉致問題、貧困に喘ぐ一般市民達ばかり。でも実際ってどうなんだ? そんな疑問を解消すべく、潜入調査してきました。これから6回に渡って北朝鮮ツアーを紹介していきます。
北朝鮮は中国からツアーで行ける
ご無沙汰しています。旅するライター三矢です。
僕が参加したツアーは、中朝国境の街・丹東にある旅行代理店に依頼しました。事前にメールで必要事項を送付し、VISAや電車の手配をしてもらいます。
当日朝8時、旅行代理店に赴きます。こちらが今回依頼した代理店丹東金華国際旅行社。
日本円で135,000円を中国元で支払います。僕が参加したときのレートだと7,900元。ぐぬぬ…大金……。なお、代理店のHPによると参加者を10人以上集めれば一人当たり90,000円になるようです。
ここで北朝鮮のビザが渡されます。
思っていた以上にしっかりしているやんけ……。
上画像の左下は入出国日なのですが102と言う数字は西暦ではない北朝鮮独自の暦のようです。
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北朝鮮行きの電車
それではいよいよ代理店の人に連れられて北朝鮮への電車の出発点、丹東駅に向かいます。
行きの電車は快適な一等寝台です。初めて一等寝台に乗車しましたが、一度乗ってしまうと苦行のような中国のハードシート(硬座と呼ばれる)に乗るのが、これまで以上に苦痛になる危険を感じました。節約旅行ではまず乗ることのないのがこの一等寝台です。
丹東駅を中国時間朝10時に出発した電車は、発車してすぐに中朝国境に架かる鴨緑江大橋を渡ります。
車窓からは朝鮮戦争時代にアメリカ軍により爆破され橋脚しか残っていない橋が見えます。
いよいよ北朝鮮に入国
橋を渡ってまず見えるのが遊園地の廃墟。期待を裏切らない演出に胸が高鳴ります。
橋を渡るとそこは北朝鮮側の国境の街新義州です。
中国と北朝鮮は時差が1時間あるのでここで時計の針を一時間後ろに戻します。
厳格な荷物検査
新義州ではパスポートコントロールに加え、厳格な荷物検査が行われます。 まず乗客はパスポート(とVISA)を回収され入国審査を受けている間に、荷物検査を受けます。ありとあらゆるものをチェックされました。 これさ、出すのは簡単だけど詰め直すの結構大変なんだよ……。
2013年になって、以前は持ち込めなかった携帯電話も持ち込み出来るようになりました。しかしケータイのメーカー名やGPSの有無について細かく質問されました。今どきのケータイはたいていGPSがついているのですが、GPSはついていないと適当に答えました。カメラに関しても持ち込みは可能ですが、やはりGPSの有無について細かく質問されました。
荷物検査の中で特に詳しくチェックされたのが本でした。僕はガイドブックや語学の学習用に(無駄に)10冊以上の本を持っていたので、相当時間がかかりました。書籍の内容によっては没収もありうるのですが、担当者が日本語はおろか英語も怪しいので、没収されないように説明するのに必死です。
そんなこんなで新義州で二時間くらい時間がかかります。全員の荷物検査が終わるとパスポートとVISAが返却されます。日本人はパスポートに入国スタンプは押されず、VISAに押されて返却されます。つまりパスポートには中国からの出国記録のみが残されて北朝鮮への入国記録は残りません。
電車が再出発
パスポートの返却が終わると、電車はいよいよ北朝鮮の首都平壌に向けて走り出します。新義州は写真撮影禁止なので、いよいよここから北朝鮮の写真が撮れるようになります。平壌に着いてからは、常にガイドの監視下に置かれるので、ある意味ではこの電車が唯一自由に写真撮影できる時間です。
車窓からは日本の報道番組でよく流されているような貧しい田園風景が広がっています。ここでも期待を裏切りません。
社会主義国だからか同じデザインの没個性的な家が並んでいます。
ほとんどの道路は舗装されておらず、平壌のかなり近くに行くまで、自動車は全く走っていませんでした。
時折、テレビで見たような金日成首席と金正日総書記の肖像が掲げられた建物や、
何と書いてあるのか分かりませんが、社会主義国家にありがちなスローガンが掲げられています。
どこまでも同じような景色が続きます。夕陽がとても綺麗でした。
そしてついに平壌へ
新義州を出発してから約5時間、電車は平壌市街に入っていきます。
世界一のホテルを目指して建設された柳京ホテルが見えると、
北朝鮮旅行がスタート
平壌駅に到着。ホームに降り立つと、朝鮮人の帰国を出迎えに来た人たちが沢山いました。
平壌です。ここで電車から降りると突然「日本の方ですか?」と日本語で話しかけられます。いよいよガイドと合流です。
平壌駅の夜景を写真に納めてからホテルに向かいます。いよいよ北朝鮮旅行の本格的なスタートです。
次回は北朝鮮のホテルについてご紹介します。
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