世界一周しながら味噌汁を各地でふるまう様子をお届けする連載MISO SOUP IN THE WORLDの第8回は、イラン編です。
美しい絨毯を世界に誇る国イラン
こんにちは!味噌玉と一緒に世界一周中のmiaです。
今回味噌汁を作ってきた国は、長い歴史と、その過程で作られ続けてきた美しい絨毯を世界に誇る国、そう、イランです。
イランは古くから文明が栄え、現存する世界最古の2500年前の絨毯を持ち、絨毯を生産しつづけた国なのです。現在でも、世界で生産される手織り絨毯の4分の3はイラン産といわれ(Wikipedia参照)、その圧倒的な美的印象から「ペルシャ絨毯が欲しい!」という方もいらっしゃることでしょう。
(マシュハド・カーペット美術館展示品)
絨毯は生活の一部
イランでは、絨毯は生活の一部になっており、イラン国内の生産量や絨毯産業に携わる人口の多さが想像できます。例えばモスクを有する施設の中庭には、巨大な面積に絨毯を敷く準備がしてあります。
お祈りをするのも絨毯の上。
電車の床に敷いてあるのも絨毯で、
バイクのシート部分が絨毯仕様になっていたり、
路上の売り子も絨毯の上で商売とその用途も様々です。
絨毯コレクターとの出会い
そんなお国柄だからか、今回出会ったバリさんというイラン人男性の職業は、絨毯売買の仲介人兼、絨毯コレクター。
工場製品が増えてしまった今、古くなった手織りの絨毯を買って来て、修理をし高く売ることでお金を稼ぐことが出来るらしいですが、自らが絨毯の魅力にハマってしまったが故に、次から次に仕入れてはそのまま収集しっぱなしという、単なる「コレクター」になりつつあると自慢げに語ってくれます。
色彩豊か!欲しくなりましたか?
バリさんは、若い頃からスイスなどのヨーロッパの国々で絨毯を売りさばいてきたそうで、その頃から国際色豊かな食事を楽しむことが好きになったそうです。ということで、私が味噌汁の話をすると「ぜひ日本のミソスープを食べてみたい!」と話が運んだわけです。
イランの料理、ペルシャ料理とは?
さて、MISO SOUP IN THE WORLDでは、その土地にあった味噌汁を作ろうという心意気から、毎回その土地の料理に触れています。ペルシャ料理は、ペルシャ絨毯の様に色彩豊か且つ複雑で芸術的だと言われていますが、どんなものがあるのか覗いてみましょう!
ヨーグルトスープ
夏に美味しい塩味の冷製スープ。パンをちぎって浸したものや、キュウリやミントが入ってます。
赤レンズ豆スープ
シンプルにトマトと豆で作ったスープ。朝ご飯にパンと食べます。
豆とほうれん草のスープ/ アッシュ
豆とほうれん草、その他香草がベースのスープで、ヘルシー。たまに麺が入ります。
小麦粉とラム肉のスープ/ ハーリム
小麦粉をラム肉の出汁でのばした、すごく粘り気のあるスープ。朝ご飯に人気だとか。
ファラフェルサンド
ファラフェルとは野菜コロッケのようなもの。それをピクルスやレタス、トマトと一緒にサンドイッチにします。
そぼろ肉サンド
ジューシーな熱々の肉に塩胡椒をふり、緑の野菜と一緒にパンにのせて食べます。
ラクダ肉の煮物
他にも山羊肉、牛肉、鶏肉をスパイスと煮た、カレーのような煮物の種類が豊富です。
ケバブ
ミンチ肉のものもあれば、そのまんまのぶつ切り肉や手羽もあります。
バリさん宅にて味噌汁作り開始!
「具は何を入れるの?香草が庭になっているから使って」とバリさん。味噌汁に香草?!う〜ん確かに、イラン料理は香草をたくさん使うのですが……しかし、試してみる価値はありそうなので、家にあったタマネギとジャガイモ、そして仕上げに、いろいろな種類の香草を入れることにしました!
デルと呼ばれるハーブや、パクチーなど種類は様々。十分でしょう!採りたてのフレッシュな良い匂いです。
具材はイラン人が慣れ親しんだものばかり。日本人には新しい組み合わせですが、きっとおいしいはずです。器によそっている時点で良い香りがします。
実はこの味噌汁、朝ご飯のために作りました。一方バリさんはオムレツを作ってくれました。タマネギ、ニンニク、グリーンチリ、トマトソースを炒めたところに卵を入れて作る、イラン式のオムレツです。
イランではパンをよく食べます。今朝もパンの朝ご飯。もちろんここはイランですから、絨毯の上に座ってごはんを食べますよ!
イスラム教徒だからお酒はダメなんだ!
味噌汁もイラン式に香草がたっぷり入っているので、オムレツにも良く合いそうです。
味噌汁のウケはというと……バリさん、笑顔でおかわりをしてくれました。香草と味噌汁の相性が良かったことが幸いし、パンやオムレツの朝食にもぴったりでした。
最後に、味噌の作り方を聞かれ「……途中までお酒と作り方が同じ」と言った瞬間に「僕はイスラム教徒だからお酒はダメなんだ!」と大慌てされ、こちらも大慌て。味噌が出来上がる時点ではアルコールは無いと説明しましたが、突き詰めるとどうなのでしょう。
イスラム圏では味噌のようにアルコールを使った発酵食品は歓迎されるのでしょうか?!小さな疑問が残るイベントとなりました。
文・写真:mia
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