インドの辺境の村に全国から人が集まってくる理由

2015.11.30 11:19 
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標高2900mの村に鳴り響くチベット仏教の経典…。まるで天国のようなカルパ村​ですが、素直に天国とは呼べない「事情」がありました。

 

はじめまして!岩辺智博(いわなべともひろ)といいます。
大学時代よりアジア・アフリカに魅せられ、大学卒業と共に7か月間(2015/02/14~09/17)世界を放浪していました。
社会派ネタを織り交ぜつつ投稿していきたいと思います。よろしくお願いします!
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「天国」で増えている「あること」

美しいヒマラヤ山脈に抱かれたインドの最深部にあったカルパ村。

 

「小さな天国」と謳われる村で最近増えている、天国らしからぬ「あること」とは…。

 

ヤギと過酷な道のりを行く

ガイドブックにも載っていない、インドと中国の国境沿いで僕はバスに揺られていました。
ひどい砂埃の中を進む乗合バスに乗るのは人だけではありません。老人がヤギを率いて平然と乗り込んでくるんです。角をおさえるのに必死でヤギの写真は撮れなかったのが残念です…。
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地元の人々も心配そうな面持ちで眺めるまさにデスロード。対向車が現れる度に覚悟するものがあります。
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「天国らしい」3つの特徴

インダス川の支流の一つであるサトレジ川に沿って深い谷を進んでいくと、ヒマラヤの白い峰々に抱かれた美しい村に出ました。ここがカルパ村です。
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村は標高2900mの山の斜面に位置しているだけあって、少し集落を抜けると7000m級の峰々を見渡せる風景の中に佇むことができます。
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そんな村には3つの特徴がありました…。

 

1、異邦人を気にしない村人達

多くの村人はこの緑色の帽子を被っています。
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彼らは、唯一の異邦人である僕を少しも気にせぬ素振りで歩いていきます。
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2、心の拠り所となる僧院の存在

チベット仏教徒にとっての憎院であるゴンパ。チベット文化圏に属するこの地域において、彼らの心の拠り所といっても過言ではないでしょう。ヒマラヤの空に溶けていく荘厳な経典の音を聴いていると「遠くまで来たんだな」なんて実感します。
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3、美人が多い

カルパ村の位置するキンノールという地域は神話の舞台でもあり、美人が多いと言われています。たしかに顔立ちも、チベットや中央アジア系の血統が混じっているからなのか、インドの他の地域の女性とは一線を画しているように思えます。
ちなみに映画大国で有名なインドの女優のほとんどは、このヒマーチャル・プラデーシュ州カシミール地方などの北部出身女性だそう。
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たしかにここは「小さな天国」かもしれません。

 

最近増えている「あること」

ある晩、街で唯一とも言える食堂で地元の若者と話していると突然の停電…

小さな村には光一つなく、星がヒマラヤのシルエットを浮かび上がらせる美しい夜になりました。

そんな美しいカルパ村で増えていること…

 

それは、自殺です。

 

実はインドは世界最多の自殺大国なのです。その背景には、肯定された階級差別、広がる貧富の差、急速な競争社会へのシフトといった社会状況が関係しており、世界中で大ヒットしたインド映画『きっと、うまくいく』にもこの辺りが描かれています。

 

「小さな天国」と謳われるカルパ村には皮肉にも、インド中から自殺志願者がやってくるのだそうです。

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…もしかしたらこの村の人々が僕に関わろうとしなかったのは、そんな背景があったからなのかもしれません。

 

 

 

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岩辺智博
大学時代よりアジア・アフリカを中心に放浪。マラリアに倒れ、冷たい雨に震え、手錠をされて確かめた自由。当たり前を揺るがす毎日を。もっと世界に身をさらそう、もっと自分で生きてみよう。ジャーナリスト志望の東京在住社会人1年目。ブログTwitter

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