旅に移動はつきものですが、雨期の東南アジアでは日本ではありえないようなトラブルが発生しがちです。ラオスの滞在期限が迫る中、決死の現場検証を敢行しました。
こんにちは!気ままに旅するライター植竹智裕(うえたけともひろ)です。世界一周中の僕は現在この辺りにいます。
僕は7月6日から21日までの15日間、ラオスに滞在しました。
初めてのスリーピングバス
ビザ無しで、ラオス入国時に与えられる滞在期限は15日間。7月6日に入国した僕は、7月21日にはラオスを出なければいけないので、20日発の夜行バスでタイとの国境にあるフアイサーイという街を目指しました。その時に経験したトラブルをご紹介したいと思います。
7月20日19時、夜行バスに乗ってルアンパバーンから出発。フアイサーイには朝7時に着くとの事。約12時間の道のりです。
座席は二段ベッドのようになっていて、寝ながら移動する事が出来ます。
初めての体験だったのでウキウキしながら乗り込みましたが、隣の人との間隔が狭く、体も動かしにくいので居心地はそんなに良くありませんでした……。そしてこの後、恐ろしい体験をするなんて、この時は思っても見ませんでした。
7月21日1時10分、目を覚ますとバスは街灯一つ無い山の中で停車していました。周りの乗客は外に出て用を足していたのでトイレ休憩だと思い、再び就寝。
何かがおかしい
7月21日6時頃、目を覚ますとバスは再び山道で停まっていました。
Googleマップで場所を確認してみると……昨日の夜から移動していない!それどころかまだ行程の半分も進んでいませんでした……。これは何かがおかしい!
乗り合わせていた乗客に聞いてみると、事故があって足止めを食らっているとの事です。
至る所で煙が上がっています。後続車両まで煙を上げる程の大事故なのでしょうか?息を呑んで覗き込んで見ると……、
同じく足止めを食らっているトラックの運転手が大がかりな器具を使って煙草を吸っていました……。事故現場はまだまだ先のようです。
現場検証してみた
乗っていたバスから歩くこと約10分、人だかりを発見しました。近づいてみて言葉を失いました。
これは一体……!真ん中にトラックが一台、その両脇にはぬかるみにはまって傾いたバスとトラックが一台ずつ。
詳しい事故の発生状況はわかりませんが、恐らく、まず、道のど真ん中でトラックがスリップして立ち往生し、それを避けて通ろうとしたバスとトラックが相次いでぬかるみにはまったものだと推測します。日本アセアンセンターによると、ラオスの雨期は6月~11月。まさにこの時は雨期の真っ只中で、雨の日も多く、道路はぬかるんでいました。
バスはタイのチェンマイという街に向かう途中の国際バスでした。幸い、乗客に大きな怪我をした人は居なかったようですが……、
この日中にラオスを出なければ滞在期限をオーバーしてしまう僕にとっては大事故です。心穏やかでは居られません。
救世主登場!
本来であれば、目的地に着いているはずの7月21日7時10分、ルアンパバーン方面からゆっくりとショベルカーがやって来ました。
ラオスにもコマツのショベルカーがあって本当に良かったです。
傾いていたトラックが無事に救出され、引きずられていきました。
そして、中央のトラックもワイヤーで引っ張られ、無事に道路脇へ。
次はいよいよバスの番です。この時になってようやく、中で休んでいた乗客がぞろぞろと降りて来ました。他に行く場所が無いとはいえ、あの傾いたバスでどう休んでいたのか気になるところです。
7月21日8時10分、バス(上写真)は傾いたままでしたが、この時には道路も通行可能になっていたので、僕も自分が乗っていたバスに呼び戻されて出発しました。
雨期のバス移動には御用心
予定より9時間遅れの16時に、バスはフアイサーイのバスターミナルに到着。
すぐにバスを乗り換えてタイの国境へ向かった為、17時前には無事に国境を越える事が出来ました。
あのバスがいつ頃ぬかるみから引き上げられて出発できたのかはわかりませんが、きっとあのバスにも僕と同じく滞在期限ギリギリにタイへ出国しようとしていた旅行者が居たのではないでしょうか。事故に遭うかどうかは運次第なのであまり気を張っても仕方ありませんが、現地の人によると、雨期の山道では道路がぬかるみ、大小問わず時々こうした事故が発生するようです。旅を楽しむ為にも、移動手段を考える時には念頭に置いておきましょう。そして、滞在期限には余裕をもって行動しましょう……。
文・写真:植竹智裕
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