1700年台後半、世に「メートル」の概念を広めるべくパリに設置された「メートル標準器」。今なお残る「メートルの化石」は本当に1メートルあるのか確かめてきました!
こんにちは、フランスで活動中のきっしーです。今回は「フランスが世界に与えた重大なことを教えてくれる、超マイナーな観光スポット」をご紹介致しましょう。
それはズバリ…「メートル標準器」です。
メートル法は、18世紀末のフランスにおいて、世界で共通に使える統一された単位制度の確立を目指して制定された。1791年に、地球の北極点から赤道までの子午線弧長の1000万分の1として定義される新たな長さの単位「メートル」が決定された。参照:Wikipedia「メートル法」
しかし市民にとっては「地球の北極点から赤道までの子午線弧長の1000万分の1って、どの長さなの?」と当然ながら疑問に思いました。
そこで度量衡局が「メートル」を市民に示すために、パリの建物に大理石で作った「メートル標準器」を設置したのです。
1796〜1797年、メートルという新しい概念に親しんでもらうために、メートルが刻まれた16個の大理石がパリの街に設置された。参照:Wikipedia「Mètre」
さて、肝心な場所ですが、パリ6区のリュクサンブール公園の近く、正確にはフランスの上院の建物の前辺りにあります。ちなみにこちらはパリで最初に作られた「メートル標準器」と言われています。
住所:36 rue de vaugirard 75006 Paris
私はメトロで行ったので迷ってしまい、6人に聞いたら「メートル標準器?何それ?」とパリジャンもご存知ない模様。なので、一番正確にたどり着くには、パリのバスがお勧めです。
84番線(ポルト・ドゥ・シャンペレ⇔パンテオン)の「セナ(Sénat=上院)」駅で降りたら、
あった!
でも本当に全然目立たないので、通りすがりの人は全く気づいていません。
人がいないことをいいことに、前から疑問に思っていた当時の「メートル」と今の「メートル」が同じ長さなのか?ということを確かめてみたところ…
90cmぐらいからはcmが刻まれてあるのですが、あとは消えています。
これを考えると、18世紀代にあったものは既に消えてしまって、あとから誰かが刻んだのかなぁ、なんて考えていました。
しかし、地球を基準にしたこんなに壮大な「メートル」を世界に広めたことを示す化石には見張りもなく、誰にも邪魔されることなく、触れることができるスポットがパリにあるなんて、得した気分です…。
フランスへ来たときにはぜひ「地球の北極点から赤道までの子午線弧長の1000万分の1」を感じられるメートル標準器を見に行ってくださいね!
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