「20世紀最大の環境破壊」と呼ばれる「アラル海」で僕が目にしたもの

2015.02.25 12:00 
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半世紀で約5分の1に縮小したアラル海。人間が原因です。

 

カラカルパクスタン共和国ってどこ?

こんにちは!世界一周中の植竹智裕(うえたけともひろ)です

僕は1月にウズベキスタン北西部にあるカラカルパクスタン共和国を訪れました。

 

国とは言ってもウズベキスタン国内の自治共和国なので街並みも通貨もウズベキスタンと変わりません……。
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「20世紀最大の環境破壊」の現場へ

そんなカラカルパクスタンを訪れた理由はただ一つ。この国の北部のモイナクという街に、砂漠に打ち捨てられた船の墓場があるというのです。そしてそこには、「20世紀最大の環境破壊」と呼ばれ、今なお縮小し続ける「アラル海」があります。

首都ヌクスからバスで4時間かけてモイナクへ向かいます。
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そして辿り着いたモイナク。​左上の緑がアラル海です。

 

街には人通りもありますがどこか寂れた印象を受けました。
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そして、干からびた大地が遥か遠くまで続いています。
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船の墓場

歩く事1時間、何か見えて来ました……。
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船です!
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こちらにも何隻もの船が並んでいます!
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塩のせいもあって完全に錆びついています。
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墓場の正体

なぜこれらの船は砂漠のど真ん中に打ち捨てられているのでしょうか。

実はこの砂漠、もともとはアラル海という塩湖の湖底だったのです。かつては二つの川がアラル海に流れ込んでいて、世界第4位の面積を誇っていたそうですが、綿花栽培の灌漑の為に川の流れを人為的に変えてしまったせいで、半世紀で約5分の1に縮小し、沿岸のモイナクからは一晩に数十メートルも湖岸が遠のき、現在では77キロも湖岸が後退してしまったのだそう(Wikipedia参照)。

写真は墓場に立つモニュメントです。
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船の墓場には1960年代からのアラル海の面積の推移を示す看板もありました。左から1960年、1979年の写真です。
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そしてこちらが1990年、2000年の写真。確実に干上がっているのが分かります。
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そして2009年の写真がこちら。この看板だけ色褪せていましたが、青い部分が現在のアラル海。上記の写真から比べてもかなりの部分が干上がり砂漠化しているのが分かります。
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ちなみにこちらが、Google マップで見たアラル海。

 

沿岸に暮らす人々

アラル海に関する説明文もありました。それによれば、かつては漁業や魚の缶詰の生産で栄えたそうですが、1980年代初頭には漁業が出来なくなり、10000人の漁師が仕事を失ったそうです。
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船の墓場で出会った地元のヤンキー青年達。終始「俺たちは貧乏人だ」「ウォッカ買ってくれ」「そのガイドブックをくれ」「(女の子の)帰りのタクシー代を出してくれ」……とたかられ放題でした。民家から出て来たおばさんに「マネーーー!」と叫ばれる事もありました。身なりや体つき、口ぶりを見ても、生死に関わる程生活に困窮している様子はありませんでしたが、やはりお金には苦労しているようです。
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かつての姿を取り戻す事は出来るのか?

地球温暖化でやれ海面が上昇しているとか、島国が沈むとか囁かれている反面、干上がりそうな湖もあるというのですから自然環境の保護って難しいですね。

アラル海では塩分濃度の上昇で魚が死滅し、産業が廃れた為に人口は激減、更に砂漠から吹く塩分を含んだ砂嵐の為に住民の健康被害も起こっているです。アラル海が干上がるのを防ぐ為に川の流れを再びアラル海に向ける計画もあるようですが、環境に資源、住民、健康など失われたものを元に戻すのは容易な事ではありません。あまりに多くの物を失なったアラル海、そしてモイナク。かつての姿を取り戻す日は果たしてやって来るのでしょうか。
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文・写真:植竹智裕
HP:週刊!植竹智裕の気ままに世界探検ブログ

 

2018rank


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植竹 智裕
1986年、東京都多摩市生まれ。会社を辞めて早5年、世界一周・旅行記出版を夢に俳優業など手を出しつつゆるやかに資金を貯めてきた植竹、ついに日本を飛び出し世界から色々な体験記をお届します! 帰国後のお仕事のご相談もお待ちしております!旅のオフショットはインスタで。ブログTwitter

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