旅の思い出に海外の民族衣装を買って帰りたい……できればそれをオシャレに着こなしたい……。そんな望みを叶えるポテンシャルを秘めたバングラの民族衣装・パンジャビ。安くてオシャレなそれを求めて街を彷徨いました。
民族衣装は派手!普段着として着られる民族衣装は無いのか?
こんにちは!節約バックパッカー植竹智裕(うえたけともひろ)です。世界一周中の僕は現在、この辺りにいます。
旅をしていると見かける機会が多い民族衣装。試してみたいと思う方は多いのではないでしょうか?
民族衣装と言っても、冠婚葬祭など特別な行事の時にしか着られないものや、今でも日常的に着られているものなど様々。中でも前者はきらびやかな装飾がある事が多く、日常的に着るには少し派手過ぎるように思えます(写真はインドネシアのバリ島で見たレゴンダンスのダンサーの民族衣装)。
記念撮影用に着させてくれる場所もありますが、もし記念に買ったとしても日本で着こなすのは難しそうです(写真はチベット系民族の民族衣装)。
普段着でも着られそうな民族衣装を発見
南アジアのサリーのように普段着として着られる民族衣装もありますが、特に女性用の物が多いように思えます。日本で日常的に和服を着る男性が少ないのと同様、どの国でも男性はシャツにスラックスやジーンズといった西洋的な服装が一般化していて、あまり特徴がありません。これはちょっと寂しい……。
しかし!バングラデシュを旅している時に、普段着として着られそうな民族衣装を発見しました。それがカミーズと呼ばれる丈の長いシャツです。
“カミーズはアジアの民族衣装。日本では「パンジャビ・ドレス」、または、略して「パンジャビ」という呼び方が一般的Wikipediaより引用。
※インドではクルターと呼ばれるなど地域によって呼称が違いますが、バングラデシュではパンジャビと呼ばれていたので以降パンジャビと表記します。
バングラナビによれば、バングラデシュでは訪問着として着られる正装とされていますが、街中でも色鮮やかなパンジャビを着ている人を沢山見かけます。
白やグレーなどシンプルなものであればジーンズやカーゴパンツに合わせて、日本でも普段着として着られそう……そう判断して早速パンジャビを手に入れに行ってみました。
パンジャビの値段は高め
僕が目を付けたのはターコイズブルーの刺繍が入った白のパンジャビ。
しかし値段を聞いて驚きました。1300タカ(約1760円)だそうです。僕の一日の予算は2000円(約1535タカ)です。食費や宿代を合わせたら軽く予算をオーバーしてしまいます。
しかし、この時、このパンジャビの事しか頭にありませんでした。2時間悩み抜いた揚句、値切って1100タカ(約1445円)で購入。その後しばらく更なる節制を強いられる事となりました。
とても気に入ってます……が、買ってからある事に気づきました。
バングラデシュでは道が舗装されていない場所が多く、至る所で砂埃が舞っています。
そしてこの国の主食はカレー。それを直接手掴みで食べます。カレーに含まれるターメリックは黄色の色素としても知られ、一度洋服に付着するとなかなか取れません。ましてや、日常的に洗濯機やよい洗剤を選んで使えない状態の今、旅の最中に着るには不向きだと気付きました……。
そこでもう一着、パンジャビを探してみる事にしました。条件は以下の通り。
1 汚れが目立ちにくい
2 日本でも普段着として着られる地味目の色
3 安い(これが一番重要)
市場へ行ってみた
まず向かったのは首都ダッカにあるBanga Bazar。
場所はこの辺りです。
中に入ってみると碁盤目状に狭い通路が張り巡らされていて、洋服屋が軒を連ねていました。
値段は600タカ程度(約812円)とまずまずの安さでしたが、どれも派手な色のものばかり……日本で普段着として着るにはちょっと派手過ぎます。
このように露店でも衣類が売られていますが、パンジャビを売っている露店は見つけられず……。
バングラ版ユニクロを探してみた
途方に暮れていた僕がネットで見つけたのがバングラデシュのグラミン銀行グループと日本のユニクロが合弁しているグラミンユニクロです。ユニクロと言えばカジュアルからフォーマルな衣類まで幅広くカバーしているほか、カラーバリエーションもシンプルな色から鮮やかな色まで豊富。しかも、民族衣装も置いているとの事でした。きっとここなら地味な色のパンジャビが見つかる。そう期待に胸を躍らせて歩いてみました。ところが、いざGoogleマップを頼りに探してみると……無い!
30分程探してみましたが、遂に発見する事は出来ませんでした。
価格調査してみた
グラミンユニクロは見つけられませんでしたが、このエリアには洋服店が沢山あったので、価格調査に乗り出しました。
その結果、ショッピングモールの中にあるような店では1200~2000タカ程度(約1625~2708円)で売られていました。
見るからに高そうなパンジャビを置いているお店も……。恐る恐るショーウィンドウ越しに値札を見てみると……6000タカ(約8124円)でした。僕には無縁の代物です。
安い伝統衣装は意外な所にあった
安くパンジャビを手に入れるのは不可能なのでしょうか……。しかし、この日の探索を諦めて宿へ帰る途中、意外な光景を目にしました。
なんとイスラム教のモスクの前に露店が並び、市場ではあまり置いていない控えめな色のパンジャビを置いているではありませんか!
僕が探していた灰色はスパンコールが付いた派手なものしかありませんでしたが、代わりにデニム地のような薄い水色のパンジャビを発見。値段を聞いて更に驚きました。なんと300タカ(約406円)!一着目の約1/4です。
いかがでしょう?予想通り、早速カレーのシミを付けてしまいましたが、この先の南アジアを旅する間だけでなく、日本に帰ってからも使えそうです。
このように日本でも使えそうな民族衣装は意外な所で、意外な値段で見つけられられる事がわかりました。パンジャビに限らず、あなたが見つけた素敵な民族衣装が、日本のファッションの次のトレンドになるかも知れません。
文・写真:植竹智裕
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