かの有名なダライラマが住み、チベット亡命政府のある街とえいば、インドのダラムサラです。たくさんのチベット難民が住むこの地で、チベット料理と味噌汁のフュージョンをしてまいりました!
リトルチベット・ダラムサラ
こんにちは!世界一周旅行をしながら、旅先で出会う人たちに味噌汁を食べてもらっているmiaです。連載MISO SOUP IN THE WORLD7回目の今回は、「インドの中のチベット」と言われるダラムサラよりお伝えします。
ダラムサラはインドでも大変ユニークな場所で、中国人民解放軍によるチベット軍事制圧を受け、ダライラマ14世が亡命政府を発足させた地で、何万のチベット難民が流入したという、まさにインドの中でリトルチベット化した場所なのです。Wikipedia参照。
チベット難民に味噌汁を
ダラムサラの街には、チベット人とインド人が混在して暮らしています。
チベット人のための寺院や、回すことで念仏を唱えた効果が得られるという「マニ車」が数多く存在します。
ストリートには、中国の弾圧に抵抗するために焼身自殺したチベット人のポスターなどが各所に貼ってあり、この土地の特異性が伺えます。
今回、味噌汁を食べてもらったのは、チベットから避難してきたチベット人のTさん。数年前、車で遥々国境を越え、ここダラムサラまでやってきたのだとか。ダラムサラにやってくる旅人に、チベットの現実を伝えたり、難民の教育をサポートする活動をしているそうです。
そんなTさんに「チベット料理を作りたい!」とリクエストすると、料理教室を開いてくれることになったので、「ならば、世界に誇れる日本の味噌もTさんに味わっていただこう!」とチベット料理と味噌のフュージョンを提案しました。
チベット料理とは?
さて、MISO SOUP IN THE WORLDでは毎回、土地に合った味噌汁を作ろうという心意気から、その土地の料理に触れています。今では、多くのチベット難民がダラムサラで生まれ育ち、インド生まれの2世、3世も増え、ここの食事は多様化してきていますが、未だに「チベット料理」として慣れ親しまれている食べ物をご紹介します!
チベット料理はパンの種類が豊富です。「ブラウンブレッド」は、全粒粉が原料で素朴な味。表面はさくさく、風味が大変香ばしいです。
こちら「蒸しパン」も素朴。イーストと小麦を水を使ってこね、丸めて蒸します。蜂蜜や、ソースにつけて食べます。
そして「揚げパン」。ミルクティーと一緒にいただくのが美味しいです。
パンではない独特な主食もあります。「チャンパ」はあらかじめ煎った小麦粉を、チベットのバター茶と混ぜて食べます。栄養満点です。
「センドゥック」という麺は、小麦粉を水でこねて、指でちぎって引っ張った生地をスープで煮て作ります。麺の舌触りがつるつるしていて、スープがしみているところが旨いんですね〜。
チベット料理と言えば「モモ」でしょう!起源はチベット人もよくわかっていませんが、語源は中国語のようです。餃子に似ていますが、マサラが入っているモモは日本の餃子とは全く違った印象を受けます。
そして今回の主役は、なんと言っても「モモ」です。モモと味噌をフュージョンさせるべく、モモ in 味噌スープと、さらに蒸しモモ用に味噌入りのディッピングソースを作ることにしました!
モモと味噌汁のフュージョン開始!
Tさんの料理教室に集まった仲間は、同じ宿に泊まっているイギリス人のクリスティーちゃん(左)とイスラエル人のエマちゃん(右)。
Tさんを無言で黙々と手伝ってくれていた僧侶のZさん。モモの具になるほうれん草を茹でています。具はお好みで作りますが、少量のニンニクとタマネギのみじん切りはどの具にも欠かせないようです。
さすがTさんは上手です!クリスティーとエマは初めてのことに奮闘中。
準備ができたら、蒸し器で蒸します。そして私はモモ in 味噌スープ用に湯を沸かしますよ〜。
そして今回、スープの中に入るほうれん草のモモです。みんなで包んだ渾身の作。
沸かしたお湯に、モモを入れ、味噌も投入!茹でること10分……。
完成!はじめての味噌汁のお味は?
出来ました〜!モモ in 味噌スープ!味噌汁とはまた違った、モモから出たうま味が最高な一品になりました。
蒸しモモが完成するまでのスターターとして、スープを先にいただいちゃうことにします!クリスティーちゃんもエマちゃんも「すごくおいしい!」とぺろり。
Tさんは、この笑顔の通り。味噌は初めて食べたそうで、「これはなんだ?!おいしい!」と大成功。
ここで登場するのが、味噌ディッピングソースです。普段は唐辛子のペーストを水と醤油で伸ばしたソースでいただきますが(左)、そこにさらに味噌を加えたのが、味噌ディッピングソース!(右)
モモ in 味噌スープに続いて、Tさんの心を鷲掴みにしたのが、このソースでした。
まるで、お皿を舐めたようにきれいに食べ尽くしてくれました。ちなみに、欲しそうだったので、味噌を少しばかりお裾分けしてあげました。
チベット料理と味噌のフュージョンは大成功!今回チベット料理に出会い、意外な相性の良さをみせた味噌。今後も味噌玉はさらなる探検を続けていきますので、ご期待あれ!
文・写真:mia
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