それは不思議な体験でした…。
こんにちは!極貧バックパッカーの植竹智裕(うえたけともひろ)です。世界一周中の僕は、現在この辺りに居ます。
突然ですが、皆さんは今までの人生で科学や常識では説明できないような「あれは何だったんだろう?」という不可解な現象を経験した事がありますか?2014年の4月28日に始まった僕の旅も早いもので出発から一年を迎えますが、振り返ってみると、僕にも今でも一つだけ解けない謎があります。今でも不可解な点が多く、書く事を躊躇っていましたが、出発1周年を記念して皆さんにご紹介したいと思います。それは世界一周を始めたばかりのインドネシア・バリ島で体験した不思議な出来事でした。
バリ島とは
「インドネシア共和国バリ州に属する島である。首都ジャカルタがあるジャワ島のすぐ東側に位置し、「神々の島」とも形容されるバリ島では、人々のおよそ90%が、バリ土着の信仰とインド仏教やヒンドゥー教の習合によって成り立つバリ・ヒンドゥーと呼ばれる信仰を奉じている」(Wikipediaより引用)
僕が泊まっていたホテルに勤めていた面倒見のいい従業員のプトゥリさん(写真左)。彼女の兄弟がバリ島でマッサージ院を開業したという事で、無料体験をさせて貰える事になりました。
バリ島でマッサージと言ったら……青空の下、潮騒を聞きながら、体中にいい匂いのする油を塗りたくられ、体の凝っている部分を揉みしだかれて、思わず眠りに落ちてしまう夢のようなマッサージを想像してしまいました。それを無料で体験できるなんて!そんな美味しい話に貧乏バックパッカーはもちろん食いつきました。
早速連れて行って貰いましたが、だんだんと繁華街からは離れ、住宅街に入って行きます。潮騒は全く聞こえません。そして道も舗装されておらず、建設中の一軒家が並ぶエリアへ。こんな所で開業して儲かるのでしょうか……。
僕はお弟子さんにマッサージして貰う事に。この時、体の悪い所や持病について聞かれましたが、至って健康体の僕、「特にないです」と笑顔で答え、上半身裸になり、台に横になりました。よくよく考えたらマッサージで体の悪い所や病気について聞いてくるのもおかしな話ですよね。
期待していたオイルの代わりにお弟子さんが取り出したのは……野菜!?
その中からトマトを取り出し、ウェットティッシュで包み、身体をなぞります。
何か様子がおかしい……そう思った頃には時既に遅し。なんかビリビリする!なんと電撃が走るではないですか!決して痛くは無かったのですが身体をなぞるトマトが腕に差し掛かると、神経に電気が走って、自分の意思とは関係なく肘や指が痙攣して勝手に動いてしまいます。マッサージ自体は10分程度で終了。何となく体が軽くなった気がしますが、それより何より原理が気になります。
トマトは施術後、少し潰れてしまっていました。すなわち本物のトマト。お弟子さん、一体僕の身体に何をしたんですか!この日は驚きのあまり、トリックを探す気持ちも湧かずに帰って来てしまいました。
後日、同じ宿にやってきたチリ出身オーストラリア在住のダニエル君。彼もプトゥリさんに誘われて、僕が受けたのと同じマッサージを受ける事になり、今度は客観的にマッサージの様子を観察すべく、同行させて貰いました。
「痛かった?」としきりに気にする彼、「痛くはないけどビリビリする」と言うとちょっと不安そうでした。まずは問診から。
そして、いよいよマッサージ開始です。今度はライムを使っていました。
その時の動画がこちら。4分8秒辺りから腕への電撃マッサージが始まり、ダニエル君の腕が勝手に動いてしまっているのが分かります。
マッサージ前はしきりに痛いか気にしていた彼ですが、マッサージ後に感想を聞いてみたところ、なんとチリにも同様の電気療法があるそうで「こういうのをずっと求めていた」と言い出し、大絶賛。世の中一体全体どうなってるんだ!
ダニエル君がマッサージを受けている間、何処かにトリックがあるはずだと思い、調べてみましたがマッサージ台や床のマット、マッサージ師さんの衣類にも電気を発するような装置や、ケーブルは見当たらず。施術前にスイッチを入れるような動作もありませんでした。
マッサージ師さんやプトゥリさんに電撃マッサージの原理を聞いてみましたが、このマッサージは「トランスファー・ビオ・エナジー・テラピー」と言うらしく、気功のような力を使って、それを果物とウェットティッシュを通して患者さんの身体に伝達するのだそうです。人間には誰でも生命エネルギーを発する能力が備わっていて、このセラピーは体内のエネルギーのバランスを整え、リラクゼーション効果があるほか、病気にも効果があるそうです。もう全然想像がつきません。更にフルーツを使ったマッサージを行うのはバリでもここだけと言っていました。
日本人にとってはビーチリゾートとして有名なバリ島ですが、島の人々はバリ・ヒンドゥーへの信仰が厚く、その独特の習慣から神秘的なイメージが漂い、島内にはパワースポットと呼ばれる神聖な場所が沢山あります(写真はバリ島北東部、聖なる泉があるティエラ・エンプル寺院で沐浴する人々)。
また、調べてみたところ、バリには今でもバリアンと呼ばれる呪術師が存在し、嫌いな人間に呪いをかけたり(黒魔術)、その呪いを解いたり(白魔術)、病人の治療も行なうそうです。もしかしたら今回体験したマッサージもそれに近いスピリチュアルな力によるものなのかも知れません。
余談ですが、バリで料理屋を営む日本人のお店に遊びに行った際に、この信じられない話をしたところ「インドネシア人って結構そういう不思議な力持ってるからねぇ」と一蹴。彼ら曰く、ジャワ島では肩を叩かれると催眠状態になり、我に返った頃には財布を渡しているというジャワマジックなるものもあるらしいです。どうなってるんだインドネシア……!
このマッサージを紹介してくれたプトゥリさん、現在は自身でGandhi Hostelというゲストハウスを開業したそうです。きっと今日も新たな外国人旅行者がこの驚きのマッサージを体験している事でしょう。
現代に生まれ育ち、ついつい科学的な答えを知りたくなります(むしろ1年経った今でも知りたい)が、「世の中には科学や常識では説明が付かない事もあるのかも……」と出発からわずか10日足らずで思い知らされ、バリが「神々の島」と呼ばれるのも頷ける出来事でした。もうすぐ始まるゴールデンウィーク、もし偶然にもバリに行かれる方はリゾートだけでなく是非スピリチュアルなバリも体験して見て下さい。そしてこのマッサージのトリックが分かる方は教えて下さると個人的にも大変すっきりするので助かります。
「バリ島」の関連記事もどうぞ
・海外で貴重品(パスポート含む)を盗まれた僕がとった対処5つ&反省6つ
世界新聞の最新情報をゲット
RANKING