中国を旅する者を戦慄させる「硬座」。そこで目撃した地獄の寝相…。静かなカオスに魅せられて。
中国列車=「試練」
デスクです。
列車の旅っていいですよね。手段としてはバスのほうが安くて早いことが多いですけど、それでも乗ってしまうのが列車なんです。月並みですが旅情があるじゃないですか。ガタンゴトン揺られながら車窓を眺めているともれなく、「ワタシ、旅シテル」感が得られたりする訳です。まぁそういう人はバスでも悦に入ってたりするんですが、それもでも、列車の旅には理屈じゃない良さがあるんですよ……とそんな悠長なこと言ってられないのが、中国列車の旅ですよ。
僕は世界一周中、中国で、主に列車を利用していました。理由はバスより料金が安く、早い場合が多かったからです。
そうです。わりと嫌嫌乗ってました。何故なら……
明け方、西安駅へ着いた列車
中国列車は僕にとって「試練」だったからです。
硬座とはどんな場所なのか?
・座った瞬間「眠れない」と悟るシート
とはいえ、中国列車のすべてが「試練」という訳ではありません。中国列車には「硬座」という最低ランクの席があって、ここが厄介なのです。でも安いので、当時の僕は乗らざるを得ませんでした(ひとつ上のランクの席のだいたい1/2くらいのイメージ)。
硬座と聞くと、石ででもできていそうな響きですが、上写真が「硬座」のシート。「なーんだ結構普通」と腰を下ろした瞬間…
「これは眠れない」と悟りました。日本では味わったことのない窮屈さ。
シートはそれほど硬くないのですが、ご覧の通り、座席がほぼ90度なのです。そして、これが後に地獄絵図を巻き起こすのです。
・「無座」の人々
硬座の車内はたいていこんな感じです。立っている人たちは「無座」という「硬座立ち席券」の人々であり、「乗車後、空席があれば他のクラスに変更可能」となっていますが、そんなシーンを見ることはついにありませんでした。
列車の連結部分に近い通路側に座っていた僕の目線はこんな感じです。お世辞にもガラがいいとは言えないおじさん達と相席している気分です。
・硬座の日常
僕の前の座席。どういう状況かお分かりでしょうか?3人に対し、2つしか席を取っていない親子連れ。お兄ちゃんが立ってスペースを空け、お母さんが弟クンのお尻にクリームを塗り終えた瞬間です。
こういったことが至る所で繰り広げられているのが硬座です。そして深夜、硬座は違う顔を見せます。それでは、僕が硬座で目撃した地獄の寝相をご覧ください。※すべて2011年に武漢→西安の車内で撮った写真
「硬座」で目撃した地獄の寝相パターン6つ
1 うつ伏せ
あえてシートで寝ない。現地人にとってもシートの座り心地が悪いことを物語っています。
2 はみ出てる
硬座のシートは一人当たりのスペースが小さいので、2人分を使ってもはみ出てしまうというパターンです。列車の揺れに合わせて、頭部が揺れます。怖いです。
3 添い寝
車両の連結部でよく見かけたパターン。寝室にお邪魔したような気まずさがあります。
4 親と子
このパターンも多かったです。子どもを大切にするという中国ならでは!?
5 鏡台
床にスペースを見つけられなかった二人が行き着いたのは鏡台でした。兄弟ですかね?
6 雪崩
こちらも連結部にて。みんな床に荷物を置いてその上に寝ます。それが折り重なると、まるで雪崩をおこしているようなビジュアルに。
二度と乗るか!と誓った硬座でしたが、記事を書いていたら「もう一度くらい乗ってもいいかな」と思ってきました。列車旅と同じように、硬座には理屈ではない魅力があるのかもしれませんね。
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