イギリス人でトライアスロン選手の夫と、ふつうの日本人の妻によるアジア自転車旅行をお届けする、連載「日英夫婦チャリダー珍道中」。第3回はベトナムのニャチャンからクロコダイルが棲むカッティエン国立公園へ。
こんにちは。イギリス人トライアスロン選手の旦那(ジェームス)とアジアを自転車旅行しているアカネ(ブログはこちら)です。
前回の到着地点、ベトナムのビーチの街ニャチャンには10日間も滞在してしまいましたが、その後自転車で移動を続け、カッティエン国立公園を目指しました。
辿った道のりは以下の通り…
ニャチャン(Nha Trang)
↓
ダラット(Da Lat)
↓
ディリン(Di Linh)
↓
ファンティエット(Phan Thiet)
↓
ムイネー(Mui Ne)
↓
ギアレイ(Gia Ray)
↓
ボースー(Vo Xu)
↓
マーダーグイ(Ma Da Gui)
↓
カッティエン国立公園(Cat Tien National Park)
今回訪れた街は特徴が濃いところが多かったので、それぞれの街についてもご紹介しながらチャリダー旅行記を進めて行きたいと思います。
この区間のダイジェスト動画
出発地点はベトナム随一のビーチリゾート、ニャチャン
ニャチャンは、これまで訪れたベトナムの街の中でもトップレベルで居心地の良い街で、個人的にはとても気に入りました。
ビーチがとても綺麗で世界中からの観光客も多く、街の人たちもフレンドリーでハノイのような大都会と違って、そこまでぼったくり商売もない印象でした。ただ、やはり都会なので物価は少々高いです。
約5kmも続くビーチにはサンラウンジャーが並び、1人40,000ドン(約200円)で一日中借りることができます。サンラウンジャーはどこで聞いても40,000ドンが相場のようでしたが、交渉すると値切れることがあるので、我々夫婦はだいたいいつも30,000ドン(約150円)にしてもらいました。
街には高級リゾートホテルも多くありますが、私達は1泊200,000ドン(約1,000円)程度の安宿を選び、だいたい日中はビーチでゆっくりと過ごしました。
また、滞在中は旦那のジェームスの誕生日だったこともあり、現地ツアーに参加し、日帰りのパーティーボートツアーに行ってきました。
ニャチャンの街にはいくつもツアー会社があり、ボートツアーの他にもスキューバダイビングやシュノーケリングなどのプランが申込めます。
1度目のトラブル
名残惜しくもニャチャンを出た後は、ベトナムの高原都市ダラットへ向かいました。
ここで、この旅始まって以来のトラブル発生…!
ニャチャンからダラットまでの距離は約135kmですが、ずっと坂道が続くため、1泊2日の予定を立てていました。Googleマップによると、我々の通るルートには一軒ホテルがあるとのことだったので、1日目はそこを目指してスタート。
が、しかし、実際にGoogleマップが示したところへ行ってみるとホテルがなかった…!
仕方なく、夜中にダラット到着覚悟でひたすら標高1,500mの山を登ることにしました。
体力的にもかなりきつく、途中でジェームスが私の分までパニアーバッグを全て持ってくれました。
が、気付くと辺りは霧だらけで、30m先の視界も見えにくいほどの濃霧に。
更にこのタイミングで雨が降り始めました…!
視界が悪い中、横を車が通って行くので引かれやしないかと身の危険も感じはじめ、濃霧対策に自転車のライトをつけました。
が…
ジェームスのライトが壊れてつかない!!
これから日も暮れるというところだったので、これはさすがにヤバイということで、急遽、濃霧の中自転車2台を抱えてヒッチハイクすることに。
濃霧+雨の中で見えにくいので、私が持っていたペンライトを映画のシーンのようにくるくると回し、車が通るたびにサインを送りました。
すると、殆どの車が止まって助けようとしてくれました!
けれど、さすがに自転車2台も積める車は少なく、3台目にたまたま通りかかったダラット行きのバスに乗せてもらえることに。
結果として、無事ダラットに到着することができました!※バス代はちゃんと払いました。
アカネ: 助かったー!
ジェームス: あーあ、でも自転車の山登りで途中リタイアしたの初めてだ…ちょっと悔しいー!
アカネ: ジェームス1人だったら完走できてたでしょ?私の荷物も持ってくれたし…。
ジェームス: そうかもしれないけど、今回の登りは相当キツかったよ、富士山の五合目まで登った時よりもキツかったかも!
それにしても、ベトナムの人はとても親切で、感動しました。自転車を積めなかった車も含めて、言葉が通じなくても助けようとしてくれる優しさに、本当に感謝です。
ダラットではキャニオニングがオススメ
ダラットは、フランス植民地時代から避暑地として開拓された街でフランス風のヴィラが残っていたり、どことなくヨーロッパの雰囲気漂う素敵な街です。
この街のオススメもいろいろあるのですが、ここでは一つだけご紹介したいと思います。
我々夫婦のダラットでの1番のオススメは、何と言ってもキャニオニングです!
キャニオニングとは、「アウトドアスポーツのトレッキング、クライミング、懸垂下降、カヌー、水泳、飛び込みなどの要素を用いて渓谷の中の目的のポイントまで下って行く活動の」のことです(Wikipediaより引用)
旅で出会ったバックパッカーズが口を揃えて、ダラットではこのキャニオニングが良かった!と言ってたので、私たちも挑戦してみました。
きちんとしたインストラクション(全て英語)があるものの、実際にやってみると難しい。
というか、怖い!
それでも下り始めると、もはや引き返せないので、やりきるしかないのです!
無事下り終わった時には、スリルで全身にアドレナリンが行き渡って手が震えていました。
最後は、やって良かった!という達成感に満ち溢れてとても楽しいのでオススメではありますが、正直、かなりスリリングなので運動神経に自信がない方はやめておいた方が良いかもしれません…。
因みに、キャニオニングはダラットの街でツアーを申込めて、私達のはインストラクター付き、ランチ付きで1人22ドルでした。写真のようにロープで岩を降りる他、川の流れに身を任せるウォータースライダーや滝壺にジャンプなどがスケジュールに含まれていました。
再びビーチ!ムイネーへ
高原ダラットで過ごした後は、再びビーチへ移動しました。訪れたのはムイネーというビーチタウンで、ホーチミン市からもバスで4時間程度で行けるとあって最近人気上昇中らしいです。
ニャチャンと比べると、ムイネーは落ち着いた雰囲気で、街自体を楽しむというよりもビーチ沿いのリゾート宿を借りてゆっくりとリラックスして過ごすのに良さそうです。
ここで見つけた宿は、バンガロー風のこじんまりしたリゾートで1泊200,000ドン(約1,000円)でした。部屋は狭いものの、レストラン、ビリヤードテーブル、プールにサンラウンジャーも付いていて、ハンモックまでありました!
日中はほとんどこのハンモックの上かプールサイドのサンラウンジャーの上でダラダラと過ごしてしまいました。
黄色い砂丘へ
1日だけ、近くに砂丘があると聞いて自転車で行ってきました。ムイネーには、黄色い砂丘と白い砂丘があるらしいのですが、今回はイエロー・サンデューンと呼ばれる黄色い方の砂漠へ行ってきました。
ジェームスたっての希望で、「自転車で砂丘を下りたい!」との事でしたので、地面から熱風を感じる暑い中、がんばって砂丘を自転車を押して登ってきました…。私は砂丘を初めて見ましたが、なかなかのもので一見の価値ありでした。
さて、肝心の砂丘チャリ下りですが、思った通りうまく行かず(笑)、タイヤが砂にとられてフラフラしながら転けてしまいました。言い出しっぺのジェームスは、なんとか堪えて低速度で下ることには成功!
アカネ: (登りの)努力の割りにはかなり地味だね、これ。
ジェームス: じゃ、帰ろっか!
結局、滞在時間20分程度でした。
でも、普通に行かれる方は砂丘の周りで有料の砂ゾリを貸してくれるので、ソリで下るときっと楽しいと思います!
またしてもハプニング…
ムイネーを去った後は、低地熱帯雨林のジャングルとして保護されているカッティエン国立公園(Cat Tien National Park)へ向かいました。
その途中、またしても自転車ハプニング発生。
Googleマップで事前に調べたルートを通ったのですが、その道は田舎道にしては、新しくとても綺麗な道でした。が、
5分の1程度進んだ序盤になって、その道は作りかけの砂利道と化しました。
ジェームス: この道はパンクしそうだな…
アカネ: パンク修理キット、後3つしか残ってないんじゃなかったっけ?
※実はここに来る前に何度もパンクにやられ、修理キットが減っていました。
ジェームス: ヤバイな、まだこういう道続くし、またすぐパンクしたら修理しても意味ないかも…。
ちょうどその時、干し草を積む用のトラックが通りかかりました。そして、自転車がパンクしているとわかると、「自転車乗せてってやるよ!(ジェスチャー)」と言ってくれました!
せっかくなので、お言葉(ジェスチャー)に甘えて乗せて行ってもらうことに。
我々もトラックの荷台に乗って、辿り着いたところは隣街の自転車修理のお店の前でした。
何と親切な方々!
お礼に心付けを渡そうとしましたが、受け取ってもらえずそのまま爽やかに去って行きました。
ベトナムではしつこい押し売りやぼったくりをしようとする人もたくさんいますが、基本的にみんな友好的でとても親切だと思います。
どこの国でもいい人と悪い人がいるのは同じこと。でも、かれこれ2ヶ月ベトナムを自転車で旅して、ベトナム人はフレンドリーで好奇心が強くて良い意味で自然体だと感じます。外国人がいたら見たいから見る、話しかけたいから話しかける、助けたいから助ける、というように…。
本物のジャングル、カッティエン国立公園へ
次回はリアルジャングル、カッティエン国立公園に潜入します!
絶滅危惧種に登録されている天然のクロコダイルが住む湖に行ってきたいと思います…!
最新記事 by アカネ (全て見る)
- 【日英夫婦チャリダー珍道中】ベトナム人一家のお宅でランチを御馳走になる - 2015/01/11
- [チャウドック(Chau Doc)→プノンペン国境越え]自転車ごとボートで国境を越えてみた - 2015/01/11
- 【日英夫婦チャリダー珍道中】ベトナム人の優しさを思い知る - 2014/11/29
- 【日英夫婦チャリダー珍道中】ベトナム郊外で急成長を目の当たりにする - 2014/10/30
- 【フエ→ダナン】日英夫婦チャリダー旅珍道中 - 2014/10/09