アルバニアで見つけた酒の広告…。違和感の正体が分かりますか?
初めまして、ぴさろと申します。ひょんな事から親のお金で世界一周をする事になった、18歳のラッキーボーイです。
イスラム教国家アルバニア
飲酒が禁止されているはずのイスラム教国家、東欧のアルバニア。しかし実際には、堂々とお酒の広告がありました。なんでこんなことになってしまっているのか?そこにはアルバニア独特の事情がありました。
この手前にある白い建物、こちらはモスクですね。モスクとはイスラム教における教会のようなもので、モスクがあるということはアルバニアにイスラム教が浸透しているということを意味します。さらに言うと、アルバニア人における宗教構成の70%はイスラム教徒です。よって客観的にアルバニアはイスラム教の国だと言えるでしょう。
イスラム教なのに堂々とお酒の広告
さて、違和感の正体が分かりましたか?
前述の通り、イスラム教は飲酒を禁止しています。今やその決まり自体はどこの国でも形骸化しているものの、本来なら、
こんなに堂々と広告を出し飲酒を促すような事はあり得ません。にもかかわらずこうやってお酒の広告を見ると、拭いきれない違和感を感じます。
奥のビルにかかっているのはビールの広告です。
こんな食生活が当たり前のように見えたこの国をイスラム教の国と言っていいのでしょうか……?
アルバニアでお酒が飲める理由
Wikipediaにはこうありました。
1967年に中国のプロレタリア文化大革命に刺激されて「無神国家」を宣言、一切の宗教活動を禁止した。Wikipediaより引用。
国に宗教が禁止されている期間があって、信仰も薄くなってしまったということでしょうか。アルバニアの宗教観は、過去に独裁者の手によって無に返されてしまったため、アルバニア独特の宗教観ができてしまったのだと思います。
そういえばアルバニアにいる間、スカーフを巻いた女性を一度も見ることはありませんでしたし、他のイスラム教の国では毎日聞いていた、お祈りの時間の放送もありませんでした。きっと一度宗教が無くなったことで、宗教にうまく馴染めなかったのでしょう。
詳しく知りたい方はぴさろによるアルバニア近代史をどうぞ。
"HODŽA druhá míza" by Forrásjelölés Hasonló. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.
今は昔、アルバニアに独裁者ホッジャ(上写真)がいました。ホッジャはスターリンが大好きでした。しかし当時ユーゴスラビアを始めとする周辺各国が、スターリンを批判していたのです。これにスターリン大好きホッジャ君は怒ってしまい、次々に国交を断絶していきます。さらにはスターリンの後継者であるフルシチョフがスターリンを批判、これにも怒ったホッジャ君はソ連とも国交を断絶します。その後は同じ社会主義国家である中国に援助を受けていましたが、中国が文化大革命を始めます。ホッジャ君はこれに影響されて、無神国家宣言をします。
Wikipediaのエンヴェル・ホッジャ、アルバニア参照。
ビールが安くて美味しいアルバニア
欧州最貧国とも言われるアルバニアではありますが、サランダやブトリントなどといった観光地もあり、物価も東南アジアレベルです。治安も特に悪い印象もなかったので、東欧への旅行の際には寄ってみるのもありかもしれませんね。ビールも安くて美味しかったですよ。
実はアルバニアの歴史、この後もとんでも無いことが起こるのですが、それは僕のブログで分かりやすく?説明していますので、興味があれば是非。それでは。
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