日本が誇る「おもてなし」を凌ぐおもてなしをしてくれたのは、カザフスタンでした。
こんにちは! 自称マジシャンせがわーるどです。大学で勉強しているロシア語を使い旧ソ連諸国を周っていました。今回は僕が初めての一人旅で訪れたカザフスタンの人々についてご紹介します。
(旧ソ連だけ旅する連載のバックナンバーはこちら)
カザフスタンはこの辺り。
カザフスタンは、中央アジアとヨーロッパにまたがる共和制国家である。首都はアスタナ、最大都市はアルマトイ。ロシア連邦、中華人民共和国、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタンと国境を接し、カスピ海、アラル海に面している。ソビエト連邦崩壊後の1991年に、カザフスタン共和国として独立(ウィキペディアより引用)
全くあてもなく訪れた首都アスタナ。この時は旅人のスキルもなく何とかなる精神だけで生きていました。ホステルすら予約していませんでした。(旅人御用達の宿探しアプリ「ブッキングドットコム」ですら知りませんでした)今では考えられないですが(笑)
案の定、空港から都市部までのタクシーでぼったくられ、通常料金の3倍も払う羽目に。なんでぼったくられているのに笑顔で写真を撮ってるのでしょう(笑)ショック以上に自分のふがいなさが嫌になりました。
というか優しいおっちゃん達でしたが、果たしてカザフスタン人はみんなこんな感じで騙してくるのでしょうか…。
さて、ぼったくられつつ中心部に辿り着くも僕は一人でした。こんな何もないところで僕はどうすればいいのか……。本当に日本に帰りたいと嘆きました。しかも寒い。11月のカザフスタンはマイナス5度でした。
そんな絶望の中、僕には事前にカウチサーフィンというアプリで落ち合うことになっていた人がいました。正直、待ち合わせ場所も時間も全然意思疎通できていなかったので期待していなかったのですが……会えました!
次に何しようかと絶望していたので本当に僕にとって地獄からの救いでした。迎えに来てくれたのはダックハンくん。僕より1個下の学生です。
本当に優しくホステルまで僕の代わりに予約してくれて、さらには観光地、食事に連れて行ってくれたりと本当に素晴らしい出会いでした。サッカーの試合にも連れて行ってくれました。
ある時は、友人を連れてきてくれて一緒に遊んでくれました。日本の忍者漫画NARUTOがとても流行っているようで、僕に会うなりいきなり技名である「どとん」と叫んできたり……本当に愉快な仲間たちでした(笑)
思っていた以上にカザフスタンの人たちはお茶目なのかもしれません。
僕が泊まったホステルは、どうやら社会人寮のようでみんな働いていました。忙しいにもかかわらず毎晩僕にカザフスタンの料理を作ってくれて、朝ごはんもくれました。一緒に食事をとるのが日課になっていました。
まだこの頃はロシア語も喋れなかったのですごくコミュニケーションに苦労していました。でも彼らは必死にグーグル翻訳などを使って伝えようとしてくれました。全然意思疎通ができませんでしたが、本当に嬉しかったです。ある時は、居酒屋に連れて行ってもらい、全部おごっていただきました。
どうしてここまでしてくれるのでしょうか?カザフスタンの彼ら曰く「お前は客だからだ」との事です……。もうかっこよすぎて本当にカザフスタン人に惚れ惚れしていました。
そんな首都アスタナも離れなければならずに国内第2の都市アルマトイへと向かうために夜行列車に乗りました。安いチケットを取るために尽力してくれたダックハン、最後の最後までありがとう!もう一生の友達です!
ここからまた一人です。初めての夜行列車に興奮するのと同時にアルマトイまでちゃんと着けるのかなといった不安とが入り混じっていました。そしてこの乗客がひしめき合う夜行列車の迫力。
そんな中いきなり隣のおじいさんがしゃべりかけてくれました。「食べなさい」と、満面の笑みを浮かべて。なぜカザフスタンの人はこんなにも優しいのでしょう。本当に大好きです!
そして目的地のアルマトイに到着。不安を抱えながら歩いているといきなり僕の名前を呼ばれました。「誰この人?どうして僕の名前を知ってるの?」
しかし次の瞬間、驚きへと変化しました。「僕の名前はラマザン。ダックハンの友達で君にアルマトイを案内するように頼まれたんだ」。衝撃でした。ここまで面倒をみてくれるなんて。二人のおかげで僕のアルマトイ生活も充実したものになりました。
この旅でカザフスタンに対して僕が抱いていたイメージはがらりと変わりました。
その後旧ソ連圏をいくつも周りましたが人の優しさはカザフスタンが一番でした。日本も「おもてなしの国」と言われていますが、果たして僕みたいな状況の外国人に、カザフスタンで尽くしてもらったことと同じ事ができるかと言ったら、少し疑問に思います。
この記事を見てカザフスタンに少しでも興味を持って頂ければ幸いです。そして是非おもてなしの国カザフスタンへ足を運んでみてください!
きっと素晴らしいおもてなしが待っているでしょう。
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