まるで日本のアメ横のような、シンガポールのブギス。その光景はシンガポールならでは…
こんにちは、アジアでノマド中のはるぼぼです。シンガポールといえば、日本のテレビCMにも登場した「マリーナ・ベイ・サンズ」など、近未来的な街並みを思い浮かべませんか?
ところが、そんな近代的なマリーナ地区とはまるで別世界のエリアがありました。それが、中国系住民がヒンドゥー寺院に参拝するディープなエリア、ブギスです。
若者で賑わうブギス地区
ブギスとは、シンガポール中心部、MRTブギス駅周辺の一帯。特に、ビクトリア・ストリートとクイーン・ストリートに挟まれたアーケード街「ブギス・ストリート」は有名。
1970年代は美しいオカマたちがお客の相手をするような場所だったそうですが、現在は健全なアーケード街として地元の若者を中心に賑わっているようです。
ブギスへのアクセス
MRTブギス駅から徒歩すぐ。旅行者がブギス駅で降りる場合、有名観光地のアラブストリートを目指す場合が多いですが、アラブストリートとは反対側にディープな香り漂うローカルエリアが広がっています。
「アメ横」っぽいブギス・ストリート
ブギス駅を降りてすぐ、駅の西側に広がるアーケード街が「ブギス・ストリート」
衣類の店やフルーツジュース、スナックの屋台、シンガポールグッズの店など、総数およそ600もの店舗がひしめきあっています。
この、アジア独特のちょっと怪しげで雑多な雰囲気は、どこか上野の「アメ横」を思わせます。
近代的なシンガポールらしからぬブギス
こちらは、シンガポール随一のショッピングストリート「オーチャードロード」にあるショッピングセンター「アイオン・オーチャード」。このような洗練されたショッピングセンターがシンガポールのあちこちにあります。
そしてこちらが「ブギス・ストリート」…シンガポールのなかではちょっと異色です。ブギス・ストリートは、シンガポールに林立する近代的なショッピングセンターとはまるで別世界の趣です。
ブギスにいると、自分が秩序立った近代的な都市国家・シンガポールにいることを忘れてしまいそうです。
ブギスにしかない特異な参拝
多民族国家として知られるシンガポールでは、マレー系、中国系、インド系といった各民族がそれぞれの文化や宗教を維持しながら共存しています。しかし他民族間の交流はあまり盛んではない様子。
通常、中国寺院にお参りするのは中国系住民、ヒンドゥー寺院にお参りするのはインド系住民ばかりです。
…ところが、
ブギス・ストリート近くのウォータールー・ストリートにあるヒンドゥー寺院「スリ・クリシュナン寺院」では、中国系住民がお参りする姿が見られます。
しかも線香を供える台まで置かれており、線香を高く掲げて中国式で祈るのです。これまでシンガポールやマレーシアなどで数々のヒンドゥー寺院を見てきましたが、そんな光景はここだけです。
さすがに寺院内部はインド系住民ばかりでしたが、民族の垣根を越えて人々が同じ寺院にお参りしている光景は心あたたまるものがありました。
ヒンドゥー寺院の横には中国寺院
ヒンドゥー教のスリ・クリシュナン寺院のすぐ近くには、中国寺院の「観音堂」が。ここはご利益がある寺院として名高いそうで、中国系住民で大変な賑わいぶりを見せています。
寺院の前には、お供え用の花を売る屋台や、青空占い店までもが並んでいて、ディープな雰囲気。
整然としたマリーナ地区とはまったく違う光景が広がっています。
通りに漂う空気がとても独特で、シンガポールのなかで異国に迷い込んだような気分になりました。
クリスマスも堂々お祝い
寺院があるウォータールー・ストリートには、仏具の店など、仏教関連の店舗が並んでいます。年配者だけでなく、若い人も参拝していて、中国系シンガポール人の信仰心はとても篤いように見受けられます。
しかし、仏教のお店なのに、クリスマスツリーを飾っている一コマも。
「それでいいの!?」と言いたくなりますが、無邪気に記念撮影をしている人もいるくらいなので、クリスマスツリーは好評なのでしょうか。
日本人同様、シンガポールの人々はクリスマスを宗教的な行事というよりも、季節のイベントとしてとらえているのかもしれませんね。
シンガポールらしからぬ怪しげな雰囲気が味わえるブギスでは、シンガポールの人々の信仰心の篤さと、細かいことにこだわらない宗教的な大らかさを同時に感じることができました。
シンガポールの新たな一面を見せてくれるブギス。ありきたりの観光では物足りない人におすすめです!
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