騎馬民族の国・中央アジアのキルギスの伝統競技キョクボル。馬に乗って激しくぶつかり合いながら、ゴールを目指す姿は迫力満点!そのボールの正体とは!?
めったに見られない・キョクボル
どうも、世界一周できるかわからないじっくりのんびり系旅行者三矢です。
キルギスの首都ビシュケクに滞在中、同じ宿に宿泊していた方に8月31日の独立記念日に合わせてキルギスの伝統競技キョクボル(コクボル)の大統領杯が行われると教えて頂き、観戦してきました。キョクボルは開催されることがあまり多くなく、地方都市で行われることも多いため、今回見る機会に恵まれた僕は非常にラッキーでした。
会場はビシュケク市西部にある競馬場。到着した時には大勢の観客が押し寄せていました。
今回はキルギスの伝統競技キョクボルがどのような競技なのか紹介します!
キルギスの伝統競技キョクボルとは
キョクボルを簡単に説明すると「馬に乗って行うラグビーのようなスポーツで、ゴールにボールを入れた回数で勝敗を競う」競技です。英語では”Horseback rugby”と訳されます。
これがフィールド。フィールドは長方形でそれぞれのサイドにゴールがあります。
これがゴール。円形をしていて中がくぼんでいます。この中にボールを入れると得点になります。
試合時間は20分×3セットで20分ごとにサイドチェンジします。
1チーム約10人で構成されフィールドプレーヤーは4人、試合中の選手交代は自由に行えるようです。
ボールはヤギの死体
そして肝心のボールがこちら。真ん中に何か茶色い物体が転がっているのが見えると思います。これがボールです。
???
これだけだとなんだかよく分かりませんね。次に選手がボールを持っている写真を見てみましょう。
このボール、なんと、ヤギの頭と足首を切り落としたものなのです!ボール、と言っていいのか悩むところですが、今後も便宜上ボールと呼び続けることにします。 その重さは20㎏とも30kgとも言われています。
このボールを馬に乗ったまま拾い上げ、相手ゴールに投げ込みます。
キョクボルはこんなに激しい
馬に乗った選手同士がぶつかり合うこの競技、当然危険はつきものです。馬と馬がぶつかり合うとかなり鈍い音がします。
選手はしょっちゅう落馬します。
馬も倒れます。
怪我することも多いそうで、フィールドの外には救急車が待機しており、
時折出動します。
キョクボルの注目ポイント2つ
僕が思うキョクボル観戦のハイライトは2つあります。
まず、試合開始、及び得点後にボールを拾い上げる瞬間。
次に団子状態から抜け出してゴールに向かって疾走する瞬間です。
ボールが重いので鞭は口にくわえて両手と足も使ってボールを運びます。
キョクボルの激しさを動画で
写真だけじゃ試合の激しさが伝わらないと思うのでここからは動画も交えて紹介していきます。
まずボールを拾い上げるところ。何頭もの馬がひしめき合う中体を倒してボールを拾い上げ、ゴールを目指します。
得点シーン、集団を抜け出してからの疾走感が凄まじいです。
ボールを投げ込む勢いで自分もゴールインしてしまうことも…。
キョクボルに遊牧民族の伝統を見た!
時に猛々しく、時に颯爽と、まるで自分の手足のように馬を駆りフィールドを駆け抜ける姿は想像をはるかに凌ぐほどかっこよく、僕は一目でキョクボルの虜になってしまいました。
キョクボルは遊牧民族ならではの独特な競技。キルギスの人々の生活にとって馬がどれだけ密接に結びついているか、その一端を垣間見た気がします。
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