お久しぶりです!おばんどーです。インドといえば、何といっても母なる川ガンジスです。川沿いを歩き回ってその一日を追ってみました。
インドを旅行する人で知らない人はいないバラナシの街。ガンジス川沿いは、古くから神聖な場所として発展してきました。
川沿いの城のような要塞は、かつて富豪の邸宅として建てられたようですが、現在では聖地を訪れる巡礼者向けの安宿や休憩所になっています。
階段はガンジス川の水中まで通じており、「ガート」と呼ばれる沐浴場所として使われています。
ようやく明るくなってきた時間帯にもかかわらずボートが動き出しています。
思わぬところで寝ている男たち。彼らは母なるガンジス川が好きなのか、ここしか寝る場所がないのか……。
歯磨きをする光景もよく見かけます。その向こう側でしゃがみ込んだ男性は衝撃の放尿中。
そして、なんといっても沐浴。聖なる川で体を清めるために大勢の人がガートに集まってきます。
ヒンドゥー教では沐浴を行うことで、罪を流し功徳を増すと信じられています。ヒンドゥー教徒の多くは、1日の始まりに寺院の貯水池や川で沐浴を行います。ガンジスでの沐浴は一見すると神聖なもののようには思えず、風呂に入っているかのような自然さです。しかし、その水は汚く大腸菌レベルはインド政府の定める基準の100倍にまで上ったとのこと(Wikipediaより引用)。
沐浴を終えた女性たちが、ずぶ濡れのまま脱衣場へ入っていきます。
この女性は牛に手を合わせ、ホヤホヤの牛の糞を丁寧に拾い上げていました。ヒンドゥー教で牛は神聖な動物とされています。
同じく牛の糞らしきものを乾かしている様子。少年の仕事のようです。
川沿いでは多くのサドゥー(ヒンドゥー教の苦行者)を目にします。
川に膝までつかりながら洗濯物を豪快に平らな石に叩き付ける集団がいます。
彼らは洗濯を生業とするカースト(ヒンドゥー教にまつわる身分制度)です。洗濯物を畳むところまで丁寧に仕上げてくれます。
川では観光用のボートが浮いています。岸辺では「ボート、ボート」と客引きをしてきます。ぼったくられること間違いなし。
そんな手漕ぎボートを作ったり修理したりするカーストもせっせと働いています。
ガートには数カ所火葬場があり、灰をこの川に流すことは死者に対する最大の敬意とされています。
夕刻、少年がインドの国民的スポーツであるクリケットをしています。
クリケットを遮るように、少年が水浴びを終えた牛をつれて街へ戻っていきます。
夜になるとプージャという式典で一日を終えます。ガンジス川の一日は沐浴に始まり式典で終わっていきました。
ガートを歩いていると、ガンジス川はヒンドゥー教の重要な場所であるとともに、日常生活を行う場所であることが窺えます。カーストを軸にした人間模様を垣間見ることができ、川や、火葬、牛……ありとあらゆる匂いに圧倒されることでしょう。
文・写真:おばんどー
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