オーストラリアの牛肉工場・屠殺場勤務の苦悩と初任給

2017.09.30 07:00 
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1日665頭の牛を処理するオーストラリアの牛肉工場の屠殺場で、牛の生首を洗浄する仕事をしています。辛いことやスケジュール、さらには報酬を公開します。

 

アンニョンハセヨ!極貧バックパッカー改め「オーストラリア出稼人」の植竹智裕(うえたけともひろ)です。

現在ストロベリーファームで出会った韓国人5人と共同生活中(オーストラリアですけど)。

最近日本語のボキャブラリーがパッと出てこなくなりました(歳のせいかもしれない)。

 

僕たち6人「迷走兄弟」の道中の記録はこちら

12週目 1日665頭の牛を殺すオーストラリアの屠殺場勤務、初日の感想

11週目 惚れてまうやろ!3ヶ月共同生活してわかった韓国人男子の魅力

10週目 【オーストラリアのワーホリ】家賃・月10万以下の一軒家で暮らすとこんな感じ

9週目 オーストラリアの田舎で不愉快にホテル暮らし

8週目 オーストラリアの牛肉解体工場に就職してみた

7週目 韓国人5人とオーストラリアで仕事探し中の僕、シトラス農園でほめられる

6週目 韓国人5人とオーストラリアで仕事探し中の僕、家を手に入れる

5週目 韓国人5人とオーストラリアで仕事探し中の僕、184km先のトマトをつむ

4週目 韓国人5人とオーストラリアで仕事探し中の僕、つかの間の幸せを見つける

3週目 韓国人5人とオーストラリアで仕事探し中の僕、情報通おじさんに出会う

2週目 元同僚の韓国人5人と僕、まだオーストラリアで職探し中@マンダベラ

1週目 元同僚の韓国人5人と僕、オーストラリアで職探しの旅を始める

 

>>オーストラリアのワーホリ連載、全ての過去記事はこちら

 

現在はNaracoorte(ナラコート、ナラコーアテ)という街で毎日牛の血にまみれて暮らしております。

 

血まみれ……そうです僕の仕事相手は牛の生首です。
IMG_2622

 

僕の相手は皮なし生首

僕の任された仕事はざっくり以下の通り。

※工場内は撮影不可の為、絵や僕の顔面を使ってご紹介します。

 

・頭蓋骨に沿ってこめかみの肉を切開。
・先端がU字型の高圧洗浄機で首の断面から頸動脈・食道の洗浄。

Högtryckstvätt.jpg
By Foto: Jonn Leffmann, CC 表示 3.0, Link

 

鼻の穴にノズルを差し込んでジェット噴射。
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口の中のジェット噴射。
IMG_2625

 

そして各動作が終わったら(1頭につき2回)、石鹸で手洗いをします。

ナイフもだんだん切れ味が落ちるので研がなければなりません。

基本動作はこれだけなので簡単に思えますが、他にもやる事がたくさんあります。

 

ここが辛い

・穴から吹き出す黄色い物体

頭部の穴という穴を洗浄していると時々、黄色い物体が噴き出す事があります。正体は牛の餌(牧草)です。

牛は食べた餌を一度戻して反芻するのでなかなかの臭み。これらを全部除去しないと大目玉を食らいます。

 

・たまに毛皮を剥がし損ねてそのまんまの牛の頭が流れて来た場合はナイフで全部剥がさなければなりません。

まぶたや鼻の下だけならいいのですが、余りに多いとまだ技術不足でこめかみ切開・洗浄まで終わらせる時間はありません。

 

・毛皮を剥がす際に誤って首まで取れた場合は駆け寄って、首の皮を切って運ばなければいけません。

 

・間違えて舌に切り傷をつけてしまうと売り物にならず怒られます。

ちなみに牛タンは1本20ドルぐらいで売りさばくらしいです。

 

・そこらに牛の目玉。

無我夢中で作業を続けていますが、ふと足元を見るとなんだかブルブルした塊(血なのか肉なのか脳みそなのか)が転がってる事はざらです。

ある時舌を見ると足元に牛の目玉。

もはや何も感じなくなってしまった自分が恐い。

目玉が無い生首が流れてきたらひとつ前のセクションの洗面台を覗き込んで、生首と一緒にフックにかけなければなりません(何かに使うんでしょうか?)

 

・ジェット噴射するので返り血を浴びる事もあり、またビニールエプロンを着けているにも関わらず、長靴の中に水が入る事も……。

その日は歩くたびに長靴の中でチャプチャプ音がして一日気分最悪です。

 

強くなりました

基本動作だけだったら毎回手を洗って、ナイフを研ぐ事も出来るのですが、上のようなイレギュラーな事態も多く、ナイフを研ぐ時間もありません。

そして皮を剥がしそびれた生首も時間内に剥がしきれなかったら僕の次のポジションの人に丸投げする形になります。

もちろん嫌な顔をされます。

そして、洗浄が出来ていないので最終的にはお偉方が牧草まみれの下あごを抱えて意地悪そうな顔をして怒りに来ます(笑)

最初は「申し訳ない」と思って落ち込んでいたのですが、最近は……開き直りました。

周りの人はナイフを研ぐ時間もあるんだから、手伝ってくれてもいいじゃないか!それに、毛皮剥いでいたら洗う時間が無いのも当然です。

最近では埒が明かない事で怒られても、ウィンクで応対して右から左にスルーしております(クビになりやしないだろうか)。

 

気になるお給料

さて気になる給料ですが、最初は時給22.86ドル(約1986円)で1日当たりの稼ぎは税金を引いて大体185ドル(約16070円・8.5~9時間労働)です。

スーパーアニュエーション(年金)も会社から専用口座に振り込まれます。

セカンドビザ取得も可能です。

土日休みに加えて週に1日はデイオフがあるので基本的には週4日

さらに牛不足で工場全体がお休みになる日もあるので、そんな週はあまり稼げません。

ざっくり、月に20〜25万円ほどといったところでしょうか。

 

一日のサイクル

午前5時・起床
午前5時10分・出発
午前5時20分・到着
午前6時15分・始業
130頭目ぐらい・7分喫煙休憩(1/3ぐらいしか吸えない)
260頭目ぐらい・朝食(20分)
330頭目ぐらい・7分喫煙休憩
460頭目ぐらい・昼食(30分休憩)
560頭目ぐらい・7分喫煙休憩
午後4時半頃・665頭処理を終えて退勤
午後5時頃・車で迎えに来てもらってそのまま買い出し
午後6時頃・帰宅してシャワー
午後7時頃・夕食
午後10時頃・就寝

 

一日が終わる頃にはこんな感じで血まみれです。
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顔面も返り血を浴びてもともと悪い人相も更に悪くなります。

気づかずにこのまま買い出しに行く事もありますが、牛肉工場か農園ぐらいしか大規模な産業が無い街なので慣れっこなのかも知れません。
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ちょっとした弊害

さて、毎日殺されたての血まみれの牛や、まだ筋肉がピクピクいっている生首を665頭も目にして食欲不振にはならないのでしょうか?

心配ご無用、日本に居た頃は毎週一人でホルモン焼きを食べに行くくらいホルモン大好きな僕にとっては、牛肉独特の臭みもプルプル脂の乗ったこめかみのお肉もむしろ食欲を掻き立てます。

強いて言うならオーストラリアで出会ったヴィーガン(完全菜食主義者)の友達に合わせる顔がない事ぐらいでしょうか。

10月の中旬ぐらいまでは牛肉工場で血まみれになってガンガン稼ぎたいと思います。

>>オーストラリアのワーホリ連載、全ての過去記事はこちら

 

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植竹 智裕
1986年、東京都多摩市生まれ。会社を辞めて早5年、世界一周・旅行記出版を夢に俳優業など手を出しつつゆるやかに資金を貯めてきた植竹、ついに日本を飛び出し世界から色々な体験記をお届します! 帰国後のお仕事のご相談もお待ちしております!旅のオフショットはインスタで。ブログTwitter

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