20歳の女子がオーガニック農家で学んだことは…トラクターの運転だけではありません 笑
ニューヨークにオーガニック農家?
はじめまして。現在、ニューヨーク州に交換留学中のヒデです。
日本生まれ日本育ちの私はアメリカと言えば…肉食、というイメージがとても強くありましたが、ここニューヨーク州になんと、オーガニックの肉牛農家があるというのです。2週間実際に滞在し、衣食住を共にして農作業を手伝いながら食について学び、経験を積んできました。
ニューヨークと聞くと、NYCを思い浮かべる方も多いと思いますが、実はニューヨーク州はとても広いのです。今回お世話になった農家はニューヨーク州都のアルバニーのはずれに位置しています。アルバニーからNYCまでは片道バスで3時間強、気候ももっと寒く、雪が多いです。
ストーブでシチューを温める
農家のドアを空けた瞬間、原始的なストーブがお出迎えしてくれます。このストーブが家に2個あり、家全体を温めてくれます。つかう薪は敷地内の森から伐採し、燃料として使われた後に出る灰は肥料としてまた森に返されます。家の構造上、太陽の光をうまく利用していて、また、ストーブの威力も強く、お湯やシチューを温めるのにも使えるので、農場と家の全てを含めて電気代は月々1万円しません。
シチューを温めなおす、ホストファーザー。材料の全てが新鮮でオーガニックのシチューは味付けがシンプルなのに絶品でした。
なんといってもとても寒かったです。基本的に毎日マイナス20度前後でした。農作業は基本的に屋外なので、防寒対策をしっかりする必要があります。
オーガニック農家のある1日
ニューヨークのオーガニック肉牛農家の人はどんな生活を送っているのでしょうか。ある晴れた1日を覗いてみたいとおもいます。
オーガニックの卵を5個も使ったオムレツ
朝7時ごろには起床、コーヒーを飲みながら朝日の一部始終を見届けます。所有している敷地が広いので地平線から毎朝太陽が昇るのを見ることが出来ます。今日もいい天気!
外での力仕事が待っているので朝食はとても大切。良いスタートが切れるように、朝食のメニューは必ずお気に入りをチョイスするそうです。この日はフワッフワのオムレツでした。
近所の農家から直接もらったオーガニックの卵を5個も使ったオムレツは人生の中で1番美味しかったです。フワフワに仕上げるためにヨーグルトを少し入れるのがミソだそう。
いざ、農作業
だだっ広い敷地が果てしなく広がっています。雪の無くなる5月は緑が生い茂っていてとても生き生きしているそうです。ちなみに、この敷地は牛の飼料の穀物を作るための敷地です。
60歳過ぎのファザー1人で牛約50頭を面倒見ています。この牛たちはまだまだ1部に過ぎません。実際に世話していると1頭1頭性格が違ってとても可愛らしかったです。
雪の日を除いた2週間、毎日地平線から昇り、沈む太陽を眺めていました。今日も1日お疲れ様。どんなに重労働でもこの数分間、太陽を眺めることで自然と笑顔になれて、また頑張ろうって思えます。
オーガニック農家のディナーまとめ
ご飯は基本的に毎食自炊します。オーガニック農家だけあって、化学調味料や冷凍食品はなかなかキッチンには見当たりませんでした。一方で食卓に自分の農地で育てたお肉が上がることが多々ありました。ジューシーでとても美味しいかったです。そして何より、自分が農作業をしていて大変さを感じているだけあって1食1食にありがたみを感じました。
大きな肉の塊を3時間以上オーブンで調理して仕上げました。野菜やコンソメスープの味が染みていて美味しかった。
お豆と野菜がたっぷりのチリ、グツグツ長時間煮込みます。時間が経てば経つほど味が染みて絶品。
アメリカで代表的な、ピザ。家のオーブンで焼くピザはもはやファストフードやジャンクフードではなく、立派な料理でした。
牛肉100パーセントバーグ。ジューシーで新鮮なお肉は食べ応え抜群なのに重くなかったです。
自分が食べているものと向き合う
今回滞在して思ったのは、農家であることは決して楽ではないということ。今当たり前に食べているそのご飯の裏には動物の命、自然の恵み、農家の人の努力があります。
ホストファーザー、マザー、そしてファーザーのお姉さんです。
自然と生き物相手の仕事ですから、天候によってもやれることやれないことがあります。また、予期せぬ事態も突然訪れたりします。毎日頭も体もフル回転させています。それもこれも、美味しい安全なお肉のため。辛いこともあるけれど、家族や友達との穏やかな時間や、自分自身のマネジメントをとても大切にしていることがわかりました。
日本には「いただきます」「ごちそうさま」という昔からの食に感謝する習慣があります。もう一度、自分が食べているものと向き合ってはいかがでしょうか?
文:写真:HIDE
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