海外に旅に出て、お金がない、やることがないという時はひたすら一方向に歩いてみることをオススメします。
やることが無い!
こんにちは!極貧バックパッカー植竹智裕(うえたけともひろ)です。世界一周中の僕は、10月21日から11月12日までネパールに滞在しました。
当初は11月4日のビザ期限(15日目)を機に、次の国へ行く予定だったのですが、安い航空券が無かったのでビザ延長を決めました。その為、首都カトマンズでの滞在が1週間長引く事になったのですが……やる事が無い!初めの二日はパソコンをいじったり、携帯でゲームをしたりと、ほぼ外に出ない生活を送りました。やる事はありませんが、何だかもったいない気もしてしまいます。
ネパールの観光地は高い
どこかに出かけようにも、ネパールでは観光名所の入場料がなかなか高めです。1時間半歩いて辿り着いたパタンのダルバール広場は王宮やヒンドゥー教の寺院など古い建物が並ぶ風光明媚な場所ですが、1週間有効の入場券が500ルピー(約605円)でした。もっと安い一日券も作って頂きたい……。
カトマンズにあるもう一つのダルバール広場。こちらも1週間有効で750ルピー(約825円)だったので、中には入りませんでした。
極めつけはパシュパティナート。こちらはネパール最大のヒンドゥー教寺院であり、火葬場が観光名物になっている場所ですが、なんと入場料は1000ルピー(約1100円)。
貧乏バックパッカーには致命的な金額だったので、遠くから写真だけ撮って引き返してきました。
これらのお金がかかる観光名所に行かずに、どうやって残りの日々を過ごしたらいいのか……そこであるゲームを考え付きました。その名もそのまんまゲームです。以前、現地人のクチコミを頼りに旅をする方法(参考:ガイドブックを捨てよ、冒険へ出よう インド編)を紹介しましたが、今回は完全に一人プレイです。
ルール
基本的なルールは簡単です。何処かを起点にしてひたすら一つの方角に歩き続けるというもの。何かがあるかも知れません、何も無いかもしれません。それは行ってからのお楽しみです。更に楽しむ為に幾つかルールを作りました。
・(貧乏バックパッカーとして)入場料がかかる所には入らない。
・(記者として)絶対に一つは面白い場所を見つける。
・(冒険家として)往路は地図を使わない。帰りはGoogleマップを見ながら極力違う道で帰って来る。
まず一日目はズバリ……そのまんま東です。それでは元気よく行ってみましょう。
そのまんま東
一日目はこの辺りまで歩きました。
この日は昼前に出発して、途中に空港があったので、着陸直前の飛行機を真下から眺めました。僕の場合、距離重視ではなかったので、こうして途中で気に入った場所があったら、のんびり座って景色を眺めていました。
まず観光客が訪れる場所ではありませんが、今にも吹き飛ばされそうな家のすぐそばで飛行機が離着陸する光景は、考えさせられるものがありました。
空港の北にある丘から、ヒマラヤの山々も見られました。それだけではありません、手前には白い半球状の建造物が見えます。「あれは何だろう?」そんな好奇心から、次の興味の対象が生まれる楽しさもあります。
そのまんま西
西はこの辺りまで歩きました。
目の前に現れた山。どうやら上り坂は避けられそうにありません。
最終的には住民しか通らないであろう階段や斜面をよじ登り、山の上で仏教の僧院を発見しました。
そのまんま南
南はこの辺りまで歩きました。
道路と小川にかかる吊り橋。普通に通り過ぎましたが、よく考えてみると不思議な光景なので引き返して撮影しました。
車の進入を防ぐ為でしょうか。大がかりなバリケードが張ってありましたが、住民に続き、僕も通りました。
ゴミの集積場でした。鼻を突く臭いとおびたたしい数のカラスと犬とハエ……また訪れたい場所ではありませんが、地図を見ながら大通りを歩いていたのでは決して見られない光景でした。
そのまんま北
北はこの辺りまで歩きました。
この日は東に行った時に見たヒンドゥー教寺院をスタート地点にしました。
北に歩くとネパール最大の仏塔であるボダナートに辿り着きました。東に行った時に丘の上から見えた白い半球状の建造物の正体です。
入場料がかかるので入らないつもりでしたが、脇道の商店街から敷地内に迷い込んだら、入場料はかかりませんでした……。
最後は山の上のコパンという村にある僧院に辿り着きました。瞑想の時間との事で入場は出来ませんでしたが、他の外国人が何人も入って行きました……何か特別な予約が必要だったのでしょうか?そして僧院の入り口にATMが設置してあるという事はお金がかかるのでしょうか?謎は深まりますが……、
そのまんまの風景が特別な思い出
「そのまま歩き続ける」という行為に特に必要な道具はありません。朝早く起きて、どれだけ遠くに行けるかトライしてみるのも面白いでしょう。近くでどれだけ面白い物や美味しい料理を見つけられるかをルールにするのもいいでしょう。
このゲームの利点は、既に有名なスポット以外にもアンテナを張れる事です。普通の観光名所じゃ物足りない方(お金が足りない方)、やる事が無くなってしまった方には是非おすすめの旅の方法です。普段は埋もれてしまいがちな何の変哲も無い風景があなただけの特別な思い出になるかも知れません。
文・写真:植竹智裕
HP:週刊!植竹智裕の気ままに世界探検ブログ
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