旅人の永遠のテーマに向き合う時がきました。ヨーロッパ→アメリカ→中米→南米と1年をかけて世界一周してきた靴を嗅いだ僕の鼻孔をくすぐったのは、そのまま世界一周の重みでした。
自分のやつでは話にならない
デスクです。僕にはここ数年気になっていることがありました。それは、「世界一周した靴はどんな臭いがするのか?」ということです。これはもう、世界新聞の読者の方なら、気になって夜も眠れないというレベルのテーマだと思うのですが、いかんせんそれを検証する機会がありませんでした。
ちなみに、僕も一応世界一周していまして、嗅いでみたことはあるんです。自分のやつを。でも、しょせん自分のやつなんです。どうもピンとこない。しかも僕の場合、旅中に一度靴を換えているので、間違っても「世界一周した靴」とは言えない訳です。
「他の人のやつ」って意外に少ない
そんなこんなで、ここ数年、「他の人のやつ」を嗅ぐ機会がないかと伺っていたのですが、主に以下2点の理由で実現することはありませんでした。
・ひとつの靴を履き続けてる人が意外にいない
・「靴を嗅がせてくれと」言う勇気がない
前者に関しては、ほんと少ないんですね。よくあるのが、世界一周の前から履いているパターン。僕が嗅ぎたいのは「世界一周した靴」。もっと言えば、出発時、新品で旅中ずっと履き続けた物件じゃないとダメなのです。
しかし、ウユニ滞在中、千載一遇のチャンスが巡って来たのでした。
夢にまで見た「世界一周した靴」
ウユニまで世界新聞インターンにきたきづきくん。彼のどうしようもないインタビューはこちら
僕が彼とウユニで会った時、彼はもう世界一周の終盤でした。そして、僕は震えながら例の質問をしたのです。「その靴はいつから履いているのか」と。すると、それは、全てのハードルをクリアしたまさしく「世界一周した靴」だったのです。
夢にまで見た世界一周した靴。イギリスで半年英語留学→ヨーロッパ→アメリカ→中米→南米と計1年間渡り歩いてきた靴です。あとはもう、僕自身の問題です。
持った瞬間、一気に自分ごとになるから不思議です。「ああ、俺は今から他人の靴の匂いを嗅ぐんだ」という背徳感。あれだけ気になっていたのに……人間とはつくづく面倒くさい生き物です。
世界一周の重み
いかつい表情をしていますが、思っていたほど臭くはなかったです。
嗅いだ瞬間は「あれっ」と拍子抜けするくらい穏やか。多少の土っぽさと湿り気を帯びた刺激臭がシンクロし、そしてうまく表現できないのですが、明らかに停滞した何かが居座っています。ただし、しばらくすると、幼き日に昼下がりの動物園で嗅いだあの臭いが首をもたげ、ソールの中で静かに暴れ出します。それはライオンのそれというより、例えるなら「コヨーテ」くらいの器量と言えばいいでしょうか。じわりじわりとゆっくりと、しかし確実に鼻孔内の汚染が進んでいくのが分かります。
個体差の話をすれば、きづきくんは臭いのポテンシャルが低かったのは間違いありません。でもやっぱり、それなりの重みがある訳です。それは、そのまま世界一周の重みと言えるのではないでしょうか。
文・写真:デスク
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