安宿評論第4弾はバングラデシュ…
こんにちは!安宿調査員の植竹智裕(うえたけともひろ)です。世界の安宿をレポートする連載・安宿ミシュラン☆☆☆も早いもので第4弾!今回は秘境バングラデシュの特徴的だった宿についてまとめてみたいと思います。
第一弾:インドネシア編
第二弾:マレーシア・シンガポール編
第三弾:タイ・ラオス編
☆の見方
星なし…二度と泊まりたくない
☆…可もなく不可もなく
☆☆…また泊まりたい
☆☆☆…夢に出てくるレベル
インド以上のカルチャーショック
バングラデシュは観光大国インドの東に位置しています。
「南アジアにあるイスラム教徒主体の国で、首都はダッカ。世界で7番目に人口が多い国であり、都市国家を除くと世界で最も人口密度が高い。かつて「黄金のベンガル」と称された豊かな地域であったが、インフラの未整備や行政の非能率から、現在はアジアの最貧国に属する」(Wikipediaより引用)
実際に行ってみるまでは「インドは混沌としていて汚い」というイメージを抱いていましたが、バングラデシュで受けたカルチャーショックはインドのそれを遥かに凌駕していました。
首都でも道の至る所で男性が立小便ならぬしゃがみ小便をして、そこかしこからアンモニア臭が漂って来ます。
そして、インドでは外国人が歩いていても無関心な人が多く、寄って来るのは物売りがほとんどですが、こちらでは一歩外に出れば、時として鬱陶しいぐらいフレンドリーで好奇心旺盛な現地人が次から次へと寄って来ます。そしてしつこさはどちらも同じ。人疲れしてしまって2週間も滞在すれば対人恐怖症になるレベルです。
インドの宿はこんな感じ
街の汚さや人、文化の違いもさる事ながら、宿もまた僕にとってはインドより遥かにショッキングな場所ばかりでした。まずは例としてインドの宿を一軒紹介します。
RAHUL GUEST HOUSE・ブッダガヤ(インド) ☆☆
値段:250ルピー(約425円)
部屋タイプ:個室
清潔感:綺麗
セキュリティ:バッチリ
Wi-Fi:有
トイレ・シャワー:室内
住所:Near Kalachakra Ground | Pachatti, Bodh Gaya 0631-220 0709, India
インドの安宿というと何だか物凄く汚くて臭いイメージでしたが、実際に泊まってみると、部屋はしっかり手入れされていて清潔感が漂っていました。さすがは観光大国。徐々にこうした観光客のニーズに応えた清潔な宿も増えているようです。
風通しの良いバルコニーもあって、Wi-Fiもスムーズに使えました。他の宿に関しても、セキュリティもしっかりしていて、Wi-Fiを使える場所が多く、時々停電になるのさえ我慢すれば特に居心地の悪さを感じる事はありませんでした。
それに対して、僕がショックを受けたバングラデシュの安宿はどんな場所なのでしょうか。見てみましょう。
一見廃墟な宿
バングラデシュで、僕は主に400タカ(約520円)前後の安宿に泊まりました。まずは外観が衝撃的な宿をご紹介します。
値段:300タカ(約390円)
部屋タイプ:個室
清潔感:汚い
セキュリティ:普通
Wi-Fi:無
トイレ・シャワー:室内
住所:Morrelganj, Bangladesh
バングラデシュの川を航行するロケットスチーマーに乗る為(参考:アジア最貧国の船で一晩を明かすとこうなる | 世界新聞)に立ち寄ったモロルゴンジという街で泊まった宿です。この宿は、街に着いた時に一緒だったおじさんが教えてくれましたが、一人でやって来たら間違いなく素通りする外観です。
反対側に宿の入り口がありました。一人で来たら間違いなく「あ、潰れたんだ……」と引き返す光景でした。
部屋はこのようになっています。観光客が少ないからでしょうか、東南アジアの宿で特徴的だったスタイリッシュさは一切感じられず、とてもシンプル。そして埃やカビ、謎のシミが目立ちます。東南アジアでは個室よりも値段が安いドミトリー(相部屋)が多かったのですが、バングラデシュで泊まった宿は全て個室でした。クオリティはどれもこんな感じ。
バングラデシュの安宿にWi-Fiは無い
情報発信型の旅人にとって、重要な宿選びのポイントがWi-Fiの有無です。agodaなどに載っている1000円以上の中級ホテルであればWi-Fi完備の所もあるようですが、僕が泊まった最も安い価格帯の安宿にはWi-Fiはありませんでした。そればかりか従業員に「ワイファイ?何それ?」と言われた事すらありました。Wi-Fiが無い代わりに、僕が泊まった幾つかの宿には過去に旅した日本人旅行者による情報ノートが置かれていました。情報ノートが置かれていた宿がこちら。
値段:400タカ(約520円)
部屋タイプ:個室
清潔感:ちょっと汚い
セキュリティ:普通
Wi-Fi:無
トイレ・シャワー:室内
住所:Laldigir par Main Road, Cox's Bazar 4700
部屋はこのようになっています。やや埃を被っていますが、蚊帳もついていました。
トイレ・シャワーはこのようになっています。左の桶で水を汲んで流す方式です。
彼らが旅した場所の宿や治安・見所などの情報が書かれています。情報の少ない国だからこそ、こうした情報ノートが大いに役立ちます。
虫だらけの悪夢の宿
値段:450タカ(約585円)
部屋タイプ:個室
清潔感:汚い
セキュリティ:強
Wi-Fi:無
トイレ・シャワー:室内
住所:North South Road, Dhaka
僕が首都ダッカに着いて最初に泊まった宿がこちら。旅のブログで見つけた二つの安宿のうち、この宿にはミニゴキブリが、もう片方は南京虫が出るとの事でした。消去法でゴキブリを選びました。部屋は上でご紹介した宿と同レベル。決して綺麗とは言えませんが、安く泊まる為には文句は言えません。
早速、ミニゴキブリも出ましたが、なんとここにも旅人を恐怖と絶望のどん底に陥れる南京虫がいたのです。おまけに蚊やダニもいて毎晩虫祭り。僕の身体は完全にお供え物状態です。体中ボコボコに噛まれ、刺され……、
死闘を繰り広げる羽目になりました。詳細は悲鳴を上げるほどカユい「南京虫」との死闘まとめ|GIGAZINEでご覧いただけます。虫とか大丈夫な方は是非こちらも合わせてお読み頂ければ幸いです。
バングラデシュ安宿まとめ
・安宿にWi-Fiは無い。むしろ「Wi-Fiって何?」って人が多い。
・部屋の清潔度は期待できない。
・スタイリッシュさは皆無。
・個室がメイン。在室時は従業員がちょいちょい喋りに来る。
・情報ノートは最大限活用すべし。
・ゴキブリ登場はお約束。
・(宿だけではなく全体的に)インドよりもヤバい。
いかがでしたか?バングラデシュを旅して、その後にインドに渡って改めて感じたのは、「バングラデシュの方が想像していたインドに近い」という事。それまでは「インドってごちゃごちゃしてて不衛生」というイメージを抱いていましたが、いざ行ってみると都市部にはAPPLEやSAMSUNG、adidasなどの看板が目立ち、街も整備されていて拍子抜けしてしまった程です。それに対してまだまだ観光途上国のバングラデシュ。居心地はこの上無く悪いですが、インドの都市部では失われつつある異国情緒や衝撃を味わえる最後の秘境なのかも知れません。
※この記事に掲載している宿の情報は全て2014年8月時点のものです。
文・写真:植竹智裕
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