20時間かけて移動したその距離およそ1200km。インド列車の最下等「ジェネラル」での苦行の様子を紹介します。
こんにちは!
セカマタ〜(色んな意味で)世界を股にかける女一人旅〜のピノです! 一年で世界一周するはずだったのに既に5ヶ月インドに滞在しております。
インドにも慣れてきたぜと調子に乗って、動く監獄と呼ばれるインド列車の「ジェネラル」に友達と乗ってみました。
初めに言いますが、今は後悔しかありません。
今回は東部ブバネシュワル駅から、南部ハイデラバードにあるセカンダリー駅を目指します。
何度も乗った事のあるインドの列車ですが、今回事前にチケットを取り損ねてしまった為、初の最下等ジェネラルに当日乗車です。
ジェネラルには席数の上限がありません。つまり無限の人数を詰め込めるのです。それは東京のラッシュ時をも超えます。
約1200kmの大移動です。日本で例えると直線距離で東京〜九州間くらいになります!
昼の13時に乗車し、到着予定時間がなんと次の日の朝9時…。乗車時間20時間という眩暈のする数字ですが、以前外から撮らせてもらったジェネラルの車内を思い出し、まだ余裕をこいていました。
皆座れているし余裕そう!と思ったのですが私たちの乗った電車は地獄でした…。
インドの列車には階級があり、上からこのような世界になっています。(値段は今回乗ったブバネシュワル〜セカンダリーバードの値段です。)
1A:1700ルピー(2900円)貴族の住処。世に言うファーストクラス。
2A:1010ルピー(1700円)こちらもほぼお金持ちしかいません。
3A:700ルピー(1200円) 高価すぎず汚すぎず、かつ安全度が比較的高い為、初めて列車に乗る旅人に人気。
スリーパー:270ルピー(460円)少々汚いですが扇風機が付いているのでそれなりに快適!しかし盗難には要注意。
—————————(越えられない壁)—————————–
ジェネラル:100ルピー(170円)最下等級。猛者の巣窟。苦行したい人にぴったり。
170円で20時間乗れるってなんて素晴らしいんだ!なんて思ってはいけません。降車時には17,000円相当するサングラスをマジシャンの如く華麗な手つきで盗まれていましたから。
また、車内の作りは等級に関係なく、基本的には上下に2台のベッド(3Aは三段で少し狭い)になっています。
Aとはエアコンの事で、3A以上は灼熱のインドにおける天国です。しかし冬でもフル稼働させ極寒になる為、防寒具が必須…。
流石、臨機応変という言葉が通用しない国インドです。
また、スリーパーまでは必ず用意される1人1台のベッドですが、ジェネラルだとベッドの使い方はこうなります。
こちらの動画を見て頂くと混み具合が一発で分かると思います。
全く身動きが取れません。暇な時に読む用の本を用意していたのですが、そんなもの読める状況ではありませんでした。
そして座りたくても、地べたには絶対に座りたくありません。何故ならインドの道は牛の糞だらけ…。よって車内にも少なからず糞が持ち込まれていることでしょう。
しかし直に座るのは勿論、びちゃびちゃのトイレに裸足で行くインド人を何人も見かけました。動けずそのびしょびしょの足で踏まれました。
トイレは扉が開く度、車内に臭い匂いが充満します。何度かセクハラもされました。
もうなんなの。
立ちっ放しで辛い足も、夜になれば空いて座れるはず…!という根拠のない未来を信じて頑張れていたのですが、乗車後10時間を過ぎた頃、現実を受け止め始めました。
人数が最初の倍になっている…
明らかに人口密度が上がっています。夜は混む時間帯のようです。
でかいインド人のおじさんが前にも後ろにも横にも、何故か上にも…(ドアの上に一生懸命ぶら下がっていました)ちなみにこの時の私は基本的に片足立ちです。
夜は撮影する余裕なんてもはやありませんでした…。なので申し訳ない事にここからの車内の写真は一切ありません。
携帯を取り出せない程動けないのは勿論、そんな物をここで使おうものならお腹の空いたハイエナ達の前で肉を喰らうようなものです。
密着している為それだけ盗難も多いのです。
奥では荷物棚に座っている青年(もはや突っ込みません)が何やら大きな布を取り出し、何かを作り始めました。なんと荷物棚と鉄に布をくくりつけ、ハンモックを自作している…!!すし詰め状態の私たちの上部にゆらゆらと優雅に揺れるハンモック…
インド人、恐るべしです。彼らはきっと何処でも生きていけます。
到着の5時間前、やっと人が減り始め座れる場所を確保し、なんとかセカンダリーバード駅に到着しました!!歓喜の瞬間!
汗や泥にまみれ頑張った甲斐がありました!苦行後のチャイがなんと美味しいことか。
この後2時間は、何を飲んでも美味しい、何を食べても美味しい、どんな小さな事にでも喜びを感じられるという、悟った仏状態になれます。
本当に全くお勧めしないジェネラルですが、インドを知る一番手っ取り早い方法かもしれないので苦行好きな方は、是非一度乗ってみて下さい!
(女性一人で長時間乗るのは本当にお勧めしません!)
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