リキシャといえば、自転車で客車をひっぱる乗り物ですが、バングラのリキシャは何でこうなった?
こんにちは!気ままに旅するライター植竹智裕(うえたけともひろ)です。世界一周中の僕は現在バングラデシュにいます。
「バングラデシュは世界で7番目に人口が多い国であり、都市国家を除くと世界で最も人口密度が高い。かつて「黄金のベンガル」と称された豊かな地域であったが、インフラの未整備や行政の非能率から、現在はアジアの最貧国に属する」(Wikipediaより引用)
バングラデシュは乗り物天国
そんなバングラデシュには、馬車や小型の三輪タクシー、荷台を付けた自転車など日本では目にする事が無い乗り物がたくさん!そんな中でも一番多いのが、自転車に2人乗りの荷台を取り付けた「リキシャ」と呼ばれる乗り物です。
リキシャとは?
「リキシャは人力車を改良したもので、英語ではCycle rickshawとなる。また、オートバイや三輪自動車などを用いるようになったものはオートリクシャーと呼ばれる。 Rickshawの語源は日本語である」(Wikipediaより引用抜粋)
自動車がすれ違うのが困難なほど細い路地が多いバングラデシュ。
街ごとに違う装飾
バングラデシュのどの街に行っても、一日に数十台は目にする事になるリキシャ。あまりにも多いので見落としがちですが、よく見てみると、街によってその装飾に大きな違いがある事に気づきました。以下に僕が訪れた街で見たリキシャのバリエーションをご紹介します。
世界遺産のバゲルハットのモスク都市やシュンドルボンへの拠点となるこの街では、花をあしらったシンプルなデザインが多く見受られた他、
ライオンやゾウが描かれたものも(バングラデシュにライオンは生息していません……)。
茶葉の生産で有名な街ですが、お茶に関連するデザインは無く、女性を題材にした写実的な絵が多かったです。よく見てみると……
虚ろな表情で小便をする男の子の絵。一体何を表現しているのでしょうか……。
世界最長のビーチがあり、国内屈指のリゾート地として有名なこの街では、恐らく人間の顔と動物の体を持つ半身半獣の絵が描かれていました。
どこかスフィンクスに似ていますが、上手いかと言われると……。
幾つかの街を走るリキシャを見て来ましたが、一番僕のツボを突いたのが首都ダッカのリキシャです。
人の絵が描いてあるものが多く、どれも写実的でシリアスな表情をしています。
どこかシュールで思わず笑ってしまいますが、現地の人に聞いてみたところ、笑いの要素は皆無だそうです……。
長年使われて来たのでしょう。泥の汚れや錆び、傷、釘の位置などが絶妙なシュールさを醸し出しています。
美しい女性を描いたものだと思われますが、ちょっと怖い……。片方の眉毛だけ塗り足したような跡も気になります。
なぜ街ごとに違うのか?
ダッカで40年近くリキシャを漕ぎ続ける大ベテランに聞いてみました。
いわく、街にはリキシャの荷台に絵を描くアーティストがいるそうです。
彼らはどこかで描き方を教わるのではなく独学で描き方を覚えるそうです。その見本になるのが既に街を走っているリキシャ。なので、自然と題材や画風が似通っていくそうです。同じような絵でも目が寄っていたり、目の下のくまが強調されていたり、女性なのに口の周りがひげの剃り残しのように青かったりするのはそういう訳なんですね……。
正直に絵の感想を述べるととても変!ですが、調べてみると、世代を超えて受け継がれる一種の伝承芸術でした。 もしもバングラデシュを訪れるような機会があれば、観光地巡りだけではなく、こうした乗り物にも目を向けてみてはいかがでしょうか?もしかしたらあなたを笑わせてくれるとびきりの「変な」絵に出会えるかも知れません。
文・写真:植竹智裕
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