オヒギンス→アルゼンチン国境-「世界一過酷な国境」を自転車で越えてみた

2013.09.13 18:00 
LINEで送る
Pocket

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

国境26道4空港

アルゼンチンとチリにまたがる「世界一過酷な国境」を自転車(二人乗り)で越えた男がいる。前代未聞の走行を終えて男が抱いたひとつの教訓とは……。

 

タンデム自転車世界一周のsawaです。今回は南米パタゴニアで体験した「世界一過酷な国境越え」をレポートします。

「世界一過酷な国境越え」の舞台はこの辺りです。南米大陸の先っぽ、パタゴニアと呼ばれる地域にあります。

大きな地図で見る

スタート地点は、チリ南部の山間にあるオヒギンス(A)という小さな街。ここから、チリとアルゼンチンの国境(B)を目指します。湖の中を通る白いラインが国境です。

大きな地図で見る

オヒギンスは山間に開けたのどかな街です。
国境1オヒギンス2

家と家の間隔が大きく、道が無駄に広い。典型的なパタゴニアの街並みです。
国境1オヒギンス1

街には小さな商店しかありません。新鮮な野菜などは皆無で、いかに僻地かを物語っています。
国境1オヒギンススーパー

翌日のフェリーのチケットを買うためにオフィスへ。国境を越える前に、まずは、湖の対岸に行く必要があるのです。
国境2フェリーオフィス

週に数本しかないフェリーということで、チケットを求める人の姿をちらほら見ることができました。このルートは日本人にこそ知名度は低いですが、パタゴニアの大自然をトレッキングしながら国境を越えることができるということで、欧米人旅行者には人気のルートです。

国境4フェリーオフィス

オフィス内に自転車を見つけました。我々以外にも国境を自転車で越えようという奇特なサイクリストがいるのでしょうか。
国境3フェリーオフィス

チケットは1人8000円と高い……。手持ちのチリのお金がありませんでしたが、アメリカドルでも支払いが出来ました。もちろんクレジットカードなど使えるハズもなく。
国境5チケット

翌日、フェリーが出る港へ。
国境9港

港というよりはただの桟橋に、すでに数人のサイクリストがスタンバイしていました。
国境10あ自転車

アウストラル街道(パタゴニアを走る有名なルート)の終点を知らせる看板。チリ北部からオヒギンスまで続いてたアウストラル街道もこの湖で途絶えます。
国境10看板

フェリーは本来、湖を周遊するための観光船です。なのでお値段が高いのです。
国境11フェリー

乗客のほとんどは湖を周遊したらオヒギンスに戻る観光客です。
国境12フェリー内

なんと、船の船首が自転車で埋まっています……。何故にこんなにもサイクリストが!?確認しておきますが、これから向う国境はあくまでトレッキングルートです。
国境13フェリー自転車

途中、一人の乗客が小型ボートで岸へ。家でもあると言うのでしょうか。
国境15途中下車

船から猛々しいパタゴニアの山々を眺めます。
国境16フェリー進む

約3時間の優雅な船旅の末、チリのイミグレーション(出入国審査)のある桟橋に到着。
国境17到着

我らがタンデム(二人乗り)自転車も上陸。※後ろに嫁が乗ります
国境18到着荷卸

これから始まる国境越えに備えてランチ。
国境19弁当ランチ

チリのイミグレーションへ
国境21チリイミグレ

無事、チリを出国。それにしても、のんびりした国境です。
国境22チリイミグレ

アルゼンチン側のイミグレーションを目指します。トレッキング道とはいえ、車が通れるくらいの幅があるので一安心と思ったら……
国境23道1

あまりに急な坂道に、自転車を降りてしまいました。これならトレッキングと変わりませんね。
国境24道2

坂を上り切ると、平坦な道になりました。歩いている人たちを一気に抜いていきます。イケイケで漕いでいると……
国境26道4空港

道の先に何かが見えました。
国境27道5看板

ここからアルゼンチンのようです。しかし、車道がぷっつり途切れています……。そう、ここから6kmが世界一過酷な国境の本領発揮だったのです……。
国境28国境の看板

森の中を行きます。至る所に水溜りがあります。
国境30徒歩2

国境31徒歩3

小川にかかる橋を渡り……。
国境32徒歩4川

川を渡るサイクリストも。
国境33徒歩5川

これは……どうしろと言うのですか!?
国境29徒歩1

道という名の長さ約30mの沼。
国境35徒歩狭い道

全く自転車に乗る余地がありません。こんなところを自転車で行こうとしたことが間違ってました……。
国境36徒歩湖

ようやく、アルゼンチン側のイミグレーションがあるという湖が近づいてきました。
国境37徒歩湖2

イミグレーションに到着。
国境38アルゼンチン

時間がかかり過ぎたようで、対岸へのフェリーに乗り遅れてしまいました。仕方なく、今日はここに野宿して明日のフェリーを待つことにします。
国境40アルゼンチン3キャンプ

(サイクリストにとって)世界一過酷な国境越えでしたが、最後はパタゴニアの象徴・フィッツロイ山の雄姿に癒されました。
国境41アルゼンチン4フィッツロイ

翌朝、フェリーが向かえにきてくれました。今回の国境越えで得た教訓は、自転車は山道で担ぐ荷物ではなく、車道を走る乗り物だということです。
国境42アルゼンチン5船

文・写真:hirokazu sawa

 


2018rank
The following two tabs change content below.
デスク
世界新聞の通称「デスク」。株式会社世界新聞代表取締役。これまでに35カ国以上を訪れる。 2011年〜1年間の世界一周旅行へ。ブログ村世界一周ランキング1位。2013年、世界新聞を立ち上げる。 著書に「世界一周できませんと思っていたらできちゃった」(幻冬舎) 海外旅行に関する講演もちらほら。

脳内トラベルメディア - 世界新聞

世界新聞の最新情報をゲット 世界新聞の最新情報をゲット


2018rank

crownRANKING

24時間記事ランキング TOP10

月間記事ランキング TOP10

累計記事ランキング TOP20