アジアでも屈指の「治安の悪い都市」と呼ばれるフィリンピンの首都マニラ。だけどそこには、物騒なイメージをブチ壊す乗り合いバス・ジープニーが走っていました。ド派手なビジュアルが男心をくすぐるジープニーの写真をまとめてみました。
こんにちは!世界一周出発まであと3週間!植竹智裕(うえたけともひろ)です!今回も過去に旅した国で見つけた面白いものをご紹介します。
「1台として同じ車両はない」ジープニーとは?
フィリピン全土でみられる乗合ジープです。絵はがきにもなるくらいメジャーな乗り物です。
ジープニー
“フィリピンのジープニーは、多くが小型貨物自動車からの改造で造られることが特徴である。もともとは第二次世界大戦後にフィリピン駐留アメリカ軍払い下げのジープを改造して製作されたのが始まり。車両のオーナーは各車ごとに独自の派手な塗装やカーアクセサリで外装のデコレーションを競っており、これらの特徴のため1台として同じ車両はないと言っても過言ではない”
Wikipediaより引用
そのド派手な外装は、外装が統一されたものが多い先進国の交通機関とは対照的。そんなジープニーをマニラの街中でウォッチングをしてみたので一挙公開します。
国内全土で35万台!
カ……カラフル!その数は国内で35万台、首都圏だけでも5万5000台と言われています。
マラテ地区にて撮影
マニラではこんな風に、ギンギラギンなジープニーがさりげなく連なっている事も珍しくはありません。
パセイ地区にて撮影
色合いは地味ですが細部の装飾はばっちり。
マラテ地区にて撮影
これは!装飾品の多さは見た中でもトップに入ります。
マラテ地区にて撮影
緑、ピンク、水色、オレンジとかなりサイケデリックな趣味の一台。
キューバオ地区にて撮影
フロント看板に書かれたさまざまの内容
ジープニーのフロントガラスの上には大抵文、字がかたどられたアルミ板が掲げられています。書いてある内容は持ち主の名前だったり、座右の銘だったり、スペイン語の単語だったりとさまざま。
中でも多かったのがキリスト教が根強い国らしくJESUS CHRISTと書かれたジープニー。
マラテ地区にて撮影
一体何を思ってスピリット・オブ・ノルウェーなのでしょう。
マラテ地区にて撮影
愛する家族の顔を掲げて走る
車体には絵が描かれている事も多く、中にはキリストとピカチュウのように日本では大人の事情で実現できない夢の競演を果たしているようなジープニーも!そして多かったのが……オーナーのお子さんと思しき肖像画。
自分の親が車にこのサイズ感で自分の幼少期の肖像画を掲げて走ろうものなら全力で阻止しますが、フィリピンだから許される!
マラテ地区にて撮影
こちらも恐らくオーナーの奥様とお子様(推定6~10歳)の肖像画を掲げてマニラのダウンタウンを爆走します。
キューバオ地区にて撮影
バットマン&ロビンのロゴマーク入りのコアなアメコミ愛を感じる一台。
エルミタ地区にて撮影
夜間でもメタリック過ぎて大抵はライトが無くても反射するという圧倒的な存在感。
パセイ地区にて撮影
カラフルな配色が多いジープニーの中で、車体のベースの色を白にして差別化を図った勝ち組みな一台。月光仮面やガッチャマンのようなイメージ。
サンパロック地区にて撮影
ちなみに、wikipediaによると、ほとんどのジープニーには運転手とは別に車両のオーナーがいる。運転手はオーナーに決まった車両借用料を支払い、客から受け取った運賃は自分の取り分となる。
これに乗ってる人きっとヘビーメタル愛好家!そんな気がしてなりません。
パセイ地区にて撮影
地方都市でも個性的なジープニー
ジープニーが走ってるのはマニラだけではありません。壮大な棚田が有名なコルディリェーラの棚田群(世界遺産)があるバナウェにも、そのちょっと北西にあるサガダという村にも、個性的でカラフルなジープニーは走ってました。
シンプルなシルエットながらオモチャのような配色がGOOD!
サガダにて撮影
番外編
ちょっと目が小さく釣り目のずる賢そうなドラえもんもマニラのダウンタウンを駆け抜けます。
治安よりよっぽど危なそうな排気ガス
「治安が悪い」とは言われても実際に行ってみるとそんなに危険な印象は持たなかったマニラ。しかし、ウォッチングをしていて気付いた事がひとつ!排気ガスの量が尋常じゃない!一日歩けばその日の夜にはタオルは真っ黒です。そういった意味では危険なのかも?
カイポ地区にて撮影
街の人はいたって気さくなマニラ
これからジープニーに乗ると思しき男性が手を振ってくれていました。後で写真を整理した時に気付くくらいさりげなく。
カイポ地区にて撮影
ジープニーを写真に収めているとこういう無邪気な笑顔にもたびたび出会えます。
ブレ気味なのは彼らが元気な証拠。頼まなくても向こうから被写体になってくれるのは旅人からすればありがたい事です。
「危険だ」「治安が悪い」そう言われてちょっと気が引けてしまうような場所でも、実際に行ってみると見ていて飽きないカラフルな乗り物が走りまわっていて、町の人も無邪気に笑っている人ばかりでした。町の雰囲気も魅力もやっぱり百聞は一見にしかず。フィリピンを訪れた際は人間観察ならぬジープニーウォッチング、ぜひおすすめです!
※写真は全て2011年に撮影したもの
文・写真:植竹智裕
HP:週刊!植竹智裕の気ままに世界探検ブログ
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