インドで内臓を盗られかけた話

2015.10.08 21:00 
LINEで送る
Pocket

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

13

インドの病院に入院したら、無駄に胆のうを全摘出されそうになったという嘘のようなホントの話。

 

実は、胆のうにポリープがあるデスクです。

 

インド入院エピソードのクライマックス

海外旅行でもっとも避けたいトラブルのひとつに「病気」があります。勝手が分からない異国で病気になり、ましてや入院なんかすれば、「もう旅なんかしない絶対」と貝のように心を閉ざしてしまうことでしょう。

 

僕が世界一周中にインドでマラリアにかかり入院したことはいくつか記事(下記)にしてきましたが、今回がクライマックスです。インド入院生活の終わりに、衝撃の展開が待ち受けていました。

インドで1週間入院した僕を驚かせた5つのエピソード

インドの病院に入院したら3食カレーだった話

GIVE AND TAKEな話

 

はじまりは突然…

僕が入院したのはインドのコルカタにある大きな病院。
入院初日〜2日目こそ、マラリアの苦しさにベッドの上で喘ぐだけだったのですが…

PA270867

 

3日目にはこーんなことができるまでに回復しました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

そして4日目、ほぼ全快した僕は、キレイな病室でカレー三昧の生活を送っていました。ネットも使い放題ですし「当分入院してもいいかも」と思い始めた頃、医者が僕の病室にやってきたのでした。

PA300946
インドの病院食は3食カレーでこれがまた美味い

 

ポリープが見つかったぞ

13

 

「日本人、ポリープが見つかったぞ」

 

医者は僕にそう告げました。僕は突然のことに「ポリープっておっさん(当時29歳)にできるやつ?なんで?」と狐につままれたような感じでした。

 

よくよく聞いてみると、マラリアがらみで受けたエコー検査で胆のうにポリープが映っていた(上写真)みたいなんです。
で、ちょっと不安になってネットで調べてみると、胆のうポリープって大半はたいしたことないらしいんですね。エコー受けたら結構見つかるらしくて。
医者も「今は全く問題ない。3ヶ月後に検査して経過を見ればいい」って言ってたので、のんきに構えてたんですけど……。


14
こちらが診断書。僕のポリープは3〜4mm

 

胆のう、取っていけよ

PA280874
インドの看護師さん

 

すると退院前日、医者がやってきて言いました。

医「で、どうするんだ?」
僕「何が?」
医「ポリープだよ」

そして次の瞬間、医者の口から思いもよらない言葉が…。

 

医「ここで手術していけよ」

 

僕「は?今どうこうって話じゃなかったよね」
医「でも、あと9カ月も旅するんだろ。医療設備のないところで痛くなったりしたらどうする?知っての通りインドは医療大国だ。安心しろ」

 

僕「手術ってどのくらいで退院できるの?」
医「3日で退院できる」
僕「ポリープを取るってこと?」
医「いや、取り出す」
僕「ポリープを?」
医「胆のう全部だ」
僕「……」

確かに後でネットで調べてみると、胆のうって手術するとしたら全摘出になることが多いみたいなんです。

 

あえなく一時帰国

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
右がポリープを宣告した医者

 

この先、謎のポリープを抱えて旅をするくらいなら……。

いやいや、ありえない。

インドで胆のう全摘出とか狂気の沙汰ですよ。しかも奴ら、それを「一杯やってく?」みたいなノリで言ってくる。退院の前日になって手術を薦めてくることも解せない。

 

ただ、ポリープを見つけてしまった以上、どういうモノなのかはっきりさせたい。でも、インド人は信用できない……。分かりますか?この身を焦がすようなジレンマを。
という訳で、日本で診てもらうことにしたんです。まだインドでそう遠くもないですし(当時、西回りで世界一周中)。
こうして退院から2日後、僕は緊急帰国を果たしたのです。

そして、日本では衝撃の事実が待っていました。

 

ハメられた

僕は、地元の病院で洗いざらい事情を話し、再度エコーをとってもらいました。

そして、僕のエコー写真を見ながら医者は言いました。

「言いにくいんやけどなぁ……ポリープ見つからんかったわ」

腰ぬかしそうになりましたよ。
いわく、「はっきりポリープと確認できるモノはなかった」と。「もしかしたらポリープがあるのかもしれないが、それはエコーに映るか映らないかの問題にならないレベルのシロモノ」だということです。「そういうモノがこれから大きくなる可能性はほとんどないし、心配なら旅から帰ってくる9ヵ月後に検査すればいい」と。

 

15
日本の病院からもらったエコー検査結果

 

医者ははっきり言いました。

「今の状態で手術する人はいない」

まんまとインドの医者にハメられました。僕は海外旅行保険に入っていたから、僕が医療行為を受ければ受けるほど、保険会社から病院に金が落ちる。たまたまエコーにポリープらしきものが写ったことをいいことに「金が取れる」と手術の口実にしたというところでしょうか。そう、僕はカモにされかけたのです。

無駄に旅を中断することになったことへの怒りと悔恨に「もう、インドなんか行かないやい!」と思っていたのですが…

 

ポリープありました

P7180031
帰国直後、実家の前で

 

9ヶ月後、帰国して念のため違う病院で看てもらったら、ポリープ、ありました。

 

しかし、やはり「放っておいて大丈夫」とのことで、僕の胆のうを盗ろうとしたインド人医師の罪は消えない訳です。

今、胆のうがある喜びを噛みしめて筆をおきたいと思います。

 

関連記事もどうぞ

インドで1週間入院した僕を驚かせた5つのエピソード

インドの病院に入院したら3食カレーだった話

GIVE AND TAKEな話

 

 


2018rank
The following two tabs change content below.
デスク
世界新聞の通称「デスク」。株式会社世界新聞代表取締役。これまでに35カ国以上を訪れる。 2011年〜1年間の世界一周旅行へ。ブログ村世界一周ランキング1位。2013年、世界新聞を立ち上げる。 著書に「世界一周できませんと思っていたらできちゃった」(幻冬舎) 海外旅行に関する講演もちらほら。

脳内トラベルメディア - 世界新聞

世界新聞の最新情報をゲット 世界新聞の最新情報をゲット


2018rank

crownRANKING

24時間記事ランキング TOP10

月間記事ランキング TOP10

累計記事ランキング TOP20