チリのアタカマ砂漠で遭難したら地図にない幻の湖が現れた

2013.09.06 10:04 
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宝石23道3

標高4000mに色とりどりの湖が点在する、通称「宝石の道」。南米一の悪路に自転車で攻略を試みるもまさかの遭難……。途方に暮れる僕らの目の前に現れたのは、幻のような美しい湖だった。

 

タンデム(二人乗り)自転車世界一周のsawaです。今回はボリビア南部チリ国境付近の「宝石の道」を走った時に体験した不思議な出来事をレポートします。

標高4000mに色とりどりの湖がある宝石の道は別名、ラグーナ・ルート(湖の道)と呼ばれています。この一帯はアタカマ砂漠マラソンで有名なアタカマ砂漠が広がっています。
大きな地図で見る

 

スタート地点はチリ北部のオアシス都市のアタカマ(上地図B)。ここから宝石の道を通ってウユニ(上地図A)を目指します。
宝石1アタマカ

 

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HI127253502

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アタカマは周辺に光が無いため、一説には「世界で一番星空が綺麗に見える場所」と言われています。
宝石3アタカマ3

無人の砂漠地帯を抜ける為、水や食料をたくさん積んで出発です。
宝石0自転車2

チリを出国して、サイクリングスタート。まず目指すのが40km先のHito Cajon。ここにボリビアのイミグレ(出入国審査)があります。
宝石5峠1

道の左手に見える山脈のくぼみが今回攻略する峠になります。ここ、アタカマ(標高2000m)から2500m登った標高4500m地点に峠があります。
宝石6峠2

なだらかに延々続く上り坂
宝石7峠3

途中、足がつりました。写真では標高をあまり感じませんが、酸素はかなり薄くなっており、苦しい……。
宝石8峠4

なんとか標高4500m地点まできました。アスファルトが切れ、未舗装の道を行かねばなりません。
宝石9峠ボリビア1

高原地帯が続きます。
宝石10峠ボリビア2

何本も車の轍があり、どれが本当の道かわかりません。
宝石11峠ボリビア3

右手にボリビアのイミグレ(出入国審査)が見えてきました。
宝石12峠国境1

定期バスなどはもちろん無いので、自前の交通手段を持った観光客か、ツアーのランクルしか訪れないイミグレです。
宝石13峠国境2

イミグレの先にはこの一帯を管理する国立公園のオフィス。すぐ裏手には、ラグーナ・ブランコ湖(白の湖)が広がっています。
宝石14チケット1

入場料は150ボリビアボリ(1500円)と現地の物価からするとかなり高額です。おまけでステッカーがついてきますがそんな余裕があるのなら、地図や案内の冊子を作ってほしいところです。
宝石15チケット2

真っ白なラグーナ・ブランコ(白の湖)
宝石16しろ

すぐ隣(写真奥)にはラグーナ・ベルデ(緑の湖)があります。ふたつの湖は繋がっているのですが、色は違います。
宝石17みどり1

緑の湖
宝石18みどり2

未舗装の高原を行きます。道の状態は比較的良いです。
宝石21道1

不毛の大地ですが、時々ツアーのランクルが通ります。
宝石22道2

物音一つなく、耳が痛いくらい。
宝石23道3

ラグーナ・サラダという湖の湖畔にある温泉。外気が一桁台なので、温泉の温かさが身にしみます。しかし標高は4500m、長湯は禁物です。
宝石26サラダ3

この先、緩やかな登りが続き、宝石の道で最高の4800mの峠が待ち構えています。
宝石27雪1

峠に近づくにつれ天候が悪くなってきました……。
宝石28雪2

ついに雪が……。このあたりが4800m地点のはずですが、確かめてる余裕はありません。この標高で雪はシャレになりません。
宝石29雪3

あっという間に積もってきました……。
宝石30雪4

吹雪で、一面真っ白です。指先の感覚がなくなってきました。
宝石31雪5

標高が4200mまで下がった時、雪は止みました。道が雪解け水で川と化していました。
宝石32雪6

野生のビクーニャがいました。
宝石35石の木1

さらに不毛の大地を進むと、
宝石36石の木2

キノコのような奇岩があるArbol de Piedraに到着。
宝石37石の木3

依然として轍がたくさんあって、進むべき道がわかりません。岩に登ってルートの確認をします。
宝石38石の木4

半信半疑のまま砂丘を登ります。とてもじゃないですが漕げません。
宝石39なぞ1

複数の轍に惑わされ、本格的に迷ってしまったようです。
宝石40なぞ2

ここは一体どこなのでしょう。途方に暮れていると……
宝石41なぞ3

湖が姿を現しました。かなり大きな湖なので地図に載っているハズなのですが……見当たりません。
宝石42なぞ4

幻影を見ているのかと思いましたが、確かにそれはそこにありました。
宝石43なぞ5湖

フラミンゴがいます。息を呑むような美しさですが……ゆっくり眺める心の余裕はありませんでした。
宝石44なぞ6フラ

轍はたくさんありますが、ツアーのジープに出会いません。疑心暗鬼のまま進みます。
宝石45なぞ7

宝石46なぞ8湖2

放牧されていると思われるリャマがいましたが、人の気配はありません。
宝石47なぞ9

突然、遠くに横切る車が見えたかと思うと、チリとボリビアを結ぶ幹線に出たようです。安堵のため息を漏らします。
宝石49本線1

一時は不毛の大地で遭難かと思いましたが、無事戻ることができました。街に着いてドライバーに聞いたところ、あきらかにマイナーなショートカットルートを走っていた様です。それにしても……あの湖は何だったのでしょう。
宝石50本線2

文・写真:hirokazu sawa


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hirokazu sawa
運動オンチな嫁さんを騙しふたり乗り自転車「タンデム」で世界一周旅行へ。点と点ではなく、線で繋ぐ人力によるのんびりふたり旅。バックパッカーとも一味違う目線から世界をお届けします。 ブログ:へたれタンデムチャリダー○○行く

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