ヤンゴン環状線に乗ってみた。1周45kmで3時間!? 

2014.03.31 12:00 
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ミャンマーといえば、「東南アジア最後のフロンティア」と呼ばれ近年成長が著しい国ですが、最大都市ヤンゴンの市民の足となっているのがヤンゴン環状線ミョバッ・ヤター。あまりにも殺風景なその車窓から見えてきたのは、市民の生々しいまでの暮らしでした。

 

 

はじめまして!旅行作家を目指して4月の暮れから世界一周に出る植竹智裕(うえたけともひろ)です!出発までまだまだ時間があるので、今までに経験したオススメの旅や準備ネタなどを書いていきたいと思います!よろしくお願いします!
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45kmになぜ3時間もかかるのだ?

今回紹介するのはミャンマーの最大都市ヤンゴンを走るミョバッ・ヤター。言いにくくてしょうがないミョバッ・ヤター。

ミョバッ・ヤターはヤンゴンと近郊の集落を結ぶ環状線で、総延長45.9km、39の駅を約2時間50分で一周します。一日の乗客数10万人から15万人という立派な市民の足。ちなみに日本の山手線は1周34.5km、所要時間は59分です。ミョバッ・ヤターよ、何故にそんなにかかるのだ……。

​そんなミョバッ・ヤターに乗れば、ヤンゴンの喧噪を離れて、しばしローカル住民の生活を垣間見る事ができます。

 

黄金の国ミャンマー
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一周たったの1ドル!

ヤンゴン中央駅からミョバッ・ヤターに乗り込みます。駅の入り口にあるチケットオフィスでチケットを買おうとしたら、「ホームで買え」と言われ、駅構内の線路を跨ぐ連絡橋を渡り、直接ホームへ。オフィスでパスポートを見せるとすぐ購入できました!

※下車まで失くさないように
※下車時も回収されないので旅の記念にもなる

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外国人運賃はなんと……1周1ドル日本の鉄道の初乗り運賃より安いこの値段設定、39の駅を巡るには破格です。

 

購入後はホームで地元の人を真似て、
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僕もしゃがんで列車の入線を待ちます。
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駅構内で焼きそばや揚げパンを売りさばくおばちゃん。
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ミョバッ・ヤターが来たぞ!
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走る巨大な木箱

乗ってみると……何だこれは!?座席は木製で、車両本体に付属している訳ではなく、ただ単に空いてるスペースに木のベンチを置いてみたという感じ。エアコンや扇風機が無いかわりにガラスも無く風通し抜群でした!床も木張りで、金属製の車両に慣れてしまった日本人の僕としては、鉄道の原点が感じられた瞬間でした。
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ミョバッ・ヤターは、出発するとしばらく住宅街を走り、洗濯物が干されている様子や、家庭ごみがそのまま捨てられた正直めちゃくちゃ汚い用水路など、ツアー観光ではあまり見られない(見せられない)生々しいまでの生活感を感じる事ができます。

 

ピョンピョン降りて、ドバドバ乗ってくる

驚いたのは駅に着く直前。大人から子供まで、急ぎの用事でもあるのか停車まで待ちきれないのか、列車が速度を落とした瞬間……出入り口からピョンピョン飛び出して行きます。それでいて誰一人として転倒する事もなく、各々涼しい顔で目的地へと散って行きます。なんというミャンマー人の身体能力!

 

それと引き換えに駅からはどばどば人が乗って来て、あっという間に満席。​
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麻袋や木の籠にこれから売りに行くと思われる香辛料や野菜を詰め込んだ人、謎の木の棒を担いだ人などさまざま。
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お坊さん4人と横並び

親切な人が多いミャンマー人。写真を撮りに行ったが為に座るタイミングを逃していた僕に席を譲ってくれました。敬虔な仏教国であるミャンマーでは仏教僧も優遇されます。という訳で、最終的には5人掛けの席に僕と仏教僧4人が横並びになり会話を楽しむという衝撃的な事態になりました(笑)。(日本でお坊さん4人と横並びになったら僕なら黙り込んでしまいます)

 

車内で商売(業界用語で言うと車販)を始める人も。
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姿を消しつつある「木箱」の車両……

単なる移動手段としてだけではなく、出発地点に戻ってこれるという安心感と共に車窓からの観光を楽しめる環状線。

ミョバッヤターは2013年から一部、エアコン付きの日本製中古車が導入されました。

また、2009年に訪れた際は運行間隔に1時間以上の開きがありましたが、2013年のダイヤ改正で便も15分間隔に増便され、気軽に乗りやすくなったので、時間がある場合はぶらり途中下車してみるのも楽しいかもしれないですね!いや、絶対楽しいと思う!

 

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現在、急激に開発・近代化が進むミャンマーですが、旅人からすれば面白みが薄れてきてしまうのもまた事実。一般的な観光地になるその前に、ヤンゴンで市民の生活を覗いてみてはいかかでしょうか。

 

※写真は全て2009年乗車時のもの
※ミャンマーへの観光目的の入国にはビザ申請(アライバル・ビザ不可)が必要です。

 

文・写真:植竹智裕
HP:週刊!植竹智裕の気ままに世界探検ブログ

 

 


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植竹 智裕
1986年、東京都多摩市生まれ。会社を辞めて早5年、世界一周・旅行記出版を夢に俳優業など手を出しつつゆるやかに資金を貯めてきた植竹、ついに日本を飛び出し世界から色々な体験記をお届します! 帰国後のお仕事のご相談もお待ちしております!旅のオフショットはインスタで。ブログTwitter

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