バスなら5時間と千円で移動できるウクライナの350kmを、あえてヒッチハイクするとこうなります。
ウクライナでヒッチハイク
こんにちは!自称マジシャンせがわーるどです。大学で勉強しているロシア語を使い旧ソ連諸国を周っていました。
ウクライナってそもそもどこ?という方が多いので簡単に説明すると、かつては旧ソ連を構成していた主要な国でロシアの左隣に位置します。美人が多い国!というなら聞いたことがある人は多いのではないのでしょうか?
(旧ソ連だけ旅する連載の過去記事はこちら)
さて、かねてから海外で挑戦したいことのひとつにヒッチハイクというのが僕の中でありました。
旅といったらヒッチハイクということで今回は友達とウクライナで行ったヒッチハイクについてお届けします!
ハラハラドキドキしたい人、必見です!いくつもの出会いに恵まれた感動の集大成です!
ノリで始まったウクライナのヒッチハイク
実は僕一人では海外でヒッチハイクをするなんて勇気はありませんでした。きっかけは大学の友達(女性)が世界一周ついでにウクライナに立ち寄ってくれたことです。
「ウクライナで何したい?」と聞いたところ、「ヒッチハイク!」と返ってきたのが全ての始まりでした。
もし襲われでもしたら取り返しがつかないな、などネガティブなことを考えてせいかとヒッチハイクするのをためらっていたら…「何でびびっているの?」というのが友達の弁。
情けない男です。
【12:00(0/350)】全長350kmのウクライナ・ヒッチハイクスタート!
オルジフという町から首都キエフ(約350km)を目指します。12:30にスタートして、果たして日没までにたどり着けるのでしょうか……?
【12:00:05】車つかまる
いろんな不安を抱えたまま親指を立てました、なんと1台目にして止まってくれました!これには驚きでした!!その時間5秒(笑)
乗せてくれた人も本当に優しい人で、15km進むことができました!意外といけるかも!という根拠の無い自信がわいてきました!
【14:30(15/350)】棺おけ売りの女性に出会う
腹ごしらえなどして14:30にヒッチハイク再開しました。
やはり最初の1台目が相当ラッキーだったようでなかなか止まってくれません。正直、友達は一回ヒッチハイクを経験できて満たされた感じが出ていました(笑)
それでも続けることにしましたがなかなか捕まらず、場所を何度も変えて続けました。ガソリンスタンド前ならいけそう!ということで距離は離れていましたが歩きました。
そしたら・・・女神降臨です!
棺おけ売りの女性。この女性もう何度もヒッチハイカーを乗せているらしく、進んでくれただけでなく、観光まで連れて行ってくれました。本当に女神のような方です。
私の職場~という感じで、棺おけ屋さんにも連れて行ってくれました(笑) たぶん、ウクライナのヒッチハイクで棺おけ屋さんに行ったのは僕らだけじゃないかな(笑)
などなど、本当にローカルすぎる観光スポットを巡ってくれました。
ありがとうございました!
【14:50】金を請求する男
さて僕らが下ろされた場所は何も無い道路です。もう後戻りはできません。
このころになると、テンションも高ぶってきていました。絶対に、首都キエフまでたどり着いてやる!と意気込んでいました。
出会いは、20分後に訪れました。30代くらいの男性で、お金を請求してきました。これが、タクシーなら普通なんですが、やはりヒッチハイクって言ってる以上僕らもあまり乗る気ではありませんでした。
しかしその人は現在の場所から150kmも進んだ「ジトーミル」までいってくれるとの事。いくら請求するのか、聞いたら1人200円でした(笑)
これは乗ろう!ということに(安直) ウクライナの相場の安さに感謝です。
【18:00(200/350)】バスターミナルの誘惑
18:00にジトーミル着。キエフまであと130kmです。気づいたらもう200km以上は進んでました。このころになると、疲れが出てきてもう始めのほうの元気はありませんでした。
友達もやつれ始めました(笑)しかし、臆することなく堂々と親指を立てる姿はかっこいいですね。強い女性だ(笑)
少しして4人目の方がとまってくれました。「何してるんだ」と驚いていました(笑)
キエフを目指しているという旨を伝えるとバスターミナルまで送ってくれる事に。
【19:00(250/350)】
時刻は19:00をまわっていました。キエフまであと100km以上あります。僕らの目の前には、キエフ行きのバスが往来するバスターミナルがありました。
究極の2択です。
・バスを使い安心安全な方法でキエフまで向かうか
・達成感たるものを得るためこのまま最後までヒッチハイクを続けるか
僕らが出した決断は19:45までヒッチハイクを続けて、それでも無理だったら諦めてバスに乗ろうというものでした。車が止まれるようなスペースも減速ポイントも無い場所で10分、また10分と無常にも時が過ぎ去っていきました。
【19:45(250/350)】
ここまでかと半ば諦めていました。いや、最後までヒッチハイクでキエフまでたどり着き達成感を味わいたい気持ちはありましたが。19:45まで1分をきりました。
「この車の群れを最後にしよう。」
この言葉にどれほどの悔しさがあったか。毎度のように僕らの目の前を僕らに目を向けることも無く過ぎ去っていく。群れの最後の1台が通り過ぎようとしました。
「おつかれさま。失敗や挑戦に意義があり、ここまでヒッチハイクを成功させてきた。恥じることは無い。正々堂々と僕らは戦った」
そんなことを自分に言い聞かせながら諦めた瞬間、その最後の1台が急ブレーキをかけ、僕らの目の前にとまってくれました。
21:00 目的地のキエフへ
僕らはゆっくりと車に揺られました。車内は、快活な音楽とにぎやかな会話。外は夕焼けに染まりつつありました。21:00にウクライナの首都「キエフ」に到着。
夢みたいです。やってやりました。
・距離にして350km
・時間にして8時間30分
・出会いの数5組
1000円と5時間では決して得られない達成感
ウクライナで350kmって、バスを使えば1000円ほどで5時間もあれば余裕でいけます。
しかし、今回僕らがとったヒッチハイクと言うのは、時刻表もなければ停留所もなければ、目的地にたどり着けるかどうかもわからないリスキーな選択です。同じ道のりでも、安全な道を選びゴールに辿り着いたときと険しい道のりの果てにたどり着いたゴールとでは、きっと雲泥の差があります。
このヒッチハイクで、挑戦することの大切さを再認識することができました。
このチャレンジを成功に導いてくれた人々、そしてきっかけを作ってくれた友達、本当にありがとうございました、一生の宝です。
注意:ヒッチハイクは自己責任でお願いします。
(旧ソ連だけ旅する連載の過去記事はこちら)
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