ウユニの街に女の子に渡して喜ばれるような「ちゃんとしたケーキ」なんかあるはずがありません。捜索は困難を極めました。そして二人はついに、ひとつの地図を手に入れたのです。
デスクです。これまで何度か登場してもらっている、世界新聞インターンのきづきくん。ウユニ滞在中のある日、彼が「あの言葉」を発したところから全てが始まりました。
「どこかにケーキ売ってないですかね?」
ちょっといい話
なんでも、ある女の子にケーキをプレゼントしたいのだと言います。で、理由を聞いてみると、これがちょっといい話なのです。彼女は「ミワコさん」と言って、ウユニに来る前に滞在したラパスで8万円盗られた(知らない間に財布からなくなっていた)のだそうです。ミワコさんは落ち込み、塩湖に行く元気もなく、宿に引きこもっているのだそうな……。
「ミワコさん、この前誕生日だったから、ケーキでもプレゼントしたら少しは元気になるかな」(きづきくん)
きづきくんとミワコさんは一緒にクスコ(ペルーの世界遺産の街)で会った仲(付き合ってるとかそういうのではないという)で、ウユニで再会したとのこと。ちなみに、この時点でデスクはミワコさんのことは知りません。
ケーキを買ってミワコさんに届けよう
僕はきづきくんの優しさにちょっと感動し「よし、俺も協力する!これからケーキを買いに行ってミワコさんに届けよう!」ということになったのです。ただ、きづきくんの中でケーキに対するこだわりがあって「路上に売っているやつは嫌だ」と言うのです。「ちゃんとしたケーキっぽいやつがいい」と。
ケーキのイメージを語るきづきくん。三角のやつがいいみたい。
以前記事にした市場の前にある路上ケーキ屋さん。別にこれでもいいと思うのだが……。
「ちゃんとしたケーキ」を求めて街へ出るも……
しかし、デスクはこれまで1ヶ月に渡りウユニに滞在してきましたが、そんなケーキは見た事ことも聞いたこともありません。きづきくんが言うように、唯一候補を上げるとすれば、路上ケーキくらいなもんです。それくらい、ウユニって本当に小さな街なんですよ。
ともかく、僕らは「ちゃんとしたケーキ」を求めて街へ出ました。
ウユニは、有名なウユニ塩湖への拠点となる街ですが、これといった見どころはありません。標高が3500mあるので日差しが強烈。
スイーツ屋さんらしき看板を発見!しかし、無情にも閉まっていました。
ウユニの街に唯一あるスーパーマーケットへ。
ありませんね。
そもそも今日は土曜日でほとんどの店が閉まっているのです。
やばい、作戦変更だ
僕らは作戦を変更し、セントロ(街の中心)に向うことにしました。そこには小規模ながら、外国人観光客を相手にしたレストランが軒を連らねており「もしや」と思ったのです。
どこに行っても自分たちのライフスタイルを変えようとしない欧米人向けのレストラン。値段はローカルの倍以上。
僕らが求めているのはこういう「ちゃんとしたやつ」なんだ。
でも、「NO」だって。絵に描いたような写真が撮れました。ちなみにスペイン語でもNOはNOです。
こちらは僕らがあまりにもしつこいので、無視してTVを見る店員さんの図。
渡された地図
しかし、あるレストランに入った時のことでした。僕らがいつものように「ティエネ(ある?) トルタ(ケーキ)?」と入っていくと、やっぱり「ない」とのこと。でも、店のお兄さんが外を指差し「そこに行け」と言っているようなのです。なんとなく「パステリア」という単語が聞き取れたので、パティシエから連想するに(スペイン語ってそんな感じで意味が分かったりする素敵な言葉)、お菓子屋さんでもあるのでしょうか?
お兄さんに地図を書いてもらいます。そして、渡されたものが……
これ。
どうする?どうなる?急がないと、ミワコさんが泣いてるぞ!
続きは後編で
文・写真:デスク
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