バス一律8円のモルドバで9万円かけて参加したボランティアで、思うことがありました。
モルドバってどこ?
こんにちは!自称マジシャンせがわーるどです。大学で勉強しているロシア語を使い旧ソ連諸国を周り、ボランティア活動を続けてきました。
今回は僕がモルドバで従事していたボランティアとそこで成し遂げられたことについてお話しさせていただきます。
まず、この国について聞いたこともない方がほとんどだと思います。僕も旧ソ連旅を始めるまで全く聞いたことのない国でした。
(旧ソ連だけ旅する連載のバックナンバーはこちら)
モルドバは東ヨーロッパに位置する共和制国家。内陸国であり、西にルーマニアと、他の三方はウクライナと国境を接する。旧ソビエト連邦を構成していた国家の一つであった。外貨獲得源としてワインの生産が盛ん(Wikipedia参照)
因みにヨーロッパ最貧国であり、バスが一律8円だったりとかなり安いです。
モルドバでボランティアするには?
今回の児童養護施設のボランティアは、NGO NICEという団体を仲介して申し込みました。
NGO NICEは約100か国でボランティアを提供しています。興味ある分野、国、期間を選び、自分に合ったボランティアに巡り合えます。
僕はロシア語を使って子どもに携わりたかったため、今日ご紹介する児童養護施設でのボランティアを選びました。
NGO NICEを通してのボランティア申し込み方法
NGO NICEでボランティアを見つけたら、参加希望動機(日本語と英語)などの必要事項を埋めて送信。あとは受け入れ許可が出るのを待つだけです。
料金は期間などにもよりますが、モルドバの場合、1か月のボランティア活動&宿泊施設(シェアルーム)&朝昼晩3食ぶんのお金がついて、総額9万円でした。
モルドバにしては少し高い印象を受けました。(NICEに払うお金36000円、現地のNGO団体に払うお金54000円)
他の国のボランティアならあと3万円は安くなると思います。
児童養護施設について
ボランティアは平日のみで、12:00~17:00までです。ワーク内容は来てすぐに幼児に対しての食事介助をさせてもらっていました。この施設には常勤のママさんが10名ほどいて基本的にその人たちの指示に従います。
ママさんの食べさせ方を参考にすると、どうやら食べさせるのではなく口に放り込むようです(笑) 無理やり嫌いなものを口に放り込むのは気が引けますが、栄養を取らせるために必死で放り込んでいました。
この施設には2歳から16歳くらいの15名ほどの子どもたちが暮らしていました。それぞれ、親に虐待を受けたり、捨てられたりと複雑な事情を持つ子ばかりです。しかし、そんなことを抱えながらも子どもたちは毎日「ゆーき、ゆーき!」(僕の本名)といってじゃれついてきます。
お昼寝の時間
食事が終わると3時までお昼寝の時間です。基本的に子どもたちは自分の部屋を持っています。 大きくなると一人部屋が与えられますが、小さいうちは共同部屋です。僕は3人部屋の幼児の寝かしつけ担当でした。
唯一この時間のみ、頼れるママさんたちから離れての一人での務めとなります。1人ならまだしも3人となったらなかなか寝付いてくれず、一人ベッドに運んだらまた一人、ベッドから抜け出し……といたちごっこ状態でした。
この時間だけは本当に労力がいりました。
結局のところ、3人一気に寝かしつけられたのは数回くらいしかありませんでした。キッチンまで逃げ出します。この時期は寝るより走り回りたいですよね、わかるよ(笑)
そこから3時のおやつタイムで再び食事介助をして、あとは終業時間まで外で遊んで家に帰る、というのが僕の一日でした。非常にやることが詰まっており大変ですが、終わったときの解放感は素晴らしいです。
ボランティア体験を終えて
おしっこをかけられたり、食べたものを吐き出されたり、汚物の処理もさせられて正直嫌になることも多々ありましたが、めいっぱい面倒を見て笑い合うことができ、日々距離を縮められました。
1か月という時間を共に過ごした分、僕には母性のようなものが宿っており別れるのが本当に辛かったです。
彼らのために目に見える形として残せたものはありませんでしたが、信頼というものを残せたのではないかと思っています。自己満足かもしれませんが、他者に影響を与えられるという意味では、旅先のボランティアというのも有意義だと思います。
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