モントセラトに行ってきた -大噴火によって首都が壊滅したままの国-

2013.07.19 18:00 
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火山大噴火によって首都が壊滅したままの国のことをご存知でしょうか。カリブ海に浮かぶ小国モントセラトで目にしたのは、灰に埋もれた街の厳しい現実でした。

モントセラトはカリブ海に浮かぶ小さな島々の一つです。

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モントセラト(Montserrat)はカリブ海の小アンティル諸島に位置する火山島で、イギリスの海外領土である。公用語は英語、面積102平方キロメートル、人口8995人(2003年)。スーフリエール・ヒルズ(915m)が島で最も高い山である。(Wikipediaより引用)

アクセス方法はいくつかありますが、今回は船での行き方にチャレンジです。隣国の一つ、アンティグア・バーブーダからこちらのフェリーで2時間ほどです。

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なかなか激しく揺られながらも無事到着。こちらがモントセラト島です。
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1997年に島の中央にあるスーフリエール火山が爆発的噴火をしたため首都のプリマスが壊滅(火山灰で覆われている事がわかりますね)。島民の多くは一時的に島から出る必要を迫られましたが、再びここへ帰ってきて今も生活を営んでいるというのです。

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本来ダイビング目的で行ったのですが、あいにくこの日は海が荒れていて潜れないと言われ、とりあえず島を車で巡るツアーに参加します。
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一見すると本当にただの島です。豊かな緑が印象的。
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しばらく車を走らせると街が見えてきました。臨時首都であるブレイズです。右手奥に見える二つの並んだ建物は学校、左手は住宅街です。
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左手の看板からユーロ圏の国々の支援があったことが分かります。
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以前は12000人ほどいた島民も現在では5000人程度。建物の少なさがその人口の少なさを物語っています。
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車を降りて草原の上を散歩。崖の上に吹き付ける海風が心地よいな~なんてのんきに思っていたらある光景が目に飛び込んできました。

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黄色い矢印で指してある場所、ちょっと色が違うのが分かるでしょうか。最初は浜辺かと思ったのですが……
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海にせり出したこの部分、実は火山から流れ出た溶岩によって形成された新しい大地だそうです。現在もゆっくりと海に進行しているとのこと。

そのすぐ上には、雲に覆われた山が……。これが今なお活動を続けるスーフリエール火山です。DSCF8763

車でさらに火山の方向に近づいていきますが、明らかに山の上だけ物々しい雰囲気が漂っています。
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ほどなくして小さな集落に到着。
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こちらにはスーフリエール火山の動向を監視している観測所があります。ここで今日はどれくらい火山とプリマスに近づくことができるのかチェックがおこなわれるそうです。幸いにも今日は天気も良く、火山活動も落ち着いているので首都に一番近づけるZone Cまで行けることに。
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再び車に乗り込み、ジャングルの中の未舗装路をひた走ります。
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15分ほどでさっと景色が変わりました。一面灰の海です。そうこうしていると…
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崩壊した家屋。これがプリマス郊外で噴火の直撃を受けた中で最も原形をとどめている建物らしい。
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伸び放題の雑草の中に家が建っていました。もちろん誰も住んでいません。DSCF8781

このあたりがZone Bと呼ばれているエリア。まず1995年7月18日、最初の噴火によりプリマスが灰に覆われて全島民の2/3が島外避難、イギリスが救援のために軍艦を派遣するほどの事態になりました。そして1997年の爆発的噴火(下写真)により火砕流が発生したため国はプリマスを放棄。その後も2003年あたりまで島に残りたいと望んだ人々がこのエリアに住んでいましたが、その年再びの大規模な噴火で退去を余儀なくされました。
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ようやくプリマスの入り口へ。
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道路に開いた巨大なクレーターが街への侵入を拒みます。
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クレーターの手前まで行ってみると崩れた道路と放棄された家屋が。
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ここまでがZone C。これ以降のポイントはZone Vとされ、一切の侵入はできません。DSCF8798

さらに進んでプリマス全体が見渡せるというポイントへ。火山の恐ろしさの全貌が見えてきました。
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これが現在のプリマスの姿。
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すべてが灰に飲まれています。
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遠近感があるとはいえ、家ほどのサイズの巨岩が転がっています。
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まさに言葉にならない光景。「ここから先のプリマスにはもう誰も住めない。いまでも活発な火山活動が続いているし、なによりガスと地熱がひどい。たまに街の中に動物が迷い込んだりすることがあるけど、そいつらはみんな立ったまま死ぬ。」(現地ガイド)

帰る途中に見た放棄された家屋。
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 「いまここにある家は、中のもの含めて全部個人の所有物だ。でも政府が立ち入りを禁止していて、誰も自分のものを取りに来られない。それが原因で島に帰ってこない人も大勢いる」DSCF8836

新首都方面へと戻ってきました。帰り際に見た刑務所。DSCF8849

こんな小さい島で犯罪を犯すやつなんているのかと聞くと、「ヤクやってる奴らばっかりだけどな」と笑うガイド。さすが島国、クスリは健在です。


出国手続きを済ませて、フェリーでアンティグア・バーブーダへと帰ります。さよならモントセラト。
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火山の噴火と聞いて行ってみると、そこで待ち受けていたのは想像をはるかに超えた厳しい現実でした。これほどまでの惨状、島民たちが帰ってくる日は来るのでしょうか。今はただ島の復興を願うばかりです。

文・写真:shiwaku
 

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shiwaku
大学4年で1年間の休学をし、世界50ヶ国をぶらぶら。2014年より国際基督教大学大学院修士課程へ在籍、「世界一周」研究をおこなう。趣味は旅とアーチェリー。日本で(おそらく)唯一のアーチェリー国際ユースジャッジ資格を持っているのが密かな自慢。

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