[サバ州立鉄道]無計画に終点まで行ったらこうなった

2014.06.30 18:00 
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たまたま見つけた列車に無計画に乗り込んでみる。そういうことができるのも旅の醍醐味。鬱蒼としたジャングルが広がるボルネオ島のローカル列車で終点まで行ったら、野宿するハメに……。でも、総じて素敵な鉄道の旅になりました。

 

鉄道駅を発見

こんにちは!気ままに旅するライター植竹智裕(うえたけともひろ)です。現在この辺りにいます。
 

 

僕は5月24日から6月3日までボルネオ島にあるマレーシアのコタキナバルという街に滞在しました。目的はラフレシアを見る事でしたが、街外れを歩いていた時に偶然、あるものを発見しました。

サバ州立鉄道というそうです。
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サバ州立鉄道
マレーシアサバ州のサバ州鉄道部が運営しているボルネオ島唯一の鉄道路線。現在は、コタキナバルのタンジュン・アル(Tanjung Aru)とテノム(Tenom)を結ぶ線路を旅客列車と貨物列車が運行している。駅数は13駅(起終点を含む)。軌間:1,000mmで全区間単線・全区間非電化。営業路線距離は134km。

Wikipediaより引用

 

地図で見るとこのようになっています。

 

見つけたからには乗ってみたくなるのが性(さが)。駅で時刻表を貰って、後日乗車してきました。
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乗車レポート(タンジュン・アル~ビューフォート)

始点のタンジュン・アル駅は街の中心部からは5キロ程離れた場所にあります。
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時刻表によると、同日中に終点テノムに行くには午前7時45分発の電車に乗らなければ辿り着けません。早速、切符を買ってみました。乗り継ぎがあるビューフォート駅までの運賃は4.8リンギット(約152円)。
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列車の外観はこの通り、とてもカラフル。
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内部も近代的です。7時45分、定刻通りに列車が走り出しました。揺れも少なく、乗り心地も快適。
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ビューフォートまでの間は幹線道路と並走しているので、あまり景色が変わらず、少し退屈……。
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ビューフォートでの待ち時間は約4時間

午前9時40分、列車は定刻通りにビューフォートに到着しました。
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しかし、ここから終点テノム行きの列車の出発までは約4時間……。どこかで時間を潰さなくてはいけませんが、モスクと、
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鉄橋くらいしか見所は発見できませんでした……。
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土曜日だけモスクの裏で市場が開かれます。おかげで時間が潰せました。
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乗車レポート(ビューフォート~テノム)

12時30分、駅に戻ってみると待合室には人がたくさん。外国人旅行者らしき人は一人もいませんでした。
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ビューフォートからテノムまでの切符は2.75リンギット(約87円)。
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ホームに行ってみると、列車が停まっていましたが、タンジュン・アルから乗って来た快適な列車とは打って変わって、古く、味のある車両でした。
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上から見ると……。
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客車は1両のみ。すぐに満席になってしまいます。
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その為、貨物車にも乗客が乗り込みます。なんとバイクまで……!
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午後1時25分、機関車が現れ、
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連結します。あとは出発を待つだけです。
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午後1時35分、5分遅れで列車が動き出しました。すると現れたのは……
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鬱蒼と生い茂るジャングルと、
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大河!ここからがサバ州立鉄道の一番の見所です。
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ビューフォートからテノムまでの区間はこのパダス川に沿って進んで行きます。
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見ているだけで恐ろしく感じてしまうほどの濁流。
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それを利用して急流下りも行われるようです。
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貨物車の扉に腰かけて風に当たる子供達。
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真似してみました。風が気持ちいい!だけど揺れが激しいのでしっかり掴まらないと振り落とされてしまいそうです。
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時折、線路沿いに現れる民家。それだけではありません。駅でも無い場所で数回停まりました。何かと思って身を乗り出してみると……
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時刻表に書かれている駅とは別に小さな停留所がいくつもありました。
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森の中から現れた乗客。列車がこの辺りに暮らす人々にとって大事な生活の一部だという事がわかります。
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途中のハロギラット駅でまた乗り換えです。
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テノムに到着

午後4時10分、予定から15分遅れで終点テノム駅に到着しました。
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ビューフォート同様、テノムにも特に見所がある訳ではありません。しかし、コーヒーの名産地のようです。
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早速、カフェに入ってテノム産のコーヒーがあるかどうか尋ねてみました。そして出て来たのがこちら。見るからに甘そう……。一番下の白い部分は練乳でした。果たして本当にテノム産のコーヒーだったのでしょうか。
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列車での日帰りは不可能

時刻表通りならばテノム到着は午後3時55分ですが、テノムからコタキナバルへの最終列車の発車時刻は午後1時。つまり、列車での日帰りは不可能です。テノムは観光地では無いので安いホテルは無く、僕は駅前の公園で一泊する事にしました……(良い子は真似しないで下さい)DSCF4204

 

おやすみなさい。
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後日バスターミナルでわかった事ですが、コタキナバルから午前8時発のテノム行きバス(20リンギット、所要4時間)に乗り、午後1時テノム発の列車に乗れば午後7時10分にはタンジュン・アル駅に帰って来られるようです。もっと早く知りたかった……。
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一番の見所は車窓風景

このように、駅の周りが観光地化されてる訳でも無く、交通の便はとても不便な事から外国人旅行客の姿は見かけませんでしたが、大自然の中を駆け抜ける列車の旅は爽快そのもの。

ボルネオ島を訪れた際は是非、地元の住民達に混ざってのんびりと鉄道の旅を楽しんでみてはいかかでしょうか。ボルネオのジャングルは野生生物の楽園、人との出会いだけではなく、もしかしたら思わぬ発見があるかも知れません。
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文・写真:植竹智裕
HP:週刊!植竹智裕の気ままに世界探検ブログ

 


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植竹 智裕
1986年、東京都多摩市生まれ。会社を辞めて早5年、世界一周・旅行記出版を夢に俳優業など手を出しつつゆるやかに資金を貯めてきた植竹、ついに日本を飛び出し世界から色々な体験記をお届します! 帰国後のお仕事のご相談もお待ちしております!旅のオフショットはインスタで。ブログTwitter

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