3月24日に起きたジャーマンウィングスの墜落事故を覚えていますか?事故から1ヶ月後、ジャーマンウィングスに乗ったら、他の航空会社の飛行機に乗ることになったり、不可解なことがいくつかありました。
既に予約していたチケット
こんにちは!カップルで世界一周中の水島早苗です。
ジャーマンウィングスの事故のことを知った時、耳を疑いました。なぜなら、そんな航空会社に1ヶ月後に搭乗するチケットを持っていたからです。
まさかジャーマンウィングスが・・・何かの嘘かと思い、頭が真っ白になりました。
ジャーマンウィングス9525便墜落事故
2015年3月24日にスペイン・バルセロナからドイツ・デュッセルドルフに飛行していたドイツの格安航空会社・ジャーマンウィングスの定期便がフランス南東部に墜落した事故。事故原因は副操縦士による自殺行為の可能性が高い。
wikipedia参照
1ヶ月後はちゃんと飛ぶんだろうか?私が乗る飛行機が落ちたらどうしよう・・・など不安は大きくなるばかりでした。
乗務員が搭乗拒否?乗りたくない…
墜落の原因がまだ解明されていないとき、乗務員が搭乗を拒否し、欠航便が増えているという報道を耳にしました。
機体の点検がずさんであることを知っている乗務員は搭乗を拒否してストライキをしている、格安航空だから過酷な労働環境だった、などなど、報道によってそんなことが囁かれるようになりました。
まさかこの会社、ブラック企業だったのでは・・・?
チケットは返金不可でしたが、そんな会社の飛行機には乗りたくない!搭乗はやめようと思いました。
あるニュースを見て搭乗を決意
しかし、事故の原因が解明されたころ、パイロットの感動的なスピーチや乗客をハグで出迎えるというニュースを目にしました。
「皆さんに、コックピットにも人間がいることをわかっていただきたい。そして、今夜家族と夕食を共にしたい私に信頼を置いてもらえたらと思う」
ロケットニュース24より引用
6人の同僚を失ったという深い悲しみの中でも、事故に真摯に向き合い、乗客の気持ちを考えて業務にあたるジャーマンウィングスの乗務員の姿に心を打たれました。このニュースを知り、やっぱり搭乗することにしました。
1区間目は「いつも通り」
ウィーンからデュッセルドルフで乗り継ぎ、マドリードまでの2区間乗りました。
まずはオーストリア・ウィーンからドイツ・デュッセルドルフへのフライトです。
事故を意識して搭乗しましたが、乗客にも不安な様子は見られず、いつも通りのフライトでした。なにより、客室乗務員が楽しそうに談話しながら業務に当たっている姿を見ることができてホッとしました。まだ事故から1ヶ月しか経っていないと思っていたのですが、もう1ヶ月と考えるべきなのでしょうか。
2区間目で感じた「4つの違和感」
2区間目はドイツ・デュッセルドルフからスペイン・マドリードへのフライトです。
墜落したのはバルセロナからデュッセルドルフに向かう途中でしたが、私が搭乗したデュッセルドルフからマドリードも似たルートを通ります。席は6、7割程度埋まっていましたが、いつもより乗客は少ないようでした。
1 他会社の飛行機がやってきた
乗り継ぎ先のデュッセルドルフに現れたのはジャーマンウィングスではなく、ルフトハンザの飛行機でした。複数の航空会社が共同で運行するシェア便というのがありますが、掲示板の表示からそれではないことが分かりました。理由の説明などはなく、告げられたのは代行による運行だということだけです。飛行機だけではなく、パイロットも客室乗務員もルフトハンザのスタッフで運行するとのことでした。
2 緊迫した機内の雰囲気
乗ってみて感じたのは機内が緊迫した雰囲気だったということです。中には副操縦士のゴシップ記事をこれ見よがしに読んでいる悪趣味な乗客もいました。
普段は何でもない揺れでも、あちこちから「わっ!」「きゃっ!」と声が聞こえてきます。ますます雰囲気が重くなったような気がしました。
3 機内誌がない
こちらは、ジャーマンウィングスに去年の夏に乗ったときの席の様子です(下写真)。
いつもならこんなふうに飲食メニューと機内誌、それから免税商品のカタログがポケットに入っています。機内誌は時間つぶしにいつも楽しみにしているのに・・・
この便に限ってはメニューも機内誌もありません!あるのは緊急時対応の冊子だけでした。余計に緊張してしまいます。
4 有料のサービスが無料
格安航空会社は飲食が有料のことが多く、ウィーンからデュッセルドルフのフライトもいつも通り有料でした。しかしこの便では、無料でサンドウィッチと飲み物が配られました。飲食物はジャーマンウィングスのロゴが入ったものでした。
1回目のフライト(2時間半)は、飲食物販売→ゴミ収集→免税商品販売と客室乗務員が回ってきたのですが、2回目(3時間)は、飲食物配布→飲み物配布→飲み物配布→飲み物配布と4回も回ってきてくれました。
食べたり飲んだりしているときに気がついたのですが、飲食物が配られてから機内の緊迫した雰囲気が少し和らいだような気がしました。私もいつの間にか不安が消えていました。
信頼回復に向け懸命に取り組む姿
どうして他会社による代行運行だったのか?という理由ははわかりません。予定していた飛行機を安全のため点検していたのかもしれないし、急なトラブルがあったのかもしれません。しかし理由を告げなかったことを考えると、もしかすると、このルートに搭乗する乗務員に無理をさせないために、乗客全員分の飲食サービスを託して他会社に運行を依頼していたのかもしれません。
ジャーマンウィングスの広報担当者は事故後に「搭乗を拒否している乗員がおり、われわれにも理解できる」と話していました。(ロイター通信より)
乗客だけではなく、乗務員に対しての信頼回復に向けても会社が一体となって、懸命に取り組んでいる様子を感じました。
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