「資格」がもてはやされて久しい昨今、ラオスでは「象使い」の国家資格がなんと1日で取れるとのこと!将来に備えて行ってきました。
旅をしながら資格が取りたい
こんにちは!極貧バックパッカーの植竹智裕(うえたけともひろ)です。世界一周休止中の僕は、去年の7月、ラオスに滞在していました。
「世界一周」と言うと夢のある響きに聞こえますが、悲しい事に、欧米人のように「バケーション」という魅惑の休暇制度が無い我々日本人にとって、月・年単位で旅をするという事はある意味「自らの社会生活を投げ打って行かなければならない」リスキーな行為でもあります。現に旅先で出会った世界一周旅行者は仕事を辞めて出てきた人や休学中の学生さんだらけでした。
僕もこの先旅を終え、30代半ばで日本で定職に就こうと思っても雇ってもらえるのか不安しかありません。「旅をしながら何か将来につながる資格が取れれば……」。そんな僕に朗報が舞い込みました。なんとラオスではたった1日で取れる国家資格があるというのです。それは……象使い!
気になるお値段は?
ラオスの古都ルアンパバーンには「エレファントヴィレッジ」と呼ばれる象に乗れる場所がいくつかあり、「マホート」と呼ばれる象使いの資格を取る事が出来るようです。
僕はマニファトラベル(写真)という旅行代理店で申し込みました。お値段は2014年7月当時で32万キープ(約4160円)、貧乏バックパッカーの僕にとっては脂汗が滲み出る金額ですが、将来の為の自己投資だと思って腹を括りました。
STEP1 試乗
翌日、外国人旅行者と僕を乗せたワゴンはメコン川のほとりにあるエレファント・ヴィレッジへ。当たり前ですが……象が居る!
まずはツアー参加者が象に分乗して森の中を1周します(約30分)。恋人同士や夫婦・家族連れが多く、一人参加は僕だけでした。その為、初めから安定感のあるカゴではなく象の首に直接座らされ、おいしいポジションに。顔は笑ってますけど内心結構ビビってます。
象の乗り心地は?
さて、実際に象に乗る機会も少ないので、乗った感想をちょこっとお伝えします。まず乗り心地ですが、象の皮膚はゴムタイヤのように硬く、頭のてっぺんにちょろちょろと生えている毛も一本一本がホウキのように太くチクチクするので乗り心地は決していいとは言えません。ちょっと乗っただけでは「生き物に乗っている」という実感があまり湧きませんでしたが、時折パタパタさせる耳が僕の足に当たり、一歩一歩ずっしりした振動が伝わるのを全身で感じるうちに、「自分が今陸上最大の生き物の上に座っている」という実感が徐々に湧いてきました。
STEP2 教習スタート
しばらくすると他の外国人旅行者はワゴンに乗って別の観光名所に行ってしまいました(近くにウィスキー村があるんだそうな)。どうやらガチで象使いになろうとしているのは僕一人のようです。欧米人が多かったので、きっと彼らは魅惑のバケーション中で象使いの免許なんぞ取らなくたって帰ったら仕事に復帰できるのでしょう。
再び象にまたがり、プロの象使いさん(以後、師匠と表記)とカメラマンと3人で森の中を周回したり、
STEP3 象語をマスター
いくつか象を操る言葉(どうやら普通のラオス語。他の国の象にも通じるかは不明)も教えてもらいました。
例)パーイ!パーイ!→前へ進め
ホア!ホア!→右へ
サイ!サイ!→左へ
ハォ!ハォ!→止まれ
しかし、ハッキリ言って、僕の命令を聞いてくれていたのかどうかは不明です。師匠も命令してくれて、それでも動かない時は手綱を引いてコントロールしていた感が否めない……(笑)
カメラマンは手が空いている象使い
ちなみに、これらの写真を撮ってくれているカメラマンは、手が空いた象使いの青年なので撮影テクはそこまで上手ではありません(おしりしか映ってない笑)。でも、450枚も撮ってくれた熱意に感服。
白い服は着るべからず
森には数か所ぬかるみがありました。ある時、象がそこで足を止め、泥水を吸い始め……異変に気付いた師匠が何かを叫ぶも時既に遅し。なんで途中で白いTシャツに着替えたんだろう(笑)でも大人になって泥んこ遊びする機会なんてざらに無いですからね。何だか楽しくなっちゃいました。
STEP4 メコン川で「象ロデオ」
再び川へ。しかし、今度は師匠が何かを唱えると象がいきなり暴れ出しました。幸い、この資格を教えてくれた友人から聞いていたので心の準備は出来ていましたが、川の中で「象ロデオ」を経験させられるのも象使いになる為の洗礼の一つのようです。
象に比べれば人間なんてちっぽけな生き物です。僕はポーンとメコン川に吹っ飛ばされ、必死に象の背中に這い上がり、またメコン川に振り落とされます。この繰り返しでメコン川の水をがぶがぶ飲み過ぎてお腹いっぱい。
象さんにメロメロ
その優しい瞳にメロメロになり、最後には不気味なぐらいニコニコしながら象と戯れていました。のそのそと歩いては時折足を止めて葉っぱをムシャムシャ食べる象を見ていると、自分の将来の不安なんてちっぽけな気すらしてきました(将来の為に資格を取りに来たはずなのに……逆効果じゃない!?)
象使いになりました
象との憩いの時間はあっと言う間に過ぎてしまい、象を森に帰した後は車でルアンパバーンに戻って来ました。マニファ・トラベルでそのまま免許証の発行です。
役立つ日は来るのか!?
勘のいい皆さんならお察しの事と思いますが、日本で象使いの需要はほぼ皆無です。履歴書に書いても話のネタにはなるかも知れませんが、就職に有利に働くかは面接での話術次第です。この資格を持っていたらラオスで仕事が見つかるかと言ったら正直怪しいところですが、世界中何処に行っても陸上最大の生き物とこんなにみっちり触れ合える機会はあまりないのではないでしょうか。
編集長おすすめ!ルアンパバーンの安宿
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