アドリア海の風……歌のタイトルのような美しい響きですが、実際にはそう甘くはありませんでした。不時着、入場禁止、運行中止……私たちを待っていたのはハプニングの嵐だったのです。
風がもたらした3つの悲劇
こんにちは、ヒマワリ侍です。
「魔女の宅急便」の舞台とも言われている、かの有名なクロアチアのドゥブロヴニクへオカンと行ったときのこと。
アドリア海沿岸のダルマチア最南部に位置するクロアチアの都市。1979年に世界遺産に登録された旧市街は「アドリア海の真珠」とも謳われる美しい町並みを誇る。アドリア海沿岸でも傑出した観光地であり、多数のクルーズ船が寄港する(Wikipediaより引用)
冬特有なのかは分かりませんが、私たちが行った時は非常に風が強く、そのせいで見舞われた悲劇を3つ紹介いたします。
悲劇1 飛行機が不時着
スロベニアの首都リュブリャナから、列車でクロアチアの首都ザグレブへ。余談ですが、このときに財布を紛失しました(多分スリ)。
眼下に広がるアドリア海。「ドゥブロヴニクが見えてきたよー!」なんて言いながら財布を失くしたショックを隠します。
ザグレブからドゥブロヴニクへのフライト時間は1時間程度のはずなのに、1時間半くらいかかったような気もするし、機内アナウンスがやけに長かった気もするのですが、深くは考えずにドゥブロヴニクに到着(したとこの時は思い込んでいました)。
空港では、バスの乗車券のようなものを渡されました。「旧市街までタダでシャトルバスに乗せてくれるのかー、サービスいいなー」と思っていましたが、ガイドブックには「所要30分程度」と書いてあるのに、あきらかに1時間以上走っています。
前の席に座っていた女性に状況を聞いてみると、「風が強くてドゥブロヴニクには着陸できず、スプリトに緊急着陸して、今はバスでドゥブロヴニクに向かっている。5時間くらいかかるよ」と教えてくれました。
たぶん「この母娘は英語が苦手で、機内アナウンスを聞き取ることができず、現状をまったく理解できていない」ということを一瞬で察してくれたのでしょう、非常に分かりやすい英語で話してくれました。まさか不時着していたとは思いませんでした……。
実はドゥブロヴニクはちょっとした飛び地になっており、スプリトからバスで向かうとなると一瞬だけボスニア・ヘルツェゴビナに入国することになります。
結局、ドゥブロヴニクに着いたのは21時ごろだったでしょうか。不時着しして疲労困憊の母娘を前にアドリア海の風はさらに吹き荒みます。
悲劇2 ハイライトのはずの「城壁巡り」ができない
ガイドブックには「ドゥブロヴニクの城壁巡りは外せない」と書かれていたのですが、これまた強風により入場不可となりました。本当はこういう景色を見ることができたはずなのですが……とても残念でした。
Photo by Jimmy Harris
悲劇3 ロープウェイも運行休止
街の背後にあるスルジ山(眼下にドゥブロヴニクの町を眺められる/標高412m)へ向かうロープウェイも強風により運行休止。「えー!どんだけついてないねん!」と思いつつ、歩いて1時間くらいで山頂へ行けると知り、登山をすることに。
ジグザグに登って行くのですが、曲がる地点にはこんなレリーフが。
強風のせいでロープウェイには乗れませんでしたが、道中の景色はとても良かったです。歩いて正解だったかも……!
トラブルは旅のスパイスか?
前回の記事、「[ブレッド湖] 願いが叶う伝説の鐘を鳴らしに行ってみた(オカンと)」の最後にこう書きました。
私は、旅の無事を祈りました。トラブルはいろいろありましたが無事に日本に帰ることができたので、願いは(かろうじて)叶ったということでしょう!
「トラブルはいろいろありました」とはまさにこれらのこと。
しかし、今では「あの時の不時着は焦った!」「スルジ山は疲れたけど歩いてよかった」と話のネタ。時が経てば笑い話になるもんだなぁと思いました。ちょっとしたトラブルは、旅のスパイスなのかもしれません。
もしドゥブロヴニクへ行かれる方がいらっしゃったら、「こんな事例もあるんだー」程度でもご参考になれば幸いです。
余談ですが、財布の紛失はいまだに笑えません……(そもそも強風のせいではない)。
ヒマワリ侍
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