こんにちは!極貧バックパッカーの植竹智裕(うえたけともひろ)です。世界一周中の僕は、現在この辺りに居ます。
「フュージョン寿司」への戸惑い
さて、外国人にとって有名な日本料理のひとつである「スシ」。しかし、海外ではカリフォルニアロールやフィラデルフィアロールなど、日本の「寿司」とはかけ離れた食べられ方をしているのはご存知の方も多いことでしょう。これを日本の寿司と区別してフュージョン寿司と呼ぶそうです。こちらはアルメニアで見つけた日本食レストランの広告。カラフルな巻き寿司が山積みにされ、更にオレンジで区切られています。まず日本では見ない組み合わせです。
早速入ってみましたが、どれも高くて手が出せず……。寿司を断念して頼んだ皿うどんは日本人でも食べ方が分からない謎の盛り付け方で出て来ました。寿司だけでなく、やはり海外で「日本食」だと思われているものってちょっと変!というか、やっぱり寿司が食べたい!
そんな僕の欲求を満たしてくれる場所をウクライナで発見しました!
ウクライナとは
「東ヨーロッパの国。歴史的・文化的には中央・東ヨーロッパの国々との関係も深いが、ソビエト連邦内の構成国で1991年ソ連崩壊に伴い独立。首都はキエフ」(Wikipediaより引用)
フュージョン寿司が思いのほか美味い
なんとウクライナでは寿司レストランがチェーン展開していて、比較的安価で食べられるんです。僕が寿司を食べに入ったのがこちら。首都キエフを中心にチェーン展開するSushiyaです。
店内はモダンな装飾がしてありますが、所々に松の盆栽など日本っぽい要素が組み込まれています。
お箸を使い慣れないお客さんでも握りやすいように、お箸にも輪ゴムで細工がされていました。
カウンターがある訳でも、ベルトコンベアで回って来る訳でもなく、ここではレストラン形式でメニューを見て注文します。
「グリーン・ドラゴン」
鰻(うなぎ)が食べたい気分だったのでまず注文してみたのがこちら。鰻・玉子・キュウリの巻き寿司に更にアボカドが巻かれ、甘だれがかけられています。その名も「グリーン・ドラゴン」。めちゃくちゃ強そうなネーミングですが美味でした(約452円)。
「チーズとアーモンドの巻き揚げ寿司」
そしてもう一品、興味本位で頼んでみました(約246円)。なんとチーズとアーモンドを巻いた寿司を天ぷら粉で揚げてあります。「どうして揚げた!?」と叫びたくなりますが、
食べてみたらなかなかの美味でした。この驚きと新しさに満ちた体験が、その後のウクライナでの生活を寿司漬けにしてしまったのです。もっと知りたい!もっと食べたい!
3日連続で通い詰めたお店
場所は移ってウクライナ西部のリヴィウ。世界遺産に登録されている旧市街にも寿司レストランはありました。
それがこちらのYapiというお店。
店内は透明なテーブルに透明なイスが配置され、モダンを通り越して近未来的。日本的な要素は皆無です。
カウンターはこのようになっています。見た限り、日本人をはじめ、東洋人が働いている様子はありません。
豊富すぎるメニュー
こちらはSushiyaよりもメニューが豊富でした。ここで一部ご紹介したいと思います。まずは寿司の盛り合わせ。盛り付け方も含めて、もはやアート。
チーズスープがある事に少し違和感を感じますが、茶碗蒸しのような物や、味噌汁、天ぷらうどんなどもありました。
寿司と一緒にカクテルを飲む人もいるようです。寿司にはビール派の僕にとっては信じ難い組み合わせですが、ビールですら江戸時代の人からしたら邪道なのかも知れませんね。
思わずほっとしてしまう「普通の」握り寿司もありましたが、今回は心を鬼にして変わり種を中心に頼んでみましょう。
ネーミングが適当過ぎる!
「ヤクザ」
僕がネーミングで頼んでみたのがこちらです。サバとネギ、めかぶが入ったこちらのお寿司。その名は「ヤクザ」(約309円)。素材もイメージも無関係な気がするのですが……。ただ、めちゃくちゃ美味しかったです、ヤクザ。
「ヤサイ」
こちらは人参と林檎のマーマレードを豚肉で巻いてからしをかけた「ヤサイ」(約240円)。野菜の要素は感じられませんでした。その他にもヒミツやホッカイドー、バクダン、スパイシークレイジーなど聞いただけでは想像出来ないネーミングの寿司が沢山ありました。
魚が入っていない寿司たち
「カルパッチョ」
豚肉を使った寿司をご紹介しましたが、中に魚が入っていない寿司は他にもありました。手前に載っている赤いお寿司はチーズとキュウリ、牛肉を使った「カルパッチョ」(約275円)。
「トロピコ」
そして、見るからに怪しげなこちらのピンク色のお寿司。なんとパイナップルのシロップ漬けとチーズ、鶏肉を巻いた「トロピコ」というお寿司です(約355円)。素材それぞれは普通なのに人為的にわざわざゲテモノを作り出してしまったような一品です。
初めて食べる異色の組み合わせと初めて食べる味、そしてケミカルなピンク色の見た目……さすがに衝撃が隠せません。
しかし!3つも食べると衝撃を通り越して美味しく感じられるから不思議。最後まで外側のピンク色の素材の正体は分からず。
デザートに天ぷら!?
さて、食後にはデザートでも食べてみましょう。日本の回転寿司でも時々プリンやケーキが流れて来て、ちょっと違和感を覚えていたのですが……メニューのデザートのページを開いて目を疑いました。なんとバナナの天ぷら(約200円)があったのです。
ちなみに最初に行ったsushiyaではパイナップルの天ぷらの蜂蜜がけ(約235円)という色々とおかしな天ぷらもありました……。
気付がつけば大好物
日本の寿司とは全く別物と言っていいほど変貌を遂げたウクライナのフュージョン寿司、初めは好奇心から食べ始めたものの、気付けばすっかり大好物になり、ウクライナ滞在8日間のうち4回も通ってしまいました。
外国人がこれを日本食だと思って食べているのかと思うと少し複雑ですが、カレーライスやラーメンなどオリジナルとはかけ離れた形で進化を遂げるのも料理の一つの形。文化を逆輸入する形で、いつか日本でもフュージョン寿司が手軽に食べられる時代が来るかも……?僕はそんな日が来るのが楽しみでなりません。
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