5%しか生産されない幻のチョコレート「クリオロ」が食べたい

2015.04.20 11:00 
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ベネズエラでクリオロが食べたい。

 

こんにちは。夫婦で世界一周中のmiaです。今は南米のベネズエラメリダに来ています。
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我々の心を掴んで離さないチョコレート、原材料となるのはカカオってご存じですよね? そのカカオは大きく3種類に分類さます。中でも5%しか生産されない最高品種がクリオロ種。私が今来ているベネズエラはクリオロ種の代表的産地ということで、最高峰のチョコレートを現地で食べてみました! クリオロチョコレートは日本でも流通されているようなので、あとでご紹介しますね。

 

ベネズエラのカカオは世界一

ベネズエラで採れるカカオが世界一とされる所以は、風味と希少性にあるのです。前述したように、カカオにはざっくり3種類あります。世界のカカオ生産量のたった5パーセント以下であるのがクリオロ種で、ベネズエラをはじめとした南米の数少ない国々で作られます。病気に弱く生産性は低いが最高級の風味を誇ります。(Wikipedia 参照)。

写真はペルーのアマゾンで食べたカカオの実です。
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生で食べる場合は、種の周りの白い膜のような果実部分を、まるで梅干しの種をしゃぶるようにして食べます。
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種(写真上)を取り出した後に残された実です。
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とあるニュース記事では、クリオロ種は "苦味のない唯一のダークチョコレートで、砂糖を加えなくとも自然と甘い" と紹介されていました。これはますます試さずにはいられません!

 

ベネズエラで「クリオロ」を探してみるも…

ということで、クリオロ種を求めていざ出発。まずはスーパーへ、そして売店へ走ります。しかし、見つかるのはこのようなチョコレート風味の小麦菓子ばかり。
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オレオも好きですが、これではベネズエラ産クリオロ種を試すという目的が果たされません。
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しかし、ここで徐々に追い風が! ベネズエラに来てチョコレート探し隊をひとり結成してから早1ヵ月、やっと見つけ出したチョコレートは、街の主要なマーケットの最上階にありました。
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そして購入したのは塩が入ったチョコレートと、湯で煎じるタイプのカカオ(写真下)。値段ははっきり覚えていないのが残念ですが、確か合計で150円〜200円くらい。(日本で購入するより安いけれど、現地の感覚からすると高いな、という印象でした)。塩チョコレートは、甘すぎないチョコレートと上質の塩の組み合わせが大変美味。煎じるカカオの方も、カカオなのにお茶みたいにヘルシーな初めての感覚に感動しました。しかし、残念なことにこれが幻のクリオロ種かどうかはわからないのです。おいしいのだけれどこれではいかん!
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そして次は、街で唯一と呼べるショッピングモールで素敵なチョコレート専門店を発見しました。購入したのは無糖のチョコレート。ひとつ約21円です。試してみると、「これが無糖?!」と疑うほどに甘いのです。しかし、残念ながらこちらもクリオロ種である証拠がありません。
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クリオロにやっと出会えた!

街を歩き回って遂に見つけ出したのがこちらのお店。
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店はこじんまりとしていながら、チョコレートが置いてあり、クリオロ種発見の期待が高まります。
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おっと、こちらのチョコレートにうっすら印字される「EL REY」の文字が見えますでしょうか? これはもしかしてもしかすると「ザ・キング」を意味する社名、「El Rey」が生産するクリオロ種を使ったチョコレートではなかろうか!?
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ここでEl Rey社の生産するチョコレートについて手短にご説明しましょう。とあるニュース記事によると、社会主義体制に突入した影響で、ベネズエラの多くのプライベート企業が様々な困難に突き当たります。商品売価の規制、原材料不足、畑など資産の無断没収、輸出コスト値上げなどハードルを乗り越えた企業のひとつが、El Reyというチョコレート会社です。生き残りをかけたEl Rey社の戦略は、小さな農地から希少価値の高いカカオを買い取り、高値で市場へ打ち出すというものでした。こうしてクリオロ種などを使ったチョコレートは、国際的な賞を受賞し、日本、アメリカ、ヨーロッパへと輸出されているそうなのです。

 

そんなEl Rey社のチョコレートなのだからもしかするとクリオロ種かもしれないと期待を込めて店員に確認すると、やはりクリオロ種でした! 
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ミルクチョコレート、ダークチョコレート、ホワイトチョコレートの3種を購入しました。それぞれ、200gが約110~120円でした。
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味見してみる

ミルクチョコレートは、まず香りだけで鼻血が出そうな濃厚さを感じました。どことなくレーズンのようなドライフルーツ感があり、カルダモン的スパイスの風味も感じます。これはカカオではなく加工の問題ですが、ミルクの味も濃厚でした。
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ダークチョコレートは、上質な渋みがサラサラ〜っと口の中で広がります。本当にまろやか。食べ終わった後も長続きするカカオ感。ほんのりチリやクミンのようなスパイス感、ドライアプリコットのような味わい深さ、そして人生で初めて、上質な葉巻をすった後のような酸味をチョコレートで味わいました。感動しました! 
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ホワイトチョコレートは、カカオとバニラの香りと同時に、バターのような油っこさが口に広がります。確かにおいしいのですが、なぜか口紅を間違えて食べちゃったときのような慣れない味がしました。しかしこのメーカーのホワイトチョコレートは国際的ゴールデン賞を受賞していますから、感じ方は人それぞれということで…。
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総評すると、忘れられないおいしさ、それは間違いないでしょう! このチョコレートを食べ続けたら他のチョコレートは物足りなく感じる日がくるんだろうなーーそんな風にガツンとくる味です。ちなみに味見しまくったわたしは、鼻血が出そうな感覚にしばらく襲われました。
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スーパーマーケットになかった理由

ところで、カカオ生産地なのに、どうしてスーパーマーケットではチョコレートが売られていなかったのでしょう。地元の人々に聞いてみました。チョコレートの価格が、国内で販売するより輸出向けに販売した方が高く売れることも、国内でチョコレートを探すのに苦労する理由だそうです。また、ベネズエラの産業が原油産業に完全にシフトしてしまい、チョコレート産業が全体的に縮小したとも言われています。なんとなくですが、正しいような気がします。

 

日本でもRoyceがクリオロを出している!

今回ベネズエラ産のクリオロ種を満足するほど食べましたが、日本にいらっしゃる皆さんに朗報です。El Rey社は日本にも輸出しているそうですし、上質なカカオが日本に届いていることは間違いなさそうです。とにもかくにも、良質なチョコレートがちまたにあふれていて、コンビニでも購入できるという日本はチョコレートの分野ではなかなかいけています! ここでプチ情報ですが、日本で購入できそうなベネズエラ産のクリオロ種のチョコレートは、老舗チョコレートメーカーのRoyceが出しているようですよ。食べたくなっちゃった人はぜひサイトを訊ねてみてはいかが?

 

文・写真:mia

 

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カナダの大学を卒業後、なぜか秋葉原のバナナ屋さんで怒濤のネットショッピング運営を担当。自らの運命により再び世界へ。味噌汁を振る舞うおもてなしの旅をしながらデッカくなりたい! ブログ:味噌玉世界旅 Take a Scoop of Miso with You

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