ウィーンのガウディと呼ばれるオーストリアの芸術家・フンデルトヴァッサー。これがゴミ処理場だなんて信じられます…?
みなさんこんにちは! カップルで世界一周から帰ってきた水島早苗です。ウィーン滞在中、芸術家・フンデルトヴァッサーの建築を見てきました。ゴミ処理場さえステキに見せる(上写真)、彼の建築デザインを紹介します。
By Hannes Grobe – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 2.5, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=930973
オーストリアの芸術家、画家、建築家。色鮮やかな外見、自然と調和した建築でよく知られる。(wikipediaより引用)
フンデルトヴァッサーや現代芸術を展示しているクンストハウス・ウィーン(行き方)です。その外観がこちら。
つぎはぎに見える壁はガラス、金属、レンガ、陶器などいろんな素材から作られており、「植物とともに生きる家を作ること」を哲学にしていた彼が作った建築は、壁や窓から植物が生えていました。
また、フンデルトヴァッサーは直線を使わないことでも知られています。
サグラダ・ファミリアで知られるアントニ・ガウディも直線を使わないことで知られていますが、フンデルトヴァッサーも同じです。
自然を愛した彼は建築でも自然への回帰を唱え、曲線を多用した独自の様式を編み出しました。(wikipediaより引用)
館内に入ってみると、地面まで直線ではないことに気がつきました。ここまでやるとは……! 工事は大変だったに違いありません。波打った地面は歩くのに不便かと思っていましたが、不思議と歩き心地がいいんです。
彼は公共住宅も建設しました。それがクンストハウス・ウィーンの近くにあるフンデルトヴァッサーハウス(Hundertwasserhaus)です。
ここは住宅なので館内を見学することはできませんが、外観だけでも見ようと、多くの観光客が来ていました。
こちらが住宅の入り口です。
地面だけではなく、柱まで曲線なんですね。遊び心をくすぐられてしまいます。
公共住宅とは思えないほど異彩を放っています。観光客が押し掛けて住民は落ち着かない雰囲気もありますが、入居希望者は後を絶たないそうです。
フンデルトヴァッサーハウス
メトロのシュピッテラウ駅で降りると、こんな建物が見えます。何かの工場であるような雰囲気はありますが、一目ではわかりません。
そのポップな工場のような建築を目の前にして、後ろを振り返ると自然豊かな集合住宅が広がっています。
実はこのポップな建物はゴミ処理場(シュピッテラウ焼却場)なのです。にょきっと伸びた煙突からは煙ではなく、水蒸気が出るそうです。
フンデルトヴァッサーらしい線があちこちに見てとれます。四角い窓の周りを曲線で囲んでいたり、四方見て歩いても飽きません!まさかゴミ処理場の周りを夢中で歩いて見て回ることになるとは思ってもみませんでした。
こちらはゴミ処理場の隣にある事務所です。血を流しているように見える建物も、直線を嫌った彼の芸術のひとつです。FERNWÄRME WIENと書かれているのは直訳すると、ウィーン地区の暖房という意味です。実はここはゴミ処理場だけでなく、火力発電所も兼ねていて熱を暖房に活かしているんだそうです。
このゴミ処理場には、単に”ゴミ=捨てるもの”ではなく、自然への回帰、自然との調和という彼の信念が生きているに違いありません。
シュピッテラウ焼却場
フンデルトヴァッサーの施設、実は日本にもあるんです。大阪市・舞洲の下水汚泥処理施設・舞洲スラッジセンター。社会見学もできるようです。いつか行ってみたいと思っています。
フンデルトヴァッサーが作った建築を見ていると、自然との調和、共存という作家の信念がストレートに伝わってパワフルでした。実際に見に行ってよかったです。
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