ベルリンのゲイ博物館に日本のアレがあった

2016.03.30 11:00 
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海外には様々なテーマの博物館がありますが、ベルリンになんと…「ゲイ博物館」なるものがあります。「日本のゲイ漫画」コーナーにはゲイ専用の日本のアレ(写真)も…。クールジャパン、ゲイ漫画に極まれり。

 

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聖地ベルリンにある「ゲイ博物館」

世界新聞・編集部のがぅちゃんです!

ゲイホステル」、「世界最高峰のゲイクラブ」、「ヨーロッパ最大のゲイのSMの祭典」が存在するゲイのメッカ、ベルリン。「世界の最重要ゲイ施設」と名高い「ゲイ博物館」にて「ゲイのスーパーヒーロー展」が開催中ということで行ってきたのですが…そこで見たのは、X-menやバットマンに混じって紹介される「日本のゲイ漫画」でした…!

まさか日本のアレを博物館で拝む日が来るとは…

 

「ゲイ博物館」(Schwules Museum)とは

Schwules Museum

 

1985年創設の「Schwules Museum」は世界初のゲイの博物館。ゲイの歴史や文化を取り扱う施設としては世界最大であり、その調査内容などから最重要施設と位置づけられる。WikipediaHPより

 

​入館料:一般7.5ユーロ(950円)
営業時間:
火:休館
日月火水金土:14-19時
木:14-20時

アクセス:地下鉄のU2線「Nollendorfplatz」より徒歩5分(詳しくはHP

※展示室での写真撮影は禁止。今回は特別に許可を得て撮影させていただきました。

 

ゲイ博物館に潜入!

外観はこんな感じ。入り口付近には…

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「ゲイのスーパーヒーロー展」の看板が。よく見てみると…

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「SUPER QUEEROES」というタイトル…「QUEER」(ゲイ)と「HEROES」(ヒーロー)をかけた、とんちの利いたネーミングでした。

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「ゲイのスーパーヒーロー展」(Super Queeroes)は、ヨーロッパ初の試みとして、新たな切り口でゲイ漫画を紹介している。X-menやバットマンといった主流漫画だけでなく、「ゲイキャラクター」、「ゲイ目線のストーリー」、「現実世界でヒーローと呼べるゲイの人々」なども紹介している。開催期間は1/22〜6/26(2016) HP参照。

 

レセプションにはオシャレなバー

受付はこんな感じ。ちょっとした売店の他に…

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小洒落たバーも併設されていました。奥の壁には…

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ゲイ・アートの装飾。アンダーグラウンドな感じが全然しないのが新鮮でした。DSC_0012

 

散策もそこそこにいざ…!

 

ゲイのスーパーヒーロー展に潜入!

なんともポップで爽やかな展示室には…

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子供達の姿も!(写真右奥)彼らはイギリスから修学旅行でここに来たそうです笑

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本題に入る前に…

 

ゲイ・トリビアが学べた展示5選

「ゲイのスーパーヒーロー展」では、ゲイにまつわるキャラクター、漫画、作者など、多岐に渡る作品がテーマ別に展示されていました。せっかくなので、ゲイ・アートについてちょっと学べた展示5選をさらっと紹介します!

 

1、切手になったゲイ・アーティスト

フィンランドの郵便局が、アーティストに敬意を表して販売した切手のデザインがこれだそうです。

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@「トム・オブ・フィンランド」(TOM OF FINLAND)の展示コーナーより

 

トム・オブ・フィンランド(TOM OF FINLAND)はフィンランドの画家。筋骨隆々で逞しいゲイを描き、ひ弱で軟弱なゲイのイメージを覆した。同性愛者の性的イラストの新しいジャンルを切り拓いた先駆者であり、世界各国の芸術に影響を与えた。Wikipedia参照。

…ゲイ・アート界の手塚治虫みたいな感じでしょうか。

 

2、メジャー漫画初の同性婚は「x-men​」

右が『x-men』の作中で同性婚した登場人物ノーススター(North Star)。

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@「スーパーヒーローズ」(SUPERHEROES)の展示コーナーより

 

2012年6月に出版された「Astonishing X-Men #51」の表紙は、メジャー漫画界初の同性結婚の描写となった。Wikipedia参照。

 

3、黒人初のゲイ・ヒーロー

右が黒人初のゲイ・ヒーロー「ブラウンボンバー」(Brown Bomber)。左はレズビアンの友達だそうです。

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@「インディーズ・コミック」(INDEPENDENT)の展示コーナーより

 

4、コンドーム推奨の「コンドマン」

「コンドームを使え!」って言ってます笑

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@「エイズと戦う戦士達」(AIDS-FIGHTERS)の展示コーナーより

 

5、いちゃつくバットマンロビン

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@「ゲイの読解」(QUEER READING)の展示コーナーより。

 

既存のキャラクターをホモエロティックな目線で見るという行為が「スラッシュ・フィクション」の誕生に繋がった。「QUEER READING」の説明文より。

…こういうふうにゲイの読者は妄想してたっていう、いたって真面目な展示でした笑

 

「日本のゲイ漫画」コーナーを紹介する前に…!

 

「ヒーローとしてのゲイ漫画家」の展示コーナーには日本人

紹介されていたのは田亀源五郎(たがめげんごろう)というアーティスト。

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彼についての説明までありました…

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要約:アジアで最も著名なゲイ漫画家であり、日本のゲイ漫画界のパイオニア。サドマゾヒスティックな作風で知られる。田亀源五郎が創刊に関わったゲイ雑誌『G-men』のコンセプトは「マッチョな男のファンタジー」であり、若い女性に人気な「やおい」に対極するものである。2015年には、ゲイの家族について描いた一般向け漫画『弟の夫』が第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞した。

 

田亀源五郎に関連する作品もいくつか展示されていました。

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本人が創刊に関わったゲイ雑誌『G-men』や…

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最近何かと話題の『弟の夫』もありました。

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『弟の夫』は、田亀源五郎の漫画作品。『月刊アクション』(双葉社)にて2014年11月号から連載中。小学生の娘・夏菜とその父・弥一と、彼の弟の結婚相手のカナダ人男性・マイクが織りなすホームドラマ。第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。Wikiepdia参照。

 

「ゲイ博物館」で日本人が紹介されているのは意外でしたが、驚くのはまだ早かったのです…

 

「日本のゲイ漫画」コーナー

ずらっと一面「日本のゲイ漫画」が展示されていました。展示説明には…

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日本の「ゲイ漫画」についての説明がびっしり。

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要約:少年同士のラブストーリーは「やおい」と呼ばれ、主に女性読者がターゲット。レズビアンバーションは「百合(ゆり)」と呼ばれる。「田亀源五郎」や「児雷也」といった、ゲイ漫画界のパイオニアが存在し、彼らは異性愛優位のシーンを乗り越えるべく筋骨隆々な大人の男性同士のセックスを描くも、主流からは未だにタブー視されている。

…まさかベルリンのゲイ博物館で日本の漫画について学ぶとは…!

 

「百合」&「やおい」の漫画に…DSC_0135

 

レズビアンの母2人による子育てエッセー漫画『お母さん2人いてもいいかな!?(中村珍)』…

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先程の「田亀源五郎」特有の描写の展示もありました。

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ゲイ漫画でもフィストファック描写は稀。

…なんとも冷静なキャプションに感心してしまいました笑

 

「日本のゲイ漫画」コーナーにアレが…!

異様な存在感を放つ立体作品。よく見てみると…

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500mlのペットボトルより一回り大きい物体に、逞しい男性2人のイラスト…これは一体何?説明を読んでみると…

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…マ、マスターベイター…。キャプションを訳すと「漫画キャラクターと自慰」…!実はこれ…

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まさかの「TENGA」でした…!ゲイ漫画家「児雷也」のイラストとコラボレーションだそうです。というかゲイ専用の「TENGA」ってあるんですね…

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同じデザインのシャツも展示されていました。強そう…

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クールジャパンをじわじわ感じた

ゲイのメッカ・ベルリンの「ゲイ博物館」で「ゲイのスーパーヒーロー展」…正直、面白半分で乗り込んだものの、結果としてガッツリ食いついてる自分がいました…笑 イラストだけでもそこそこ楽しめたので、飽きのこない展示でした。

そして何より、日本の漫画が海外で人気とは聞きますが、「ゲイ漫画」というマイナーな部分でも評価されているという事実には素直に感動しました。

「ゲイ博物館」でTENGAを見てクールジャパンを味わうとは…!

 

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がぅちゃん
イスラエル・テルアビブ在住のネイティブ京都人。京都市立芸術大学卒業後、米国人の同性パートナーとベルリンに移住し、ライターとして活動を開始。世界新聞2代目編集長。日本、イギリス、カナダ、ドイツでの生活経験がある。▶︎ブログ ▶︎youtube ▶︎twitter

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