キューバには通貨が2種類ある
こんにちは!夫婦で世界一周旅行をして1年半が経過したmiaです。2014年12月から2015年1月までキューバに行ってきました。
社会主義国であるキューバは独特な国でした。米国などの資本主義体制の国々から国交を絶たれ、故に引き起こされた物資不足の状況。街を平然と走るクラシックカーの数々。国家レベルで進められている有機野菜事業。人々の心を支えるキューバ音楽など、興味を惹かれるものが多いです。そして……
キューバには通貨が2種類あるんです。なかなか想像しがたいキューバ経済の実態を私の体験を通してご紹介したいと思います!
「ペソ」と「CUC」2種類の通貨
Cuban Peso(以下ペソ)
1ペソ=1/25米ドルです。キューバ人はこのお金でお給料をもらい、買い物をします。キューバ人しか所持してはいけない決まりはなく、旅行客も使用可。日本円の10円玉の様な色をしています。
Cuban Convertible Peso(以下CUC)
1CUC=1米ドルです。2004年にドルの流通が禁止されたと同時に導入された通貨で、旅行客向けのサービスや、贅沢品はCUCで請求されることが多いです。一番小さな1センターボ(0.01CUC)以外、日本円の100円玉の様な色をしています。
写真左の人が描かれている紙幣がペソで、右の建物が描かれている紙幣がCUCです。
2014年12月に、米国がキューバとの国交正常化に向けた交渉を正式に開始したニュースがあったように、キューバ政府は将来的にこの2種類の通貨の価値の差を縮めることを狙っています。
地元民の通貨ペソを使ってみた
さて、私は空港で外貨から換金したCUCを、ハバナ市内のCadeca(Casa de Cambioの略)という両替所でペソに両替してもらいました。やはりエキゾチックなキューバを楽しむためには、地元民の通貨ペソが必要不可欠と言えましょう!
ちなみに、キューバでは一部の主要な食料品は配給制(安値というだけで無料では無い)になっていて、このように人々が配給品を求め並ぶ姿を見ることがあります。
社会主義国のキューバでは、福祉、医療、教育を無償に受けることが出来ます。生活に最低限必要なサービスも大変安価なので、月給も15~30ドル程と言われています。野菜や肉などは、市場があるので必要な人や外国人はそこから購入することができます。買い物をした様子はキューバで味噌汁を作った記事に書いています。
私はキューバ人ではないため、もちろん配給制の食べ物は受け取ることが出来ません。キューバ人が通う私営のレストランで安く食事を済ませます。例えばこちらの水色とピンクでカラフルにペンキが塗られているお店は大変おいしく、何度も通いました。
カウンター席が合計6つありました。
熱々のグリルチキンに米、少量のサラダと芋。これで25ペソ(1ドル)です。
他にも、このような小規模の店は多く、
南国のフルーツ、グアバのペーストが入ったケーキ5ペソ(0.2ドル)などが購入可能でした。ほんのり甘くて優しい味でした。
ピニャコラーダというパイナップルとココナッツを氷でブレンダーにかけた飲み物(お酒抜き)は5ペソ(0.2ドル)でした。
路上で売られるココナッツケーキは5ペソ(0.2ドル)でした。ココナッツのシロップがスポンジ部分に染みてしっとりしていました。ペースト部分にはココナッツの果肉がしっかり入っていました。
ノーブランドの葉巻は一本1ペソ(0.04ドル)。
6ペソ(0.24ドル)で楽しめるビールがあるこちらのお店。
おじさんが注いでくれているのは、正真正銘のビールではあるのですが、
決して品質が良いとは思えない、添加されたようなアルコールの雑な味が妙に後味悪く残るビールでした。
ペソでラム酒を探していて入ったのがこちらのお店。ショットグラスでキューバ名産のラムをストレートで注文できます。ちょっとぼられて1杯1CUC(1ドル)になってしまいましたが、ハッピーな気分で記念撮影。
市バスは乗車につき1ペソ(0.04ドル)でした。首都ハバナから、乗車時間40分でヘミングウェイの家Finca Vigíaや、30分で同じくヘミングウェイの小説の舞台になったCojimarに行くことが出来ました。
カミヨン(トラックを改造した私営のバス)は20ペソ(0.8ドル)で、Viñalesという郊外から隣町のPinar del Ríoまで行く際に利用しました。
カミヨンの窓にはガラスが無く、風が気持ち良く、普通のバスに乗っている時より乗り物酔いしませんでした。
対して、CUCでしか楽しめないキューバとは?
例えばブランド品の葉巻です。10CUC(10ドル)前後あれば安めのものが1本購入できます。
そしてキューバに来たらぜひ体験していただきたいのがナイトライフです。音楽を聴きながらお酒が飲めるバーは、観光者向けに価格が設定されてるので、支払いもCUCになります。バンドに対するチップもCUCで支払うのが礼儀でしょう。
ダイキリ(ラムをベースとするショートカクテル)などのカクテルはお店によって異なりますが2~6CUC(2~6ドル)します。
キューバの特産品にサトウキビがあります。そのサトウキビを原料にしたラム酒を、絞りたてのサトウキビ、ライム、パイナップルジュースで割って頂きます。4CUC(4ドル)でした。
CUCしか取り扱っていないこちらのお店には、キューバ人もしっかり集まります。
キューバ原産のチョコレート屋さんです。カカオの味がダイレクトに口に広がります。ひとつ0.40CUC~(0.4ドル~)購入可能。
どうして通貨が2種類あるのか?
キューバは、1898年にスペインから独立した際に、事実上アメリカの保護下になります。 腐敗したバティスタ政権下のキューバ人権力層とアメリカに資本が流出するばかりで、現代でこそ先進国並みの識字率を誇るキューバ国民の識字率は、当時半数を下回っており、特に都会ー田舎、また白人ー黒人およびムラート(混血)間の生活水準の差は激しかったと言います。
1953年、そんな状況を打破しようとキューバ革命が起き、アメリカからの真の独立を確立すると同時に、アメリカ資本を排除し国営化。社会主義国となり、アメリカからは国交を断絶されます。しかし、1989年に冷戦が終了し、これまでキューバ経済を支えていた社会主義国との貿易網を失います。
ここからキューバのGDPは急降下することとなり、どうにかアメリカと経済活動を再開できるよう試みを始めます。その中の試みのひとつに、国営企業の一部民営化や土地の私的所有の許可など、市場経済の部分的導入がありました。特に米国との間では、1993年にキューバ人による米ドル所持を解禁したり、2003年にアメリカ側がアメリカ人によるキューバ訪問を許可するなどの動きがありました。
すると、ツーリズムからドルが流入し、経済は上向きます。しかし、弱まることの無い米国による経済制裁や、ある程度の経済回復を確認したことを理由に、2004年に米ドルを除外すべく、Cuban Convertible Pesoが導入されることになりました。Wikipedia参照
1つの国に2つの通貨が流通する独特の国・キューバ。ペソを使うとより現地の人の生活圏に近づくことができ、CUCではよりラグジュアリーな遊びを体験できるといった印象を持ちました。
文・写真:Mia
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