ボリビア・ラパスのおばちゃんプロレス、通称「おばプロ」。彼女たちに、本当のヒーローの姿を垣間見ました。
こんにちは。世界をゆる〜く放浪中の旅人、カイリカコです。
ボリビアの首都ラパスで、おばちゃんたちが大乱闘するプロレス、通称「おばプロ」を観てきました。
想像以上に迫力ある熱戦を見せてくれたボリビアのおばちゃんたち。その模様を紹介したいと思います。
「おばプロ」の開催日と会場へのアクセス
おばちゃんたちのプロレスが見られるのは、毎週1回、日曜日の夕方16時〜。
会場はすり鉢状になっているラパスのアッパータウン、El Alto(エル・アルト)地区に位置しています。エル・アルト地区へは、ラパスの中心街があるダウンタウンからケーブルカーを使って向かいます。
ラパスにはケーブルカーが何本も通っていますが、おばプロ会場へは赤いライン(レッドライン)に乗って終点まで向かいます。
ロープウエーを降りたら、駅の目の前にある道(Panoramica通り)を左折してひたすらまっすぐ。
この道では毎週木曜日と日曜日に露天市(ガラクタ市)が開かれていて、ショッピングも楽しむことができます。あまり旅人向けのものが売っているとは言えませんが。
水色:ロープウエーの駅
緑色:Panoramica通り(ガラクタ市)
赤色:おばぷろ会場
ロープウエーの駅を出て10分ほどで会場に到着です。大きな垂れ幕が出ているのでわかりやすい。
会場は試合前から盛り上がる
開場1時間前に到着したのですが、会場の前は露天や小さな遊園地も出ていて、すでにすごい熱気。写真ははちみつ売りの露天。子供達が大行列を作っていました。
開場30分前からチケットが購入できるので、外国人観光客やボリビア人も含めて長蛇の列です。
チケットは一人50ボリ(約780円)。15時半に開場、16時から試合開始です。
今日の試合のフライヤー。ジャイアント馬場のような大男の写真なんかもあって、けっこう本格的。
ついに開場!
15:30の時間ぴったりに開場。なだれ込むように人が入って行きます。
体育館のような場所の真ん中にリンクが設置されていました。けっこうしっかりした造りでした。
地元のボリビア人だけでなく、欧米人や日本人観光客もちらほら見受けられました。
まずは前座の試合から
開場してから30分で試合がはじまりました。まずは前座?なのか、ピエロと悪役レスラーの試合。
メキシコのプロレスでもそうだったのですが、中米のプロレスは空中技が多く、プロレス観戦初心者の筆者でも見ていてとても楽しめました。意外と本格的。
ただ、この前座の試合がけっこう長く、一時間くらい続きました。
ピエロはもう飽きたなーと思っていた、その時…
おばちゃんプロレスラー登場!!
陽気な音楽とともにおばちゃんプロレスラー登場!おばちゃんというより、普通に綺麗なお姉さんです!
チョリータと呼ばれる女性プロレスラーたち。観客に挨拶がてら笑顔を振りまいていきます。観客たちも大きな声援を送ります。
ボリビアの伝統衣装がとってもキュート。ちなみに笑顔もとってもキュート。はてさてどんな試合を見せてくれるのでしょうか。
おばちゃんがボコボコにされる…
てっきりおばちゃん同士で戦うのかと思ったら、相手は悪役レスラーのマッチョ男性。おばちゃん、大丈夫かな…
やはり試合開始早々、悪役マッチョレスラーにやられ放題のおばちゃん。けっこう手加減なく攻撃を受けています。会場大ブーイング。
しかも、なぜか審判(男)も悪役側についておばちゃんを痛めつけます。悪役レスラーと審判で寄ってたかっておばちゃんをいじめる展開に。頑張っておばちゃん!
おばちゃんがキレる
終始やられっぱなしだったおばちゃんでしたが、我慢の限界!といったようでついにブチ切れて反撃開始。
まずはすごい勢いで審判を投げ飛ばし場外へ。首根っこを捕まえて引きずり回します。
逃げ回る審判。容赦なくチョップと蹴りをお見舞いするおばちゃん。悪さをしてしかれる子供とお母さんのよう。審判はおばちゃんにされるがまま、完全ノックアウトされていました。
怒りの矛先は悪役レスラーへ
スカートをまくしあげながらの強烈な飛び蹴りをお見舞い。観客大熱狂。会場は大盛り上がり。
無事、試合に勝利したおばちゃん。華麗に勝利の舞を披露します。さっきまで雄叫びをあげながら男どもに蹴りを入れていた姿からは一変、とってもキュート。
おばちゃんプロレスラー続々登場
ピンクのおばちゃん(お姉さん)レスラーの後も、続々とチョリータたちが登場して白熱した試合を見せてくれました。
どのチョリータたちも、リンク上でまたは場外で、屈強なマッチョレスラーたちに果敢に挑み、「強い女」を存分に披露。やっぱりラテン女は強いのかも。
その勇士を真剣な眼差しで見守る子供達。男尊女卑が激しいボリビアのマッチョ文化の中で、男を蹴散らすチョリータたちは、ボリビアの子供達、とくに女性たちのヒーローなのかもしれません。
ポップコーンをお忘れなく
そんなおばプロですが、ふと開場を見渡すと観客の多くがポップコーンを片手に観戦しています。開場内だけでなく、開場周辺でも多くのポップコーン屋台がありました。
筆者も一袋購入しましたが(2ボリ)、実はこのポップコーン、食べるためだけのものじゃないのです。
その目的は、ズバリ“投げる用” チョリータたちを応援するために悪役レスラーたちにブーイングとともにポップコーンを場投げつけるのがこの「おばプロ」流。
ブーイングとともに大量に飛び交うポップコーンはなんとも面白い光景でした。もちろん、味も普通においしいポップコーンです。
ボリビア・ラパスのおばちゃんプロレス、見ると元気がでた
熱戦は3時間ほど続き、夜の8時頃に閉幕しました。チョリータたちのキュートで力強い戦いぶりを見ていると、なんだかこっちも勇気と元気をもらえたような気がするから不思議。
おばちゃんのプロレスなんて楽しいのかな・・・と半信半疑で来た筆者でしたが、大満足で帰路についたのでした。
おばちゃんたちの勇士が見られるのもこのボリビア・ラパスの会場だけなので、是非ボリビアに旅行に行く際は会場に足を運んでみてはいかがでしょうか。
以上、ボリビアよりカイでした。
カイリカコ
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