北朝鮮政府団体と関係があるとも言われている平壌レストラン(通称:北朝鮮レストラン)。カンボジア・シェムリアップの北朝鮮レストランで、今思えばとても不可解な出来事に遭遇していました…。
皆様こんにちは!海外旅行50回以上の22歳、みさちゃすです(・∀・)ノ☆
北朝鮮レストラン=工作場所??
今更ながら…
今年2月13日に北朝鮮の金正男氏がマレーシアで暗殺され、北朝鮮レストランが工作場所だったと騒がれました。
(特にインドネシア・ジャカルタの北朝鮮レストラン)
※世界に「北朝鮮レストラン」という場所は複数あります。
平壌レストラン(北朝鮮レストラン)は、北朝鮮の首都の平壌にちなんで命名されたチェーンレストラン。世界に約130店舗存在する。Wikipedia「Pyongyang (restaurant chain)」参照。
ちなみにこちらは、以前世界新聞で書かせていただいたマレーシアの北朝鮮レストランレポ。
→ 女子大生がクアラルンプールの「北朝鮮レストラン」で見たもの
身長や体型はもとより髪の長さまで一緒の店員さん達など、数々の違和感・不気味さがあるレポートとなりました。
実は金正男氏が暗殺され北朝鮮レストランが工作場所だと話題になった時、この記事をご覧くださった複数のテレビ局からご連絡をいただき、フジテレビの『とくダネ!』に少し出演させていただきました。
(マレーシア・クアラルンプールの北朝鮮レストランに行ったのは2016年1月2日)
カンボジア・シェムリアップの北朝鮮レストランで異変に気付く
実は約2ヶ月後の2016年3月27日にはカンボジア・シェムリアップの北朝鮮レストランにも行っています。
シェムリアップの北朝鮮レストランは以前行ったクアラルンプールとは大きく違い、お料理の写真撮影ですらNG。
カンボジア・シェムリアップの北朝鮮レストランに行ってから1年半以上経った今、何故今更記事を書こうと思ったか…。
それは「私が行ったあの時はおかしかった」と今更思うようになったからです。
行く前に!北朝鮮のことをちょっと学んでみた
高校生くらいから北朝鮮マニアで北朝鮮について調べるのが好きな私みさちゃす。
(北朝鮮を支持しているわけではなく、私にとって異世界な国なので興味を持っています。)
私は北朝鮮マニアでこれまでたくさんの北朝鮮関連の本を読んできましたが、今までで1番面白かった1冊を紹介させてください。
安明進著の『北朝鮮拉致工作員』。脱北した元北朝鮮工作員の安明進氏の暴露本です。安明進氏、この本の出版後、中国で行方不明になってしまったようですが…。
とても面白い(興味深い)本なので北朝鮮に興味のある方には是非読んでいただきたいのですが、私がこの本で驚いた話。
①韓国亡命してすぐの頃、警護官と車に乗っていたら著者の方がソウルの裏道に詳しく警護官に驚かれる(ソウル人でも知らない裏道を著者は工作教育により知っていた。)
②変装指導では女装まで完璧に…。
③北朝鮮には10キロにも及ぶ外国を再現した巨大な地下トンネルがあり、その地下トンネルで実践的な工作教育が行われる。
他にも、地下トンネルには韓国や日本、アメリカなどの街並みが再現されており、その国での自然な振る舞い方を練習。(模擬薬局がある。拉致された薬剤師がおり、工作員は薬の買い方を練習。)
…そんな練習いるのか?と思うかもしれませんが、例えば北朝鮮で服を買う時は買う前にほころび・ほつれが無いか裏まで入念にチェックしてから買うのが常識らしく、そんな買い方をしたら怪しいですよね。
…こんな風に日本人では考えられない文化や習慣が根付いてしまっているので日本人にとってはくだらない事でもきちんと練習する必要があるようです。
(比較用)カンボジア・プノンペンの北朝鮮レストランの様子
まずは、シェムリアップの北朝鮮レストランがどのくらい異様だったかを比較するためにも、あえてプノンペンの北朝鮮レストランの様子を紹介します。
私には北朝鮮マニアの友人がいます。
変わり者のバンドマンの友人なのですが、彼は今年8月カンボジアの首都プノンペンにある北朝鮮レストランに行きました。
北朝鮮マニアの友人に許可をいただいたので、まずはプノンペンにある北朝鮮レストランの写真を掲載します。
彼が行ったプノンペンの北朝鮮レストランは緩く、基本的に写真撮影がOK。
(しかし写真を撮る時は毎回声をかけて、と言われたそうです。)
私が行ったクアラルンプールの北朝鮮レストランでは店員さんの写真がNGだったのにも関わらず、彼はツーショットも…。羨ましい…。
写真を撮りまくっていた彼ですが、唯一写真NGだったのがメニューの写真。
何故か「メニューは撮らないで」と言われたとの事。
ちなみに私が行ったクアラルンプールの北朝鮮レストランでは、メニューの写真は何も言われませんでした。
…北朝鮮レストラン、謎です。
ここからが本題。シェムリアップの怪しすぎる北朝鮮レストランへ
そんな事はさておき、今更ハッと気付いた違和感。
それは私が行ったシェムリアップの北朝鮮レストランの怪しさです。
私がシェムリアップで行ったPyongyang Restaurant。
厳密には私が行った時の怪しさ。
実はこのお店、行った事がある方のブログなどを読むと写真OKなんですよ。
プノンペンで北朝鮮マニアの友人が、喜び組?の店員さん達と写真を撮ったように、そんな写真も数多く掲載されています。
しかし私が行った時は違いました。
とにかく異様な雰囲気。結果的にお料理の写真すらダメ。
今回はその時の様子をレポートさせてください。
客0人で電気も付いていない北朝鮮レストラン
2016年3月27日、夜。(たしか19時頃だったと記憶しています。)
Pyongyang Restaurant
(住所:National Route 6 (Airport Road), Krong Siem Reap, Kambodscha)
トゥクトゥクに乗って行きました。
外観はこんなかんじ。
私は写真を撮る時、自分で撮った写真感を出したくて何にでもピースを写り込ませる癖があるのですが、それはお気になさらないでください…。
この付近は韓国・朝鮮レストラン街?っぽく、近隣には韓国レストランがありました。
韓国人観光客と思われる観光バスが来て、物乞いの子供が寄ってきているいかにもカンボジアっぽい1枚。
(恐らく)北朝鮮レストランとは関係が無い韓国レストランです。
シェムリアップの北朝鮮レストランに入店するものの…
シェムリアップの北朝鮮レストラン、入りづらい雰囲気ですが1人で入ります。
トリップアドバイザーの口コミでは「バスツアーの集団客がいる」などと書かれていたのですが、行ったらまさかの私1人。
他の客が誰もいません。
最初に朝鮮語で挨拶をされたのですが、何を言われたか分からず無言。
私(日本人)の顔立ちは日本人、韓国・朝鮮人、中国人に見えますが、一瞬中国人のフリをしようかなとも思いました。
日本人より中国人の方が印象が良いのではないかと…。(政治的に)
中国語が少し話せるので中国人のフリをする事も一瞬考えましたが、私の中国語レベルは低く店員さん達(北朝鮮人)の方が中国語がペラペラな可能性があるリスクを考え、大人しく英語で会話しました。
(北朝鮮レストランで働く北朝鮮人はエリートですからね…。中国語や日本語を勉強している可能性も高いそうです。)
写真を撮りづらい店内
マレーシアの北朝鮮レストランは他の客もいて活気が溢れていて写真を撮りやすかったですが、今回は異様な雰囲気。
まず、店内の電気が付いてないんですよ…。
非常に薄暗い。
そして、客が私しかいない。なんか気まずい雰囲気。
奥の個室に通され、ある意味VIP待遇
行った時間的にてっきり他の客もたくさんいてショーがあると思っていたのに電気が消え私1人だけだった北朝鮮レストラン。
扉までは無い、奥の半個室ブースに通されました。
エアコンも付いていない店内。
半個室ブースは2、3畳くらいのスペースでテーブルと椅子、扇風機。
そして1人に対し、5人の店員さんが付いてくれました。
四方八方店員さんに囲まれています。
VIPの気分も味わえますが(笑)、非常に気まずいです。
圧迫感もして、正直怖い。
妙に質素…?
一緒に写真を撮ってくれない?と頼んだところ、マレーシアと同じくNO。
マレーシアの北朝鮮レストランとは雰囲気が大きく違う事を改めて認識し、写真は無音カメラで撮っていました。
こちらはお料理が運ばれてくる前に撮ったお通し。ナッツ。非常に質素…。
ちなみに、過去に行ったマレーシアのお通しはこちら。豪華だったので、その差は歴然です。
北朝鮮人店員5人くらいに囲まれた私…。
前にも後ろにも北朝鮮人店員。
どこの国から来たのか聞かれたので大人しく日本人だと白状し、気まずい雰囲気で雑談…。
気まずすぎた雑談
私はその間、写真を撮りたいのであえて携帯をいじってるフリをしながらの雑談となりました。
携帯をいじりながら隙を見てカメラで撮ったのがこの1枚。
北朝鮮人店員達とどんな会話をしたかというと、本当に当たり障りも無い会話。
年齢や一人で来たの?等…。
店員さんの1人(恐らく1番若い)は当時の私と同い年(20歳)でした。
私は自由な日本に生まれ、カンボジアに遊びに来た日本人。彼女達は北朝鮮から派遣された自由が無い北朝鮮人。
私は同い年の店員さんがいた事もあり、改めてそれを考えさせられました。
「自分は自由が無いのに、自由とお金と時間があって遊びに来ている同い年の人間」
彼女(達)の目線からしたら恐らく私はこうです。
恐らく彼女達は好き好んで北朝鮮レストランの店員をしているわけではありません。
とても聞ける雰囲気では無く直接質問出来ませんでしたが、北朝鮮レストランの店員は自由時間もほとんど無く、派遣国での脱北(大使館等に逃げ込む)を防ぐ為に集団生活をさせられていると聞きます。
(ちょうど金正男氏が暗殺された頃に北朝鮮レストランの集団脱北事件がありましたが…。)
私は彼女達の境遇を思い、いつもなら笑顔で話せるような「私はバックパッカーでこれまでたくさんの国に行ったんだ!」とか、そういう話をする気になれませんでした。
…よって、お互いに気まづい雰囲気の中、当たり障りの無い話しか出来ていません。
携帯をいじるフリをしながら当たり障りの無い会話をし、隙を見て無音カメラを立ち上げる。
頼んだ平壌冷麺が来るまでこの動作をしていたのですが、写真がバレました。
iPhoneをとられる
私の写真撮影に気付いたのは私の真後ろに立っていた店員さん。
撮影後、iPhoneのホームボタンを2回押して他のタブを開こうとしたところでバレてしまった。
(これは再現のスクリーンショットですが、こんな画面を見られてしまいました。)
マレーシアの北朝鮮レストランではショーを撮ったらNGで口頭でテキトーに「消してね」くらいだったのに、カンボジアでは細かくチェック。
目の前で消すように言われ、iPhoneを取り上げられました。
「取り上げられた」は大げさかもしれませんが、私の目の前で店員さんが操作する形。
iPhoneの使い方が分からない店員
世界的にスマホシェアを誇るiPhone。
私はスマホデビュー時からずっとiPhoneでiPhoneの写真フォルダの開き方や写真削除の仕方は当たり前に分かるのですが、彼女達は写真フォルダの開き方が分かりません。
iPhoneの使い方が分からない。
結果、私が操作して写真を消しました。
復元できるんですけどね…。恐らく彼女達は知らない事でしょう。
もし知っていたらすべての写真を完全に削除されていたかもしれません。
私が店内で撮影した、変哲も無いように見えるこの2枚。
この2枚ですらこの日に限ってはNG。
その後、平壌冷麺が運ばれてきたので「平壌冷麺の写真を撮って良いか」と改めて質問してもNGでした。
お料理の写真ですらNG。
ここまで写真を規制する事は珍しいのではないでしょうか。
(他の国の北朝鮮レストランは写真OKだし、他の時期に同店に行った人は写真を撮れていたのに。)
その時、何かあったのではないか…。
考えすぎかもしれませんが、今思えばおかしく今更そんな事を考えています。
また、彼女達がiPhoneの使い方が分からなかった事により、彼女達はスマホを持っていないと確信しました。
脱北を防ぐ為に集団生活をさせられ自由に使えるお金も与えられない彼女達がスマホを持たせてもらえない事は明白なんですけどね…。
もしかしたらスマホを触った事も無かったのかもしれません。
平壌冷麺は美味しいの?
写真撮影に失敗したので同店のトリップアドバイザーから拝借しますが、私が食べたのも、恐らく同じ平壌冷麺です。
Photo via Trip advisor
冷麺、初めて食べたのですが
・スープに氷が入ってる
・麺がブヨブヨでゴムみたい
・かなり辛い
という感想!
平壌冷麺は美味しかったです!
北朝鮮レストランは致せり尽せりなので、店員さんがハサミで麺をカットして混ぜてくれます。
客は私1人だけですし睡眠薬などを入れられて拉致されてもおかしくなかったかもしれませんが、普通に美味しかった。
お会計は約960円。
レジの近くには英語の教科書が置いてあり、店員さんが勉強しているようでした。
(例により写真を撮らせてくれませんでしたが、北朝鮮のお酒等お土産コーナーもありました。)
カンボジアの北朝鮮レストランはマレーシアよりは緩そうだった…
店員さん達の見た目(身長・体型・髪の長さ)はマレーシアと同じくほとんど一緒でしたが、マレーシアよりは緩いみたいで人によってピアスや靴、ヘアゴムが違いました。
マレーシアの北朝鮮レストランレポで散々書かせていただきましたが、身長・体型・髪の長さが一緒って凄く気持ち悪い事なんですよね…。
北朝鮮レストラン以外の普通のレストラン、日本でもどこの国でも、いろんな容姿の人がいるのが普通じゃないですか。
身長が高いひともいれば低い人もいる。ぽっちゃりした人もいれば痩せた人もいる。髪が長い人もいればショートカットの人もいる。
…それはごく普通の事ですし、当たり前です。
しかし北朝鮮レストランではそれが当たり前ではない。
みんな同じ身長、体型、髪の長さまで一緒。
北朝鮮という国の特性上北朝鮮レストランに派遣される女性の容姿に選抜がある事・身長と体型を選んでいる事は納得出来ますが、髪の長さまで一緒なのは本当に不気味です。
派遣されても髪の長さまで管理される。
今この記事を書いていて改めてその不気味さ・異常さを思い出しました。
…いかがでしたでしょうか。
例により全然写真が撮れずガッカリしましたが、お料理の写真ですら撮らせてもらえなかったあの時はある意味貴重だったかもしれません。
まさかの客1人、店員さんに囲まれたVIP待遇…正直怖かったです。
あれ以来北朝鮮レストラン行ってないなぁ…。
久しぶりにまた行きたくなってきました。
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