馴染みの薄いグルジアという国
こんにちは!極貧バックパッカーの植竹智裕(うえたけともひろ)です。世界一周中の僕は、現在グルジアに居ます。
グルジアとは
「西アジア北端(東ヨーロッパに含まれる事もある)にある旧ソビエト連邦の構成国。1991年独立。首都はトビリシ。国内の南オセチアとアブハジアが独立状態となっている」(Wikipediaより引用)
アジアとヨーロッパの狭間のようなコーカサス(旅人には専らこの呼称で呼ばれる)にあるこのエリア、グルジア人力士や南オセチアの独立問題のニュースで耳にする事はあっても、日本人にとってはあまり馴染みの無い地域なのではないでしょうか?ところがここグルジアは日本でも人気のワイン発祥の地なんです。
紀元前8000年からワインを作っていた
こちらは首都トビリシから車で2時間程のイカルト修道院です。
実はここ、ワインを作る為に葡萄を潰す為の場所なのです。Wikipediaのワインのページによれば、この辺りでは「紀元前8000年(日本では縄文時代早期)からワインが飲まれていた」のだそうです。当時はここに葡萄を入れて、足で踏み潰して葡萄果汁を抽出して
グルジア人もワイン押し
グルジア発祥とは言っても、今や日本でよく見かけるワインと言えば、フランス産、イタリア産、アメリカ産などがほとんどだと思いますが、グルジアでは今でもワインが作られています。
街中の市場のお土産物屋へ行くと、このようにカラフルに装飾された瓶がずらずらと並べられています。割れ物だしかさばるので買いませんでしたが、ピンポイントでグルジアだけ訪れていたら2、3本は空けて、瓶だけ持ち帰りたいくらいのオシャレさ。お値段は20ラリ(約1117円)から。
グルジアはワインが激安
ワインというと少し高いイメージがあって、旅をしていてもなかなか手を出せないものですが、ここグルジアは物価がとても安いんです。もしかしたらワインも安いのでは……?
早速、トビリシにある大型スーパー・カルフールでグルジアワインの価格調査に乗り出しました。気になるお値段はボトル1本あたり、15~25ラリ(約838~1397円)が相場で安い物では赤が6.60ラリ(約369円)、
白が4.55ラリ(約254円)が最安値でした。日本に比べてかなり安い!
バケツにワイン!
スーパーでも比較的安く手に入るワインですが、更に安く手に入れる方法がありました!
市場でおばちゃんに誘われて入った店内には巨大なポリバケツがあり、なんとそこに赤ワインがなみなみと入っているではありませんか。なんとこちらはホームメイドワインを量り売りしてくれるお店でした。
これをペットボトルに詰めて売ってくれるのですが、お値段は1リットルでたったの3ラリ(約168円)。思わず叫びそうになる安さです。毎日1リットルずつ飲んでも痛手にならないお値段!
お店にはペットボトルもいっぱい置いてあるので手ぶらで行っても買えます。ちょっと不衛生な気もしますが、安さ爆発!
おじちゃんが吸い出してくれるワイン
更に別のお店でワインを買った時の事です。赤ワインを頼むとおじちゃんが店の奥からホースのようなものを持って出て来ました。まず、ワインが入っている青いタンクにホースの先端を差し込みます。
次の瞬間、衝撃の光景を目撃してしまいました。さっとしゃがんだおじちゃん、なんとホースの先を吸ってます。そして口を離すと、吸い出した勢いでワインがどんどんペットボトルに流れてくるじゃないですか。あまりお客さんの目に付かないようにしゃがんだのかも知れませんが、正直、カウンターの目の前で待っているお客さんからは丸見えです。
街には立ち飲みワイン屋台
「おじちゃんたち、仕事は?」っていう疑問はさておき、混ざってみました。外国人はあまり立ち寄らないのでしょうか、一人で行っても次々に話しかけてきてくれるので話し相手には困りません。言葉は通じなくても身振り手振りで会話が続きます。これぞ旅の醍醐味。昼間から会話を楽しみながら酒を飲めるなんて、なんと平和な世界なのでしょう。
気になるお味は?
さて、最後になりましたが、気になるのはワインの味。こちらではワインは大きくドライとセミスイートに分けて売られています。セミスイートは正直、砂糖でも入ってるかのような甘さだったのでもっぱらドライばかり飲んでいます。量り売りの場合は恐らく注ぎ足しなので酸化してしまってボトルワインより質は落ちると思いますが、それでも飲んで不味いと感じる事はありませんでした。
実は旅人には人気のグルジア
昼間から街中でワインを飲み、知らないおじさんと会話を楽しむなんて事が許されてしまうグルジア、日本人にとってあまり馴染みが無い国ですが、実は旅人の間では居心地の良さと物価の安さで評判が高く、ついつい長く滞在してしまう人が多い楽園のような場所です。かく言う僕もしばらく抜け出せる自信がありません。別の意味で危険!周辺の自治共和国の独立問題も抱え、情勢が不安定なイメージを抱えている方も多いかも知れませんが、この記事を読んで文化面からもグルジアを知るきっかけになれば幸いです。
文・写真:植竹智裕
HP:週刊!植竹智裕の気ままに世界探検ブログ
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