火山といえば、赤い炎をイメージしがちですが、インドネシアにはなんと……青い炎を吹く火山があります。僕らの常識を覆す絶景を、この目で確かめてきました。
アインシュタインもびっくり!
どうも、旅する理科教師ぞーしきです。
突然ですが、『神秘的な現象を見ることが科学と芸術の根源である』とかのアインシュタインは言っています。そんなアインシュタインも驚くような神秘的な自然現象が、インドネシアのジャワ島で青い炎を吹くイジェン火山です。今回、虫は食べません。
青い火山にはバリ島から行けます
イジェン火山はここ。インドネシアのジャワ島の東、バリ島に近いところにあります。
バリ島もしくはジョグジャカルタから、ツアーを申し込むのが一般的です。僕はプロパリンゴという街でツアーを申し込みました。移動とホテルとガイドがついて400000ルピア(3500円位)でした。入場料は5500ルピア(500円位)です。イジェン火山登山口までは車をチャーターしないといけないので、ツアーで行く方が安いと思います。
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暗闇の中、ツアー開始!
ツアー前日、バスにピックアップされてイジェン火山に近いホテルへ。翌日、深夜1時半起きで登山口へ向かいます。
メンバーは僕、ドイツ人、イギリス人、インドネシア人、スイス人の5人です。※この写真は明るくなってから頂上付近で撮ったので実際は真っ暗です。
ホテルから1時間ほどドライブし、イジェン火山のふもとの駐車場に到着。※この写真も明るくなってから撮ったので、実際は真っ暗です。
ここからガイドさんが付き添って青い炎が見える噴気孔まで2時間登ります。これが、結構きつい……。
「運び屋」と遭遇
すると、途中でこんなおっさんに出会いました。彼が担いでいるもの……
それは硫黄です。彼らはこの山からとれる硫黄を運ぶ仕事をしています。手ぶらの僕らでさえ足が悲鳴を上げる登り坂もすいすい登って行きます。
その重さを聞いて驚愕しました。なんと……平均70~80kgです。ベテランは100kg運ぶといいます。ツアーメンバーのドイツ人が挑戦していますが、当然上がりません。
この硫黄、1kg当たりいくらだと思います?800ルピア(約7円)です。これを100Kg運んだところで700円にしかならないんですよ。路上で稼ぐと一日500円くらいなのでこっちのがいいんだとか……。運び屋の肩を見せてもらうと、筋肉が盛り上がり、皮が何度もはがれたせいか固くなっていました。
マスク必須の硫黄地獄
「運び屋」は噴気孔に近づくにつれて多くなって行きます。加えて、多くなるものがもう一つあります。それは、硫化水素、すなわち温泉などで嗅ぐ硫黄臭です。その濃度の濃さは尋常ではありません。マスクは必ず持参して、ダースベーダーになりましょう。僕はというと(右)……
マスクを持っていかなかったので、着ていたTシャツで顔を覆いました。しかし、呼吸ができなくて死ぬ思いをしました。温泉卵に敬意を表します。
ついに、青い炎が!
しかし、ここからが最後の難関です。目の前でこの炎を見るには、硫化水素が目に染みて我慢ならない道を進みます。僕とドイツ人以外は脱落しました。ガイドでさえ直前まで案内したら、いなくなります(笑)。何故近くへ行かないと駄目なのか……理科教師が言わせてもらうと、青色は波長の関係から遠くに届きにくい光です。本来の炎の姿を見たいのであれば、近づくしかないのです。
その後、ついに……
暗闇のなか、ひたすら地球が青を生産し続けるその光景はまさに神秘的です。人は炎を見ると落ち着くと言いますが、目の前でこの青い炎を感じると、硫黄の臭いも遠のく気がしました。ホントに不思議な時間でした。
フラッシュをたくとこうなります。煙が半端ではないのがよくわかります。
何故青いのか?
足元には硫黄。炎に負けないくらいすさまじい光景、まさに異世界ですね!
このぐらいの大きさにしたら、先ほどの籠の中に入れていきます。
この硫黄が青い炎の原因です。この炎は溶岩とは異なります。硫黄の炎色反応によって炎が青く輝きます※2015年3月25日訂正。
さらに運がいいとこの炎が液状化したフレームと言われる現象が見れます。ベストシーズンは7、8月のようです。これが見れなかったのが心残りです。フレームを捉えた貴重な写真は下記記事から。
火山の青い炎、ジャワ島のイジェン山 nationalgeographic
自分だけの常識を作る旅
『常識とは18歳までに集めた偏見のコレクションである』 アインシュタインはこんなことも言っています。火山が赤いというイメージはまさに僕らの偏見です。そんな偏見を少しづつ塗り替え、自分だけの常識を新たに作ることが旅の本質だと、青い炎を見ながら思いました。
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