最大100キロの花を担ぐ花屋の行進を始め、11日間にわたるイベントの数々。規格外のコロンビア・メデジンの花祭り「Feria de las Flores」を紹介します。
お酒と音楽とおねーさん、そしてお祭りも愛するナシオです。
今回はコロンビア第2の都市メデジンで毎年行われている花祭り「Feria de las Flores (フェリア・デ・ラス・フローレス)」と呼ばれる地元メデジンっ子自慢のお祭りを紹介します。
このお祭りは花の名産地であるメデジン近郊の村、サンタ・エレナから花を背負いメデジンの街まで売りに来ていた「Silletero(シジェテロ)」と呼ばれる人々の様子が起源となっているそうです。
花祭りのメインイベント「Desfile de Silleteros(デスフィレ・デ・シジェテロス)」は数百人のシジェテロが大きな花飾りを背負い街を練り歩く中南米でも有数のお祭りです。
花を担ぐ人々が描かれたお祭りのパンフレットです。
1957年に始まった「Desfile de Silleteros(デスフィレ・デ・シジェテロス)」/「シジェテロのパレード」。
それに付随して、年々増えて行った様々なイベントなどを含めた包括的なお祭りとして「Feria de las Flores (フェリア・デ・ラス・フローレス)」/「花祭り」と呼ばれるようになったそうです。
毎年8月の第1週頃に行われているこのお祭り、今年(2017年)は7月28日から8月7日の11日間の日程で行われました。
この期間メデジンの街の至る所でイベントが繰り広げられていたのですが、その中で実際に足を運んだイベント・スポットを紹介していきます。
初日に足を運んだのは「Centro Comercial Santafé (セントロ・コメルシアル・サンタフェ)」と呼ばれるショッピングセンターでした。
なぜお祭りなのにショッピングセンターかと言うと…
どーん!
花祭り期間中に展示されると聞いていた、花を使ったアートワークを見に来たのでした!
吹き抜け部分を目いっぱいに使った巨大なアート。
残念ながら孔雀の長い首の部分は造花でしたが、その他は全て生花!贅沢です!
花それぞれの自然の色で出来上がったこのアートワーク、屋内にもかかわらずこの規模と鮮やかさは圧巻でした。
次に訪れたのはParque Norte(パルケ・ノルテ)公園で行われていた「Plaza de las flores(プラザ・デ・ラス・フローレス)」/「花の広場」と名付けられたイベントでした。(入場無料)
この会場では数日間に渡ってライブイベントや民芸品の展示・販売などが行われているという事でした。
お花を売るおばちゃんたちも伝統的な衣装に身を包んで可愛い感じです。
この会場で目を引いたのは、花祭り最終日に行われるメインイベント「Desfile de Silleteros(デスフィレ・デ・シジェテロス)」の準備をする人々の姿でした。
見ているだけで心が明るくなってくるような鮮やかさ!
1本づつ花を土台に差し込んでいき、大きな花飾りを仕上げていきます。
日が暮れる頃にはいくつもの花飾りが完成していました。
花祭り最終日のメインイベントではSilleta(シジェタ)と呼ばれるこれらの花飾りをSilletero(シジェテロ)と呼ばれる人々が背負い街を練り歩くのですが、その重さは何と50㎏から100㎏になるそうです…
過去には仕事で数10キロの荷物を背負って山を歩いていた事のある私は…
いっちょ背負ってやろうじゃないか! と言う事で花飾りを背負ってみる事にしました!!
どーん!
子供用の軽いものを背負わせてもらいました(笑)これなら楽勝です。
こうして花飾り準備の様子を見たり、シジェテロ(花を背負う人)体験をしてメインイベントへの期待がどんどんと膨らんでいった一日でした。
お次はPlaza de Gardel(プラサ・ガルデル)と呼ばれるメデジンの国内線の飛行場にある公園で行われた野外音楽イベントに行ってきました。
この会場も数日間に渡ってライブがあったようですが、この日は「Noche Colombiana(コロンビア人の夜)」と名付けられたコロンビア人ミュージシャンによるライブの日でした。
全て初めて見る・聞くアーティストだったのですが、楽しそうに踊るコロンビア人に触発されて自分も身体を揺らし楽しむことが出来ました。
バジェナートと呼ばれるコロンビアの民謡を歌う人気歌手。
かなり人気のあるアーティストだったようで、気が付くと会場は満員御礼になってました(笑)
これだけ盛り上がれる野外ライブ、実は無料なんです!メデジンの街の太っ腹ぶりに感謝です!
余談ですがライブを満喫した翌日テレビを見ていると…
地元TV局「teleMedelln(テレメデジン)」で前日のライブを放映していたのですが、観客席の真ん中辺りで拍手をする自分の姿を見つけてしまいました!
奇しくもコロンビアのテレビデビューです(笑)
そしてお次はメデジンの植物園、Jardin Botanico(ハルディン・ボタニコ)で行われた「Orquídeas,Pajaros y Flore,Exposicion de las flores(ラン・鳥と花・花々の展示会)」と題されたイベントです。(特別展なので植物園入場に18.000ペソ、日本円で600円ほど)
イベント名通り、様々な種類のランが展示されていました。
これもランの一種だそうです!
花びらに白いペンで書いちゃったように見えます(笑)
ガーベラだらけの何かテーマがありそうな展示に…
豪快なひまわりの花束!
自分をTVデビューさせてくれた地元TV局「teleMedelln(テレメデジン)」の花飾りもありました(笑)
植物園での展示だったせいなのか、様々な方法で花を展示していたせいなのか?あまり花に詳しくない私に花を観賞する良さを教えてくれた気がします。
と、メインイベント前の日々に4つのイベント・スポットに足を運びましたがまだまだイベントがありました!
その1つがクラッシックな自転車のパレード。
その多くはクラッシックな自転車でしたが…
イージーライダーばりのチョッパーチャリンコの姿も!
別の日にはクラシックカーのパレードもありました。
こちらは22回目となる息の長いイベントだそうです。
かなりの台数が参加した人気のイベントでした。
それにしてもメインイベント前に遊びすぎて疲れ始めてしまいました(笑)
そしてメインイベント「Desfile de Silleteros(デスフィレ・デ・シジェテロス)」当日を迎えました。
スタート地点には無数のシジェタ(花飾り)が並んでいます!
今回のパレードのルートはサンタフェ動物園(Parque Zoologico Santa Fe)付近から屋外ライブの会場だったPlaza de Gardel(プラサ・ガルデル)まで。
およそ2.1キロの道のりになります。
スタート地点付近で見ようと思っていたのですが、他のイベントと比べ物にならないほど人混みが激しすぎて移動せざるを得なくなりました…。
そしてゴール地点手前で見る場所を確保は出来ましたが物凄い人混みです!
あまりの混雑に木に登って見ようとする人の姿も(笑)
こうして大混雑の中シジェテロがやってくるのを待っていましたが、2時間ほど立ったまま場所を離れる事も出来ず待つ事になりました…
イライラしてくる人も出始めた頃でしたでしょうか…ついにシジェテロ達がやってきました!
まずやって来たのは少年・少女のシジェテロ達でした。
小さな女の子も頑張って背負っています!
このパレード「Desfile de Silleteros(デスフィレ・デ・シジェテロス)」で花を担ぎ歩く事が出来るのはサンタ・エレナの花農家の人々だけなのだそうです。選ばれしもの達のパレード、なのです。
大小さまざまなシジェタを背負ったシジェテロ達、年に一度の見せ場で輝いています。
観客から「回って~!」と声がかかると…
ぐるっと回って背負った花々をこちらに見せてくれるのです!
こちらの女性も…
大きなシジェタを背負って1回転してくれました!
年に一度の花農家たちの晴れ舞台!魅せてくれます!
花々の美しさはもちろんの事、重いシジェタを担いだシジェテロ達を見ていると胸が熱くなってきました。
清々しい笑顔を見せてくれたり…
少し辛そうな表情のシジェテロがいたり…
しっかりと前を見据えて歩くシジェテロだったり…
みんなそれぞれいい顔をしているのです。
ゴール地点の手前の苦しいポイントだからこそ見る事の出来た顔もあったかもしれません。
そんなシジェテロ達の顔を見ていると感動し涙してしまいそうになってしまいました。
多くの人に見守られながらゴール地点の公園に入って行くシジェテロ達。
パンフレットによると510人ものシジェテロが参加したそうです。
ここでのシジェテロ達、さすがに疲れた様子が伺えました。
印象的だったシジェテロ自身を描いた花飾り。
絵や彫刻など長くこの世に残る芸術と違い、花が枯れてしまえば無くなってしまうこのシジェタと言う芸術作品は花火のような一瞬の芸術に近い気がしました。
また、それを背負った人々が見せる様々な表情が一瞬の芸術に深みを与えているようにも感じます。
こうして11日間に及ぶ花祭りは終わりを迎える事になったのですが、なぜかこの後数日の間脱力感に襲われてしまいました…。
11日間中の7日間もイベントに足を運んでいた事や最終日のパレードで気持ちが高ぶり過ぎたせいでしょうかね(笑)
メデジンの下宿先の近所で見かけた壁画にもシジェテロの姿がありました。
メデジンの街を挙げてのこの「Feria de las Flores (フェリア・デ・ラス・フローレス)」、地元のメデジンの住民から「観光客が増えすぎて見に行っても疲れるだけだから行かないよ。」なんて声も聞きました。
けれども初めて体験した私からすると、毎日どこかへ行けば花と音楽とお酒が楽しめる日々はこの上なく贅沢な気がしました。
日本ではあまり馴染みのないお祭りですが、もっと知名度が上がってもよいお祭りだと思います。
以上、誰かに花でも贈りたくなったSoltero(独り者)のナシオがお伝えしました!
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