こんにちは!極貧バックパッカー植竹智裕(うえたけともひろ)です。世界一周中の僕は、現在この辺りに居ます。
僕が現在旅している中央アジアの国の首都では、不思議な形をしたドームを見かける事があります(写真はウズベキスタンの首都タシケントのもの)。
これ、実は常設のサーカス場です。主にロシアからサーカス団が来て、ここで公演を行うのだそうです。ロシアといえば、『ボリショイサーカス』が有名ですよね。ちなみに、Wikipediaによると「ボリショイサーカスは、ロシアのサーカス団が日本など海外で公演する際に名乗る『ブランド名』である」とのこと。
旧共産国であり、中央アジアの中でも物価が安いキルギス滞在中に観に行ってみました。
公演の1時間前に到着しました。建物の前には屋台が並んでいて、子供が好きそうなおもちゃや風船が売られていました。
ブラスバンドによる、クリスマスソングの演奏も開演前の期待を膨らませます。
チケットの最安値は400ソム(約800円)でした。
席に着きました。内部は円形になっていて、中央で行われるサーカスをどの角度からも見られる仕組みになっています。中央には早くも動物たちが動員され、子供達を乗せて一周したり、犬が引くそりに乗せたり……
安全器具をつけた子供をロープで吊るし上げて、一気に落とす手動フリーフォールなど、開演前から手広く商売しているんだなという印象を受けました。
会場が暗くなり、音楽がかかりました。いよいよショータイムです!小奇麗な衣装の司会者が現れました。観客は沸き立ちますが……恐らくロシア語なので何を言っているのかさっぱり分かりません!
まずは綱渡りが始まりました。小柄な女性を乗せて綱を行ったり来たりします。観客もまだ声を出し慣れていないようで、おっさんが綱を行ったり来たりするのを静かに見守っていました。
真っ暗な中、蛍光色の衣装を来たジャグラーが現れ、ロボットダンスをしながらお手玉を始めました……。
時々落としてはロボットのようなカクカクした動きで取りに行きます。失敗すらも芸の一部に取り込もうとする姿勢は素晴らしいのですが……結構ポコポコ落としてます。そして、カクカクしながら取りに行くには苦しい距離に飛んでいってしまう事も……。頑張れ!期待のホープ!
どうやらショーはクリスマス絡みの物語形式のようです。とんがり帽子を被った妖精やちょっとドジなおじさんが舞台を駆け回っています。
時々、このようにバケツキャッチをしたり、観客席に大玉を投げたりと、会場を沸かせますが、ストーリー的な部分はまるで分かりません。
サーカスの見所と言えば、思わず寿命が縮みそうな超人技だけではありません。可愛らしい動物たちだって登場します。
綱渡りをするチンパンジー。
円の内側を駆け回る馬に、大小様々な種類の犬が飛び乗って行くという全く違う動物同士の異色の組み合わせ。だんだんとブレーメンの音楽隊みたいなシルエットになっていきます。
中でも一番迫力があったのは馬です。コサックダンスを踊るように片足ずつ前に蹴り出してみたり、写真のように台に乗せて伸びをしてみたり。馬も調教次第でこんなに多彩な芸を覚えるなんて知りませんでした。
大柄な男性が担ぐ棒に、若い男性がよじ登り、空中でアクロバットを繰り広げます。ナイスキャッチ!
これには観客も思わず悲鳴を上げました、ただヒヤヒヤして声を上げていた訳ではありません。この若い団員がなかなかのロシア系美男子。きっと、悲鳴の中には観客の女性たちの歓声も混ざっていた事でしょう。
そして今度はお父さん達が喜ぶ番です。20分程の休憩を挟んで第二幕が始まると、突然、ミニスカート姿の4人のサンタガール(キルギスではスネグーラチカと言います)が飛び出して来て、コサックダンスを始めました。慌ててカメラを構えたのは僕だけではなかったはずです。
終盤で「寒波爺さん」(※サンタさんではありません。参考:クリスマスをキルギスで迎えたら街は「白いサンタ」で溢れていた)も登場しましたが……、
恐らく成人男性の観客の大半は後ろに控えていたサンタガールを見ていたのではないでしょうか。
そして司会者に煽られ、盛大な拍手と、会場が揺れる程の盛大な足踏みで登場したのは……アシカでした。
言う事を聞いていたかと言われるとちょっと怪しいですが、華やかな衣装の女性と優雅に踊って(エサの魚を追いかけて)周り……
「え?もう終わり?アシカが目玉だったの?」と目が点になってしまいましたが、どうやらアシカがメインのサーカス団だったようです。トラやライオンは登場しませんでしたが、子供達は大興奮でした。何せ、キルギスは内陸国……海の生き物に対して、我々とは違った印象を抱いているのかも知れません。さんざんサンタガールにうつつを抜かし、アシカのショーに物足りなさを感じてしまった僕……いくつになっても子供心は持ち続けていたいものです。
もしも旅の最中にサーカス場を見つけたら、試しに入ってみるのも旅の楽しみ方の一つです。場所によっては日本より遥かに安い値段で本場のショーが観られるだけでなく、その国の人達と一緒になって熱狂できる貴重な体験になる事でしょう。
文・写真:植竹智裕
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